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宇宙創記ドミナントレガシー  作者: ZINDUSTRY
第二部
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21/29

【EPISODE8 EVILL INSIDE US(イビル インサイド アス】

べリオ♂:

ムーンライト♂:

パウロ♂:

クルス♂:

A.F.S男性作業員A/A.F.S男性作業員B♂:

ラプラス♂:

ズング♂:


ワカミネ♀:

フラワ♀:

ヒメ♀

ネリル♀:


♂7:♀4


べリオ:『させねーーーーーーーーーーーーーーーーよ。』


<ジークセイヴァーのランドスタッド発艦口から巨大なカプセルが射出され。

ナイトスペリオルとアオオニに向かって射出されたそれは二体が避けた後にばかん、と割れ。

その中からジェイルブレイクが現れ。>


ムーンライト:『高濃度荷電粒子キャノン充填開始!レーダー関連に回す電力も切れ!探知はディールのディテクターに一任!

一秒でも早く荷電粒子キャノンを撃てるようにせぇ!!!』


<ぎゅぅぅぅん、とジークセイヴァー内が暗くなる。>


ムーンライト:...いよいよ正念場やでぇ.....!!!!!!!


<場面転換 ナイトスペリオル(以下NS)とアオオニ(以下AO)がジェイルブレイク(以下JB)と対峙する。>


パウロ:『...状況を見ろ。二と一。自殺がうぬの選択か?』


クルス:『ヤダねぇ。いつになっても、追い詰める側ってのも心が痛くなるもんなんだよ?』


べリオ:『ガチャガチャガチャガチャうっせェな。』



────────『ビビってんのか?』


クルス:『イイね。』


パウロ:『よかろう。そして..さらばだ。』


<ギュオッ、とスラスターを吹かして襲い来るNSとAO。>


べリオ:『うッ.....おおおおッ、ギリ....!!!』

<その二体の攻撃を紙一重でかわすべリオ。>


べリオ:『ぐ...っ、おらっ! ほっ....、まだまだ...!!!』


パウロ:『...妙だ。』


クルス:『”避けられ過ぎている”。

オレ達の攻撃も、そんなにヌルくないつもりなんですがね。』


パウロ:『...反射ではない。...文字通りの紙一重の回避、機体に攻撃が当たらぬ事も無し。

......目の前の機体のパイロットの小僧の目で避けてはおらぬ。』


クルス:『...というと.....?』


パウロ:『...”鷹”がおるな。』


クルス:『イヤ分かんねぇっすよ!

どういう事っすか!?』


パウロ:『...”鷹”の目を借りておる。

.....あの小僧....か。』


クルスN:あの小僧...? 狙撃がクソ上手えあのパイロットか...!!!


パウロ:『...そも、吾らを倒しに来ているのではない。

...時間稼ぎをしていると見た。』


クルス:『....なるほど。

...ま、狙いさえ分かれば...ッ!!!』


<JBを無視し、JBの背後のジークセイヴァーに向かって突進するAOとNS>


べリオ:『っぐ....まっ、待てッ....!!!!』


<すると次の瞬間、ひゅるるるる.....と不自然な角度から手りゅう弾の様なものが飛んでくる。>


パウロ:『クルス!!!!九時の方向に0.4秒スラスターを強制噴射!!!』


クルス:『....ッ、了解!』


<NSが飛びのいたそこに手りゅう弾が着弾、地面はしゅうしゅうと焼けたようにドロドロに溶けており。>


クルス:『....これは.....。』


パウロ:『禁止指定重化学兵器。....非道の上にランドスタッド戦において非効率とされた趣味の悪い兵器だが...。

....民の住まう土地で使うか。




.................ズング・ソーイ...........!!!!』


ソーイ:『私の治めるこのコロニー!

...賊と卑劣な権力主義の象徴、NOAHの兵士よ!

....この私が退けてくれる!....行くぞ!!!!』


<わらわらと現れたアークエンジェル部隊を率いるように先頭に立つズング・ソーイの機体”バスケットラースHD”。>


べリオ:『........ッッッッだよこのクソ立て込んでる時にィィ!!!』


ディール:『いえ!これはチャンスです。

このような混戦であればジークセイヴァーのみに目が向く可能性は低くなっています!それに...』


フラワ:『皆!!!!!!待たせたわね!!!』


ワカミネ:『補給物資を持ってきた。ジークセイヴァーはランドスタッド着艦口を開けて待機してくれ!』


ディール:『CT、およびサイドホーンの接近を確認!』


ソーイ:『あんなっ....ふぅ....!!!ふぅう........!!!!!

