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宇宙創記ドミナントレガシー  作者: ZINDUSTRY
第二部
PR
20/29

【EPISODE7 OPERATION(オペレーション)】

べリオ♂:


ディール♂:


ムーンライト♂:


A.F.S男性作業員A♂/クルス♂:


A.F.S男性作業員B♂/パウロ♂:


ラプラス♂:




フラワ♀:


ワカミネ♀:


ヒメ♀/女性アナウンサー♀:


ネリル♀/女性医療班メンバー♀:




♂6:♀4





<場面転換 フェザーポータル内に着陸しているNOAHZ簡易移動式ランドスタッド収容ランドアームズ『TERMITE』(テルミット)内。パウロに食って掛かる様にしているクルス。>



クルス:パウロ中尉!


何故ズングの機体の破壊に手を貸さなかったんですか!!



パウロ:....分かっているだろう。


吾の銃弾を使えばNOAHZによる銃撃だと弾薬から解析されるやもしれん。


ビーム兵器であればうぬに当たらぬようには撃てるが....

フェザーポータル内に着陸しているNOAHZ簡易移動式ランドスタッド収容ランドアームズ

吾の角度からではうぬの槍にも当ててしまう。



クルス:...“上”からの命令ですよ!!


オレの機体の装備を気にしている場合ですか!


角度なんて....ッ、移動して撃てばいいでしょう!



パウロ:...視野が狭くなっておるな。


吾らの背後には敵戦艦がおったのだぞ。


戦艦からは超高熱源反応も検知されていた。


恐らくは...荷電粒子の武器の類であろう。



...そのような中、敵戦艦...A.F.Sだったかの。


その組織所有の機体には槍が刺さっている。


そんな状態で吾が下手な動きをすれば....


撃たれていたであろうな。


吾ら二機での作戦であることを忘れたか?


戦闘においての不確定要素を見落とすでない。




クルス:....っ....!!!



パウロ:クルスよ。“時”ではないだけよ。


ズングの機体の撃墜。...あのように逼迫した状態で遂行するには無理がある。


時を見極め、止まるは良し。


だが....視野を狭めるは...悪し(あし)。


遂行という到達点への道筋は無数にあると常に思考を巡らせるのが寛容。


青きを恥じるは分かる。....が、


....己が青きを呑み込めぬのなら....宇宙へ先に戻っておれ。



......眠る。



頭を冷やしておく事だの。



クルス:...............。


........いい年こいて説教されちったな。....恥ず。




<場面転換 セイヴァージーク内メインデッキ。>



ムーンライト:ヒヒ ヒヒヒヒヒ



ディール:む....、ムーンライトさん、大丈夫ですか?



ムーンライト:大丈夫に見えんかい^^


弾薬も装備もさらに消費した挙句^^


ジェイルブレイクはハラに穴開けて帰って来とんじゃ^^


ランドスタッドはスッと治せるとでも思うてんかなあのバカは^^



ディール:しっ...然し今回はべリオさんも健闘していました!



ムーンライト:敵さんがなぜかズングぶっ殺すのなぜか勝手に止めてハラに穴開けんのが“健闘”かいな^^


放っときゃよかったもんをあんんんのバカタレが^^



ディール:.....それは.....確かに.........



べリオ:....悪かったな。



<包帯で右腕を固定してヨロヨロと歩いてメインデッキに入ってくるべリオ。>



ムーンライト:おお~~~^^ よう生きとるわホンマ^^



ディール:ムーンライトさん!縁起でもないこと言わないでください!


...べリオさん、無事でしたか?



べリオ:まぁ...、ぶつけただけだ。



ムーンライト:....ホンマか?^^



<べリオの背後の女性医療班メンバーに聞くムーンライト。>



女性医療班メンバー:その.....左腕の粉砕骨折....と....あの.....


たくさんの打撲....、そして内出血による発熱が....



ムーンライト:ど~~~~~~~~こがぶつけただけや!!!!!!


バッチリ重傷者やろがァ!!!!!!!!!!!!



べリオ:デッケェ声出すなよ.....別に、悪かったって。


でも、作戦に支障はねェだろ?