あんな...、あんなひこうきなんて怖くないんだ!!!

わたっ.....!!!私は!!!ズング・ソーイ!!!!!

ズング家の!!!ズング・ソーイだ!!!!!!!!』


<CTに向かって手りゅう弾を振りかぶるバスケットラースHD。>


べリオ:ッッッッさせねェ!!!!!!


<構えたバスケットラースHDの手首を蹴り上げるJB。>


べリオ:お前は何なんだ!!!

なんでそうやって外の世界を拒むんだ!

このコロニーを見ろ!

皆が飢えている!!

お前のその部隊のランドスタッドは何処から来るカネで作ってんだ!


...っ、なんで、部下を簡単に!!!爆弾みてぇな使い方出来るんだ!!!!!


<バスケットラースHDの肩を掴み、そのまま後ろへと突き飛ばすような態勢で背中のスラスターを吹かす。>


べリオ:誰も!死にたくねぇんだ!!

誰かの為に命を使われてもいい人間なんていねぇんだ!

俺たちは通りすがりの人間かもしんねぇ!

お前にしかわからねぇ苦しみがあったのかも知んねぇ!!

でも!!!

それでも!!!!死にたくねぇってのは皆思ってんだ!

それを無視する権利なんてのは...カネでも!コネでも!!

手に入らねぇし....手に入れちゃいけねぇモンなんだぞ!!!!!


ズング:ひいいいいいいいッッッッ..........!!

黙れ!黙れ!黙れ!!!私を!!私を認めない世界が悪いんだ!

私に見下されているべき存在が蔓延るこの世界を!

私が変えるんだ!私は被害者だ!その私が立ち上がって何が悪い!

お前ら加害者に報いを与えて何が悪い!

...ッ、勇猛なる我がアークエンジェル部隊!!!!

気圧(けお)されるな!!!!

かかれええええええええええええッ!!!!


<ドォン...、と巨大なビルに激突して動きが止まるJBとバスケットラースHD。

然し、それに構わず挙げられたズングの声に呼応するようにアークエンジェルの部隊がNOAHZとジークセイヴァーに襲い掛かる。>


べリオ:...ッ救えねぇ奴...ッ!

ジークセイヴァー!

チャフをバラまいてミサイルからのロックオンを避けろ!

アークエンジェル部隊はミサイル兵器をマウントしてやがる!


ッッッどけェ!!!!

オラァ!!!


<バスケットラースHDを蹴り飛ばしては踵を返しNOAHZとアークエンジェルの入り乱れる混戦へ飛び込んでいくべリオ。>


べリオ:補給物資の積み込みはまだか!!!

つーかそろそろ粒子キャノンも撃てんじゃねぇか!?!?!?


ムーンライト:もうちょい保たせろや!!

ワカミネのサイドホーンのウイング部分の損傷が延焼しとってな、搬出にも一苦労なんじゃ!

ちゅーーーーかお前こそジークセイヴァーのキャノン使ったときにすぐ帰投できる距離で戦わんかい!!!


ディール:べリオさん!!!右!!!!!!!!!!


べリオ:うッッッお...ッ!