そもそも動かねえ前提のモンでワカミネも助けられたしよ。



ムーンライト:ホーオ^^ 支障は無い言うたなあ^^


羨ましわぁ^^


オレの仕事させたろか?^^



ワカミネ:その辺にしておけ。


....事態は、更に変化を続けているんだぞ。



ディール:ワカミネ....さん....!!



<頭に包帯を巻いて、頬には止血用のガーゼが貼られているワカミネが現れる。>



ムーンライト:変化....っちゅうのは?



ワカミネ:...これを見ろ。



<セイヴァージークメインデッキのTVモニターを起動させるワカミネ。


するとこのコロニーの公共放送が映し出される。


気難しい表情の女性アナウンサーが現れる。>



女性アナウンサー:本日正午。


我等が美しきコロニーを汚さんとする賊が市街地の付近で大規模の戦闘を繰り広げた。



ディール:..............これは....................。



<女性アナウンサーの横に映像が現れる。


その映像はバスケットラースHDと戦うべリオ達の機体の映像で。>



女性アナウンサー:しかしこの賊に対し、我らフェザーポータルの守護神アークエンジェル部隊、そして彼らと共に武器を手に取った勇猛果敢にして唯一無二。哀愁を兼ね備えた甘いマスクを鼻にもかけない態度ながら荘厳さと威厳を併せ持つソーイ様の活躍によって賊は撃退された。



ディール:.......なんて卑怯な...ッ!!


この映像は加工されている!僕達を最初に襲ったのはアークエンジェル部隊なのに!


この映像だと僕たちがまるで襲ったみたいじゃないか!!!



べリオ:え、そう?



ムーンライト:アホ。


明らかに悪意のある加工をされとるわい。


見てみ。ジェイルブレイクとセイヴァージークが射撃しているシーン...。


んで、映像はカットされて、アーククソエンジェルの機体が爆発するシーンにつながる。



べリオ:ッ...あれはズングが味方をエサにしたんだ!!!



ワカミネ:そうだ。


だが...国民は私たちの声を聴く手段は無い。....そして、聴く気も無いだろうな。


彼らにとっての“真実”は....目の前の操作された情報しかない。



ディール:.....権力を敵に回すというのは、本当に.....!!!



ムーンライト:....シケたツラすな。


とにかく、ワカミネの回復を急ぎつつ、サイドホーンの修理と改修を急がなアカン。


やる事は変わってへん。


どーせ離れるコロニーの奴らに嫌われてようが気にすな。



べリオ:.....。そーだな。



ムーンライト:さ!やる事は山積みや!山積み中の山積みや。山二個分。


ホレ、ケガ人オスとケガ人メスはベッドで寝とれ。


邪魔や邪魔。


あ、ディールは残っててや。


ワカミネとフラワの任務にラストホルスだけでも使えるかもしれん。


ディテクターの整備に付き合ってもらうで。



ディール:あ...っ、了解です。



<ムーンライトはしっしっと他の人員を手で払いながらまた再び作業に戻る。>



ムーンライト:ちゅーか.....フラワは何やっとんや。


...メールで“どうしても外せない用事 直前には戻る”...ッて...。


はぁぁぁ.....。


前途多難やで....。



オルァ!!今夜には決行や!NOAHZにバレへんようにムチャクソ準備すんで!!!



<そしてその後は改修と修理作業に費やされ。


二日目の夜になり。べリオは度重なる骨折への治療投薬により高熱を出しながら無理やり睡眠薬で眠っている。 その医療室に訪れるワカミネ。>



ワカミネ:.....寝ているか?



べリオ:グー



<べリオの寝ているベッドの隣に腰掛けるワカミネ。>



ワカミネ:...寝息で返事か。らしいじゃないか、べリオ。



ワカミネ:....君の年で見るべきではない地獄。


君の年で味わうべきでは無い悲しみ。


君の年で味わうべきではない喪失。



....全て、私達大人が争った結果の膿だ。



....言い訳などするはずもない。


<べリオの頬を優しく撫でる。>



ワカミネ:..今回の作戦では、ゆっくり休んでいてくれ。


必ず宇宙から荷を受け取り、持って帰ってくる。そして、再び...。


共に。宇宙へ飛ぼう。



.......おやすみ。



<部屋から出ていくワカミネ。>







<二日目の深夜。セイヴァージーク内のメインデッキ、ランドスタッド及びランドアームズ発艦口は慌ただしく準備をしていた。

その中で作戦状況ボードの前に集められたワカミネ、帰還したフラワ、ムーンライト、ディール。>



ディール:この後25:00(トゥーファイブ・ゼロゼロ)より。


MANT搭載サイドホーンと同じくMANT搭載CTで宇宙の補給船『BRAWNSISTER』(ブラウンシスター)から


補給物資を積載限界量ギリギリまで積んで戻ってきてもらいます。


セイヴァージークのレーダーに加えて、ディテクターのラストホルスシステムのみを起動し僕も作戦を援護します。


...ここまで、何か不明な点はありますか?