<ガギィン、と唐突にべリオの機体の右の死角から槍が迫る。

それを探知してべリオに伝えるディール。

べリオは反応し、機体の手の甲で槍を弾く。>


クルス:『あっちゃ~.....。今の反応するかァ~.....。困るんだよなぁ....。』


クルス:『....これでお前らはNOAHZ全体からの要警戒対象に格上げだ。

ンで....』


パウロN:些か(いささか)、早いが...。

機(しお)、か。


クルス:『オレもこの状況だと...本気を出さざるを得ねェ。


.....”脱ぐ”ぜ。』


NS『MORE GO STRAIGHT』


クルス:『ファングネガティブ!!』


NS:『EVEN I DIE.』


<ばぎん、ばぎんとNSのアーマーが分解されて地面にずしんと音を立てて脱着されていく。

そして脚部の関節はめきめきめきめき...ッ,ゴギン。 耳を塞ぎたくなるような生々しい音と共に逆関節に脚部が変形し。>


クルス:『この変形状態はマジしんどいんだよ....。

足の形が妙ちくりんだろ?加速の感じもなんか人間っぽく無くてなァ。

.....さて。掃除だ。』


べリオ:『ジークセイヴァー!!!!衝撃に備えろォ!!!!!!』


ディール:『ジークセイヴァー!!耐衝撃看板を前面に集中!』


<ぎゅぼっ、と空気を泳ぐかのような音。

異常な速度で飛び出したその機体 ナイトスペリオル・ファングネガティヴ(NSFN)。

その機体がジークセイヴァーに接近する。

そして一瞬遅れジークセイヴァーの船体の前面に船体を覆う防御板が集中する。

それに構わずNSFNが右腕部のエネルギービームクローでジークセイヴァーを殴りつける。>


<場面転換 NSFNに殴られ、衝撃に揺れるジークセイヴァー内。>


ワカミネ:ぐぅぅっ......!!!!

搬出作業を止めるな!!

搬出が終了次第私も戦闘に参加する!


ムーンライト:無茶言いなや!!!

サイドホーンは被弾しとる!

出撃は到底無理や!

爆発すんど!


ワカミネ:何と.....歯痒い....ッ....!!!

フラワの搬入作業はまだか!


フラワ:『大丈夫...ッ、大丈夫ッ!!

ぐっ!! 冷静に...!!!』


(そう言いながら腰部にマウントされているビームハンドガンでアークエンジェル部隊やNOAHZの部隊をけん制しているCT)


べリオ:『フラワ!!絶対ぇそこから前に出るな...よッ!

そこに居る限り、オレが守ッ....数が多いんだよクソッタレがァ!』


フラワN:あちこちから、アラーム音....!!

落ち着いて、落ち着いて....!!

ロックオンをして、撃つ...ロックオンをして、撃つ...!


べリオ:『ディール!!!フラワの周囲の敵をマルチロックオンしろ!!!

オレのジェイルブレイクのミサイルを全部使う!』


ディール:『っそ、そんなことをしたらジェイルブレイクのバッテリーが...!!』


べリオ:『早くしろォ!!!!!!!!!!』


ディール:『...了解!! マルチロックオン...完了!!』


べリオ:『オオオオオオオオオオおおおおお吹き飛べコラァァァァァァツ!!!』


クルス:『おおっと。それ食らうのはちょいマズいな。』


<JBの肩がガパッ、と開き。小さなミサイルが大量に射出され、フラワの周囲のアークエンジェル部隊のD-IZとNOAHZ部隊のスペリオルがミサイルによって破壊されていく。唯一NSFNのみが一瞬早く飛びのいてミサイル群を回避し。>


フラワ:『ハァッ...、ハァッ、べリオ!!有難う...ッ!』


べリオ:『礼は要らねぇ!!いや強いて言うならあとでおっぱいとか見せてくれ!

ッッ今は死なねぇ事だけ考えろ!』


フラワ:『分かってんのよ...ッ、こんな時までキモイのよ!

スケベ男!』


<がっしゃん、とJBの機体と背中を合わせてビームハンドガンを構えなおすCT。>


ズング:『ぐうううっ...たった二機!!たった二機の賊!!!

なのに...ッ、なのにいいっ!!何故私達は煮え湯を飲まなければいけないんだぁ!

それもこれもNOAHZの邪魔のせいだ...っ!』


クルス:『あ~~あ、また吠えてますよォ。どうしますか、中尉。』


パウロ:『..面倒じゃの。

...。討つか。..いや、待てい!!!クルス!!!』


ズング:『変ッッッ!!形ぇぇぇぇ~!!』


<NSFNが跳躍戦と身をかがめ、AOが長銃をゆらりと構えた瞬間。

ズングが叫ぶとバスケットラースHDの機体がピーナッツ状に包まれる様に変形していく。

変形がガチャコン、と完了したその姿はゆで卵に手足が生えたような格好だった。>


クルス:『何だ...こりゃ.....』


パウロ:『まこと....異形(いぎょう)....。』


ズング:『これは...ッ、これは最後の手段だ....!!!私が悪いんじゃない...!!!お前らが悪いんだ...!

この私を追い詰めるからだ....!!クックック...私は追いつめられると何をするか分からないんだ!

私はサイコパスなんだ!異常者なんだ!!あ~~~っはっはっはァ!

後悔しろ!後悔しろォォ!総員!準備ィィ!』


アークエンジェル部隊戦闘員A:『ハッ!』


アークエンジェル部隊戦闘員B:『然し...ッ、この兵器はあまりにも...』


ズング:『いいから撃てェ!!!!お前たちの親も娘も殺すぞォォ!』


アークエンジェル部隊戦闘員A:『ひっ....、は、発射ァ!!!』


フラワN:アークエンジェルの部隊の兵士が打ち上げた一つの砲弾。

”何処に打ち込んでいるんだ” ”焦ったのか”?

...そんな風に、きっとすぐ意識の外に追いやって、目の前の敵に集中するべきだったのかもしれない。



...だから、何故...、どうして、見当違いの上空に飛んで行った一発の砲弾に目を奪われたかは分からない。

ただ、もし....悪意というものが有るのなら。

上空に打ち上げられた一発の砲弾。


NOAHZもA.F.Sも、皆が上空に...その砲弾に一瞬を気を取られて、次の瞬間。


ディール:『ジークセイヴァー!!!!キャノンのチャージを中断し後方へ即の回避行動!!!』


べリオ:『フラワァ!! 来い!!!』


<べリオとディール、それぞれの機体がモニターに警告を出す直前に二人は回避行動をとっていた。

JBはCTを抱え敵に背を向け後方へと走る。ジークセイヴァーも同様に重たい船体を引きずるように後退する。大量に土煙が巻き起こり船体に傷が付くのにも構わず意も介さず高速で移動をしている。>


フラワ:『ッちょっと!乱暴にしないで!物資が壊れちゃうじゃない!誘爆する資材だって積んでんのよ!!』


べリオ:『分かってる!分かってっけど....違うと信じてェが....!!!ありゃ一発でも....いや、”一滴でも食らうとマズ”い!』


<場面転換 クルスとパウロ>


パウロ:『クルス。追うな。』


クルス:『...分かってますよ。...何だ、あの砲弾は。』


パウロ:『ただの若兵(じゃくへい)による精度を欠きし射撃....ではないのう。

....あれは...』


パウロ:『避(よ)けい!!クルス!スペリオルも各機上空の射出物(しゃしゅつぶつ)に対し回避行動!!』


クルス:『クソッ...何だってんですか....ッ!』


A.F.S男性作業員B:広範囲散布兵器検知!!!

内部構造をレーザーにて簡易探知します....!


....これは...ッッッ....


ズング:『あは、あははははははァ!!!我がアークエンジェル特製CC・BULLET(ダブルシー・バレット)ォ!!! ”降り注げェ”!!!!!』


<砲弾が空中で炸裂した瞬間、黄緑色の雨の様なものが戦場に降り注ぐ。

次の瞬間、黄緑色の雨に降れたアークエンジェルのD-IZの機体が次々とどろぉ、ぐしゃぐしゃと溶解し崩れ落ちていく。>


ムーンライト:『野郎ォ....ッ!!』


アークエンジェル部隊戦闘員A:『あれを...ッ、アレを使うなんて....。』


パウロ:『....本意にせよ不本意にせよ。この地は己が(おのが)治むる(おさむる)土地であろう。

...最早正気には戻らぬか。』


クルス:『この数値は!...中尉!』


パウロ:『うむ。....堕ちたのう、ズング。”撒き散らしおった”。』


クルス:『これは...ッ...!!』


<場面転換 ジークセイヴァーランドアームズ着艦口>


ワカミネ:『....そんな.....、イヤ、しかしこの現状....ッ! ズング・ソーイ...ッ!......無関係の人間までも...ッ!』



<場面転換 ジークセイヴァーメインデッキにべリオからの通信が響き渡る>


フラワ:『ディール!!ジークセイヴァー!!!

逃げ遅れた機体が全てドロドロに溶けて...ッ、変な色の煙も上がって、地面もボロボロ!!!

いったい何が降ってきたのよ!』


ムーンライト:『落ち着いて聞けや、べリオ。

ソーイの坊ちゃん、気ィでもやったんか....

ありゃぁ...』


べリオ:『....アレは....。

宇宙法禁止指定及び所持制限兵器。

弾薬を作る人間が最初に頭に叩き込まれる”作っちゃいけねぇ弾薬”の一つで...