ムーンライト:大有りじゃ。


...フラワ。何をしよったんや。



フラワ:....別に。


教会の遺品整理と片付けが忙しかったのよ。



ムーンライト:端末の電源まで切ってか?


熱心やな。



フラワ:.....何が言いたいわけ?



ムーンライト:...気の毒やが、あのシスターちゃんの教会には...セイヴァージーク内の残りのベーゼを渡す。


それが責任の取り方や。それで........。終い(しまい)や。


.....作戦開始ギリになるまで帰ってこないっちゅうのは...入れ込み過ぎや。


俺らがやる事はこのコロニーのヒーローになる事ちゃうぞ。



フラワ:....教会にはグレネードが直撃していた。


慎重な捜査になるのは当然でしょ。


それとも、崩れた教会で足でも滑らせてべリオみたいに怪我すれば良かったかしら?



ディール:..........はぁぁ....。



ワカミネ:私情を持ち込むのは後にしろ。


...続けてくれ、ディール。




ディール:...はい。



今回の作戦ではMANT.....、multiple analyze negative system(マルチプル アナライズ ネガティブ システム)による光学迷彩装備を


機体の全面に施した状態での行動が求められます。



....よって、一定での速度を維持した状態でないと...、MANT装備の効果は薄れてしまいます。



ワカミネ:要するに....少しでも速度を出せば補足される。



フラワ:然しノロノロもしていられない....ってトコね。



ディール:その通りです。


MANTは探知の障害となる粒子を機体の周囲に留まらせる形で散布する構造になっているため....


時間制限が有ります。



ワカミネ:....どの程度持つ?



ディール:........補給がままならない為、正規のMANTのパーツは入手できませんでした...。


その為、先の戦闘におけるD-IZの簡易MANT機構を無理やりCTとサイドホーンに搭載した結果....



....40分しか、持ちません。



ムーンライト:打ち上げに10分、荷物の積み込みに10分。往復に20分。....ってなモンやな。


ま、なんちゅうか....



フラワ:...ま、可能。ね。



ワカミネ:“理論上は”と言いたげだが。



ムーンライト:寸分違わぬ機体操作。....に、秒単位の時間管理でやっとこ達成できるミッション。


...ベテラン揃いの軍なら.....あるいはってハナシやで。



フラワ:....これ以外に道は無い。NOAHZが強硬姿勢に出る前に振り切り、姿を晦ませる(くらませる)しか。



ワカミネ:...その後のビジョンはあるのか?



ムーンライト:IOPLANETに並んだ軍事産業コロニー。


『NIER HARLEY』(ニア ハーレー)。


補給が十分に行われれば....セイヴァージークの剛推進段階飛行エンジンで飛んでいける。


そこでランドスタッドの本格的な補強...、改修、修繕を行う。



電力の自己発電によるベーゼ改修もしなければいけないから....やや足止めを食う形にはなるが...な。




...さ、そろそろワカミネにフラワ。


コックピットまで移動せえ。




<サイドホーン、CTのコックピット内に場面転換。>



フラワ:『...ね。聞こえる?』



ワカミネ:『何だ、フラワ。 個別回線を使わずとも普通にA.F.Sの専用回線で話せば...』



フラワ:『...私ね。...もし。もし....失敗しちゃったら。


べリオとディールに、謝っておいてほしいの。


いつも、ツンケンしちゃってごめんね、って。』



ワカミネ:『....自分で伝えるべきだ、と言っておく。』



フラワ:『うん。....うん....。 ...でもね、やっぱり。さっきのお願い。...もしもの事が有れば、べリオ達に伝えておいてほしいの。


....初めて、分かった。べリオやディール。ワカミネが、前線に向かう時の気持ち。


....敵機を前にしてもいないのに。


こんなにも、苦しいんだ。こんなにも....』



ワカミネ:『...その気持ちを大切にしろ。死を恐れないという感情は....フラワ。


お前にはまだ早い。そして,,,これからの世界には。これからの世界を生きるお前たちには...必要のない感情だ。


死を恐れろ。そして...必ず前を見ろ。目を背けず、自分の足で世界に立つと自分に言い聞かせろ。


そして....“生きる”を忘れるな。“生きる”事をすべての始まりと終わりに設定するんだ。


....大丈夫だ。 戦闘ではない。必ず成功させよう。』



フラワ:『...ッ...ひっく.....うん....!!』



ワカミネ:『二人で,,,、だ。フラワ。』



フラワ:『....うん...!二人で....!』




A.F.S男性作業員A:『CT及びサイドホーン両機のパイロット、ワカミネさんとフラワさん!


聞こえますか!』



フラワ:『えっ,,,,えぇ!』



ワカミネ:『聞こえている。』



A.F.S男性作業員B:今回の作戦ではCT及びサイドホーンのエンジンは応急処置を施してあるのみです。


急激な加速を起こすと,,,,,、エンジンは熱暴走を起こします。


また...、弾薬不足により両機の武装は大型EMPミサイル二基ずつのみです。


高いレベルでの電磁障害を引き起こし、レーダーを一時的に攪乱できますが.,....


弾速も遅く、機体に乗せるには誘爆を引き起こす危険性を孕んだ不安定な武装です。


.....もし、戦闘が起きた場合には....、セイヴァージークの残った火力で支援を行います。


落ち着いて帰投を主とした行動を厳に心掛けてください。



フラワ:『............。』



ワカミネ:『フラワ。』



フラワ:『...大丈夫。』



ワカミネ:『大丈夫でなくともいい。...落ち着いて、達成の事のみを考えろ。』



A.F.S男性作業員A:それではこれより発進シークエンスを開始します!



ワカミネ:『了解。...サイドホーン。』



フラワ:『CT!』



A.F.S男性作業員B:発進してください!



ワカミネ:『発進。』



フラワ:『..ッは、発進!』



<排出される煙が最小限に抑えられた発艦。


あまりにあっけ無く発艦された二機はそのままフェザーポータルの宙域発艦出口に滑り込み。>



フラワ:『ふうっ...、ふう....!!!』



フラワN:全身の毛が逆立つ....!


見えているのか、いないのか....!


“自分は透明だ”だなんて思いこめるほど自分に甘くなんてなれない...!


見つかれば....、死ぬ...!!!


抵抗も出来ずに、死ぬ....ッ....!!


成功させなきゃ...ッ、生きなきゃ...ッ!


でも...、でも....!!!




<場面転換 セイヴァージーク内。 セイヴァージーク発艦口から上半身だけを出し、ラストホルスを起動させているディテクター。>



ディール:...いけない!



ムーンライト:『何が起こったんや!』



ディール:フラワさんの機体の空中制御が乱れています!このままでは...



ムーンライト:『何や!!力み(りきみ)よったか!


しゃぁない、こーなりゃ不自然やがセイヴァージークでEMPミサイルを撃って....』



ディール:逆です!


過度な減速で落下するギリギリのスピードになってしまっているんです!



ムーンライト:『んにゃにぃぃぃ!?!?!?


...ックソ、神経と直結っちゅうのはこうもムラが出るもんなんか....ッ!!』



<場面転換 フラワコックピット内>



フラワ:はぁっ...、はぁっ.....!!


こっ、呼吸、がッ....!!



<次の瞬間、ふわり、と身体にかかるGが軽くなるような感触。>



ディール:ッッ、これは....!!!



ワカミネ:『言っただろう、フラワ。最初と最後は“生きる”で繋げ、と。』



フラワ:....ワカミネ....!!!



ディール:サイドホーンが、ボディでCTを押し上げている....!!!