使用は疎か(おろか)、研究も所持も禁止や制限が敷かれているシロモンだ。

正式名称はCFENW・COATING・BOMB(フェンヴ・コーティング・ボム)。通称CCBOMB(ダブルシーボム)。

弾薬つってるが、サイズは完全に戦場で使えない程の巨大な爆弾みたいなモンだ。

運用は非現実的とされててな。....まさかナマで拝むたぁ思わなかったが...

なんつうこった....ッ!完全に小型化に成功している...ッ!!!』


ムーンライト:『....っぐ...!!!

ボサッとするなァ!管制官!検知した内容物は何や!

べリオ!CTを後ろに下がらせろ!

ほんでアークエンジェル部隊の射撃行動の前兆のある機体を片っ端からブッ壊せ!』


A.F.S男性作業員A:内容物....

核廃棄物と固形電磁通信障害発生原料を混ぜたものです...ッ!!!


ムーンライト:『イヤ分かるかァ!分かりやすく説明せぇ!』


べリオ:『核廃棄物の有害さは分かるよな、ムーンライト。

それに電磁発生ビーズとかの原料の液体を混ぜて...”異常な温度で熱した直後に固めた”モンだ。

ガキでも分かる...毒の王様だ。

機械と人間を両方殺す。

助けの声を上げようにも電磁障害のせいで通信もできない。

”旅立ちへの痛み”で密かに生み出され、使用寸前まで行ったが資金と研究にかかる時間の問題で使用こそされなかった悪魔の武器。』


ムーンライト:『..........バカな......。』


べリオ:『この武器はな。その場にいた人間を遅かれ早かれとにかく”必ず殺す”事に特化した武器だ。

ジークセイヴァーのデッキ、ポッド、発艦口も今すぐに全部閉めろ。

艦内に少しでもCCBの成分を含んだ空気や水分が入り込んだら半数以上が死ぬ。

そうでなくても多分ずっとここに居りゃダブルシーボムの直撃を食らってなくても電磁障害で連携取れずに死ぬ。

...分かったら、サッサとワカミネのサイドホーンが爆発しねぇ様に物資を収容してくれ。

オレが作り出せる時間だってあともう10分と無ェ......んだから....よッ!』


<そう言うとCCBが爆発した後の範囲に飛び込み。

呆然としているDI-Zとスペリオルの部隊を徒手空拳で殴り飛ばし>


ディール:『べリオさん!左後方50度に敵機!』


べリオ:『どっから来るか分かってりゃ怖くも何も無ェ....ってなァ!!

吹っ飛べバカタレがァ!』


<バギン、と迫りくるスペリオルを裏拳で吹き飛ばし>


<然し、ズルり、と機体が滑るような感触に襲われるべリオ。>


べリオN:ッチィ....ッ!!

地面が溶けてやがんのか....!!!


ディール:『べリオさん!』


べリオ:『分かってらディール!

多少足場が悪くったってこんぐれぇ...ッ!』


ディール:『違うんですべリオさん!

ジェイルブレイクの足が...ッ、僅かですが融解しています!』


べリオ:『んなっ....何ィィィィィ!!?!?!?』


べリオ:『直撃はしてねェ筈だ!!!何で.....ッ、まさか....!!!

残留物質だけで....!!!!』


ディール:『ジェイルブレイクの右足のスラスター噴射機構のエラーを検知!

べリオさん...ッ、今すぐ離脱してください!』


ムーンライト:『クッソッ....ジロォ!!!!!!

アカン、ジークセイヴァー!!!

キャノンの出力を下げてすぐ撃てるようにせぇ!!

ジェイルブレイクに道を作る!!』


べリオ:『構うな!!!!

フラワの収容を急げェ!!

オレの左足とバックパックのスラスターで離脱は出来る!!

っぐ.....』


<メキメキメキ、と軋む音が大きくなっていく。JBの右足が徐々に有らぬ方向へと曲がっていく。>


フラワ:『べリオッッッ!!!!!!』


ムーンライト:『っく........ぅ.................!!!!!

整備班!!!!サイドホーンからの積み込みは終わったかァ!』


A.F.S男性作業員B:『物資の搬入終了!

CTの搬入作業に向けて整備員の退避も完了!

いつでも受け入れが可能です!』


<作業員のインカムが流れるとヘルメットを抱えてワカミネがメインデッキに走ってくる。

そのままつかつかつかとムーンライトを通り過ぎ、メインデッキの作戦用デスクにダァン!!!と拳を叩きつける。>


ワカミネ:......ッあれは....ッ....!!!