ワカミネ:『機体の装甲の整備が不十分ゆえ..、あまり長いことフラワを乗せてはおけないがな。


...私が隣にいる。 私もお前も、きちんと科学の力で守られている。


セイヴァージークも、ディールの目を借りて...機体のサビが見える程に目を凝らして私達を見守ってくれている。


...独りではない。...さぁ。もう、飛べるな。』



<CTがスラスターを吹かし、安定した姿勢と出力と速度で飛ぶ。>



フラワ:『....うん......。....ッあ、りょ、了解....!』



ワカミネ:『...ッフ。(小さく笑う)


さぁ....行くぞ。(表情をすぐに引き締める)』



<音もなくフェザーポータルから宇宙に出た二機。>



A.F.S男性作業員A:CTフラワ機、速度正常値に回復!


姿勢制御も適正角度に修正されました!


サイドホーンワカミネ機の装甲への負荷も許容範囲内...、作戦続行問題ありません!



A.F.S男性作業員B:両機ともに宙域発艦出口に到達。


続いて補給船との接触を確認!!


補給物資の積載作業中!



ディール:『....特におかしな影や反応はラストホルスでも確認できませんね。


....良かった。』



ムーンライト:『敵さんのところのMANTを拾って使ってる割には上出来やな。


ま、なんとかなりそうで何よりやでホンマ....。』




<補給作業が行われている宙域より120km後方、戦艦“VAILSIDE”内。>



ヒメ:テ~~ンペスト大佐ぁ☆


なぁんかぁ~、アヤシ~動きしてる民間補給船を見つけましたぁ~っ☆



ラプラス:.....ほう。



ヒメ:え~~っとぉ。


ん~~~...?なんでかなぁ~...。補給船がぁ、急にピタッと止まって....アレは....貨物...?


金属コンテナが出ては....あれぇ?“どっかに行っちゃってます”~...☆



ラプラス:映像を共有してくれ。



ヒメ:了ぉ~解☆



<ヴン、と音が響いてヴェイルサイドの艦内モニターに補給船が映る。>



ラプラス:ふむ....。


...どう思う。



ネリル:では、僭越ながら私見を。


.....動き事態は積載物の確認の様に見えます。


ですが、やはり...金属コンテナが急激に消失しているように見えます。


...非科学的な表現ですが、異空間にコンテナが呑み込まれているようにも...。


....これは.....。


“光学迷彩されている何かに荷物が搭載されている”...?



ラプラス:ヤクト軍曹。



ヒメ:あぁ~~い☆



ラプラス:スナイパーライフルの安全装置を外し、射撃偏差システムに周辺環境値を打ち込め。



ヒメ:オッケェ~☆射撃待機しときまぁ~す...☆



ラプラス:“オッケー”では無く了解と返事をし給え。


そして,,,待機ではない。......“4秒後に ”補給船に直撃させるつもりで” “撃墜に足る威力で” “撃て”。 



ヒメ:ッッ....。....了解~....☆



<ビュウウウウウウゥン。直後、不気味に落ち着き払った然し悪意を音として現したかのような一筋の低音が補給船に向かって放たれた。>



<しかし、補給船に直撃する瞬間、不自然に空間が曲がり、ビームが逸れる。>



ヒメ:ッッ何ィ...ッ!? 有り得ねェ!!! ヒメの照準は完ッッッ壁だった!!!


レティクルのエラーでも無い...ッ、大佐!違うんです、これは....



ラプラス:分かっている。ヤクト軍曹の射撃は正確であり...、確かに補給船の機関部に向けて放たれていた。


....ネリル。君の見立ては当たっている。


...あの補給船を見ろ。



<補給船は慌てたように針路を変えて逃げていく。そしてビームが歪んだ空間は不自然にバチバチと電流が走り、黒い煙が上がっている。>



ネリル:.....あれは.....!!!



ラプラス:“MANT”(マント)だ。


光学迷彩として知られている。


光の屈折率を極度に曲げ、レーダーを欺く。


ある程度の接近をしなければ確認はできない。


.....補給船を宇宙で待機させ、ステルス状態で補給物資を受け取り。


フェザーポータルで待機している戦艦に補給させ逃げる....といった算段か。



ネリル:...大佐。ご指示を。



ラプラス:..ヤクト軍曹。


今度は“撃墜させぬ様に” “フェザーポータルに帰投せざるを得ない軌道を取る様に”撃ってくれ。



ヒメ:了ッッ解ァァ~~~い☆ ....ッッッオラァ!!



<びゅいぃん、びゅぃいんと音が宇宙空間に響く。>



<場面転換 フラワコックピット内>



フラワ:きゃぁぁぁぁっ.....!!!!!



ワカミネ:『落ち着け!掠った(かすった)だけだ!』



<一瞬早くビームの接近に気付いたワカミネのサイドホーンがCTを突き飛ばすようにして庇う。


サイドホーンの翼にビームが掠めるが



フラワ:はぁっ、はぁっ....!!!


おち、落ち着く...!!落ち着く!!!



ワカミネ:『フェザーポータル内のセイヴァージークに火力支援の準備をさせる!


幸い積載自体は終えている、エンジンが焼け付く寸前の速度でセイヴァージークまで帰還するぞ!!』



フラワ:....ッ.....!!!了解!!!!



ヒメ:『アッハハハハハァ!!!!逃げろ逃げろォ!』



ラプラス:.....クルス准尉とパウロ中尉に臨戦態勢の打電。



ネリル:は。....詳細の内容については。



ラプラス:....ふむ..........。


<椅子に一瞬深く腰を掛けた直後に息を吐いて>



ラプラス:目標。“A.F.Sと呼称される集団の敵戦艦。” “確保を目的として鎮圧行動に出ろ”。



.....が。



ネリル:......““が””....?



ラプラス:“抵抗をするようであれば撃墜しろ”。



ネリル:..........ッ....承知致しました。



ラプラス:ヤクト軍曹。どうだね。



ヒメ:『完ァァ~ン璧です☆ 送られた軌道データ通りのルートでフェザーポータルまで逃げ込んでまぁ~す☆』



ラプラス:...そうか。



ネリル:大佐。 打電完了いたしました。



ラプラス:.....フン。


...........................期待しているぞ。



<場面転換 警報の鳴り響くセイヴァージーク内メインデッキ。>


<そんな中、作戦に参加しないから、そして脳震盪の影響でと自室待機を命じられていたカリオストロがゆっくりとベッドで目を開ける。>



カリオストロ:.....。



カリオストロ:........やっぱり。......か。



<場面転換 セイヴァージーク内メインデッキ>



ディール:『サイドホーンとCTに高密度の粒子ビームによる射撃行為を確認!


サイドホーンの右ウイングを掠め、それ以上のダメージはない模様!』



フラワ:なんですって...!? いったいどこから....!!



ムーンライト:....ックソ....ッ!宇宙海賊か!?


っちゅうか...どないしてMANTの光学迷彩を見破ったんや!



A.F.S男性作業員B:CT、サイドホーン共にセイヴァージークまで帰投行動を開始しています!


両機への正体不明勢力による射撃は依然継続中!然し直撃に至らない様に両機とも全速で帰投しております!


セイヴァージークへの帰還までの時間...、残り4分!!!



<次の瞬間、セイヴァージーク内に響く新しい警報。>



A.F.S男性作業員A:当艦正面、NOAHZのランドスタッド部隊を確認!!


名称不明の主力級ランドスタッド二体...、量産型ランドスタッド、スペリオル複数確認!



<セイヴァージークのメインデッキのモニターに映し出されるのは、二体のランドスタッド。


騎士の様ないで立ちのナイトスペリオル、そして鬼のような姿に青いカラーリングが禍々しく映えるアオオニが写っていた。>



ディール:...あの時の.....鬼.........!!!!!



ムーンライト:クッッッッ...そォォォ!!!!


気取られた(けどられた)!!!


セイヴァージークの現在使用可能武装は!!!



A.F.S男性作業員A:は...ッ、対地ミサイル用チャフと高濃度荷電粒子キャノン...のみ.....ッ。



ディール:『目くらましとキャノンだけなんて....ッ。


こんな急な戦闘にチャージなんて、間に合う訳が....!!』



女性医療班メンバー:っちょ...ちょっと待ってください!


べリオさん!まだ熱が下がっただけです!体組織だって回復は四割も進んでいません!少し力むだけで激痛が走っているでしょう!?



<医療班の女性メンバーが誰かを制しているような声が急激に響く。>



ムーンライト:...今度はなんやオイィ!!!



べリオ:........ムーンライト。


オレが出る。



<べリオが足を引きずるようにして現れる。>



ムーンライト:....アァ?