あの!!!私よりも若い!!!兵士たちの居る戦場に降り注いだのは!!!!ダブルシーボムだ!!!!!!!!!!!!!!

クソッ.....!!!!クッソおおおおおおおッ!!!!

何て情けない....ッ!!!何て歯痒いんだッ!!

すぐそこで!!すぐそこで戦っているのにッ!!!

私だけ...ッ...!!!


....ッふ....ふう......ふう................。


...済まない。取り乱した。


メインデッキの射撃補佐官の数はまだ空きが有るだろう?

...私にやらせてくれ。


ムーンライトN:.....流石やなァ。

....恐らく、無力な自分を許せはしてへんのやろう。

とはいえ、...ってな塩梅で頭を冷やした。

.....親父を思い出すわ。

軍人っちゅう生きモンは....怖ェなァ、おい。


ムーンライト:助かるわ、ワカミネ。べリオの周囲の敵のロックオン、地形変動の予測演算をしてジェイルブレイクに10秒毎に送ってくれや。

オラァ!!CT着艦準備!


A.F.S男性作業員A:『了解!ランドスタッド着艦口開け!

着艦口開ける際は大気成分モニターを常に高レベルで稼働!異変が起こった場合即整備員は即時退避をしてください!着艦口が閉じられます!

この行動においては整備員の安全確認は行われません!繰り返します!整備員の安全確認は行われません!』


ムーンライト:『焦んなよォフラワ。

お前が積んどるもんはこのデカい船浮かす燃料やらなんやら詰まっとるんや。

そ~っと、そ~っとや。いつもの着艦よりだ~~~いぶ慎重にな。....イヤでも急いでくれ!

べリオかて稼げる時間は無限にあらへん!』


フラワ:『ちょっと!いっぺんに言われたって出来ないもんは出来ないんだから!

分かってんのよ、そんなことあたしが一番!

...ふー...ッ.....。』


<ゆっくりとCTが前傾姿勢になり、着艦口に入っていく。>


ワカミネ:『....成程な。ランドアームズと違いCTは人型。』


ムーンライト:『ランドアームズの着艦とランドスタッドの着艦はワケがちょいと違う(ちゃう)からな。

戦闘機型が慎重に着艦するのはまだええ。CTやジェイルブレイク、ディテクターやネペンテスを始めとしたランドスタッドは人型や。

”詰んだ物資を刺激せずに着艦する”なんちゅう芸当は..神経連結されたCTでも、だ~~いぶシンドいやろうな。』


ワカミネ:『.....フラワ...。』


<表情を変えずにモニターを見つめるワカミネ。

然しワカミネの膝には右手が置かれ、その右手はワカミネの膝に爪を立てるように強く握られていた。>


フラワ:『あとちょっと...、あとちょっとで着艦口にCTが入る....ッ!』


<しかし次の瞬間、ズングの機体から通信が入る。>


ズング:『くふっ.....くっくっくっく.....

勝ったつもりかよォ!? 乗り切ったつもりかよォ!?

この私に偉そうに説教をしておいて、ただで済むとでも思っているのかァ!?

あははははははァ!!!!

射撃兵装を構えた機体だけがダブルシーボムを撃てるとでも思っていたら、大間違いだァ!!!

私の箱舟にもダブルシーボムは積んであるんだよねええええええ!!!

”LOST STELLA”ァァ!!!! 発射しろォ!』


<場面転換 ズング・ソーイ 専用居住用特殊光学迷彩装備ステルスコロニー “LOST STELLA”。

宇宙に揺蕩うその個人用コロニーの一部がバカン、と開いて一発の砲弾が射出される。>


<場面転換NOAH戦艦”VAILSIDE”内>


ネリル:大佐。


ラプラス:...分かっている。

ズング家の恥...ついに一線を越えた。


ヒメ:『撃ち落としますかァ~~ッ?☆』


ラプラス:いや....”良い”。 ”寧ろ” ”非常に” ”好都合”だ。


ネリル:.........ッ...。承知いたしました。


ラプラス:パウロ中尉とクルス准尉に伝えろ。


ネリル:は。内容を。


ラプラス:...『”フルアウト”での作戦行動を開始せよ。』


ネリルN:....想定よりも早い...。


ネリル:承知いたしました。

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