べリオ:聞いてたぜ。


チャフとキャノンしかねぇんだってな。


...どうせ今襲ってきてるNOAHZの奴らには俺らの武装がほぼ無ェってバレちまってる筈だ。


時間を稼げる機体は、オレのジェイルブレイクだけだ。



女性医療班メンバー:許容できません!今までどれだけ無理してきたと思ってるんですか!


血圧だって私の目を盗んで無理やり強心剤を打って上げているだけでしょう!



べリオ:んじゃ、どうすんだ?今の状況じゃあ誰が死んでもおかしくねぇ。


ジェイルブレイクのパイロットはオレだ。


この船に籠って何もせずに機体だけ取られるのを待てってのかよ!!!



女性医療班メンバー:ジェイルブレイクに搭乗したら今度こそ死ぬって言ってるんです!


...どうしてわかってくれないの!



ムーンライト:まぁまぁ。メディカルのおねえちゃん、ありがとうな。


...でもな。ここでNOAHに向かうアシを失ったら。オレらは何処にも帰れん。


NOAHにあるとされるモノを分捕り(ぶんどり)に俺らはここまで来た。


現に、ワカミネとフラワが補給物資を積んで今帰ってきよる。


一応....高濃度粒子キャノンもある。


...おい、ディール。


ジェイルブレイクの状態はどないや。



ディール:.....腹部の損傷については内部の形成のみ突貫の補修整備が何とか終わったところです。


...然し...燃料不足、加えてCTの予備エンジンとの適合率の低さを加味すると....


..”普通なら”、とても戦える状態とは...。



ムーンライト:...”普通じゃない”運用であれば動くんか?



ディール:...この事態を乗り切る為、であれば、約15分間程動かせるかもしれません。


..しかし、CTの予備エンジンの回転数の上限を取り払って、ジェイルブレイクの駆動部の爆発の危険性を考慮しなければ、です。


...非常に危険なプランです。



べリオ:ワカミネとフラワが返ってきて、着艦。補給物資の充填にかかる時間ぐらい、稼いでやる。


...セイヴァージークの高濃度粒子キャノンのチャージはどれくらいかかる?



A.F.S男性作業員A:剛推進段階飛行エンジンをフルアウトで回せば、10分程度なら...!!



べリオ:...決まりだ。



ムーンライト:...........。


べリオが時間稼いでる間にキャノン発射準備、返ってきたワカミネとフラワの持ってきた物資を補給してキャノン発射、そのまんまダッシュで逃げる。


..............。


..........ッ.........................!



セイヴァージークランドスタッド整備人員!聞いとったな!!


二分でジェイルブレイクに搭載されているCTのエンジンの回転数のリミッターを解除せえ!



べリオ:...ありがとな。ムーンライト。



ムーンライト:...お前の為やあれへん。


NOAHへ向かうためや。


....ま、アレや。



死ぬな。



ディール:NOAHZランドスタッド二機、回線にての通信を開始!


繋ぎます!



クルス:『ハイハイど~も皆さん。


なんか俺たちにダマでトンズラしちゃおうとしてるらしいじゃん~?


そりゃ~そんなことされたらオレ達だってハイそうですかって見逃せないワケ。』



パウロ:『...譲歩はせぬ。


命が惜しければ、投降し”髭”を始めとした機体を渡せ。』



ムーンライト:こらまたゴキゲンな譲歩もあったもんやで。


...悪いが、忘れてへんか?オレらはアンタらに故郷を吹き飛ばされとる。


一応文字通りアンタ等は親の仇なんやけどな。


パウロ:『...命を天秤にかけた時。人は二つに分かれる。


”選ばれた”と思い込む者。怯え逃げる者。


...聡き(さとき)は後者。そしてうぬらは前者だ。


意志などという甘露に響く幻に惑わされる事は無いぞ、若者よ。』



クルス:『....ラストだ。


俺たちには撃墜命令が出されている。


アオオニと対峙したパイロット、その船に君もいるんだろう?


君は頭が回る筈だ。


馬鹿には出来ないあの状況判断を見れば分かる。


今回も、理論的に考えれば分かるだろう?


...どの返事が、最適なのか。』



ムーンライト:...聞かれとんで、ディール。



ディール:...................。



────────”””理(ことわ)る”””!!!!!!!!!!!!!



クルス:『残念だ。』



パウロ:『撃墜する。』



<じゃき、と長銃と槍を構えたナイトスペリオルとアオオニ。>

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