【EPISODE6 BUT I WILL(バット アイ ウィル)】
べリオ♂/アークエンジェル戦闘員A♂:
ディール♂/アークエンジェル戦闘員C♂:
ソーイ♂:
ムーンライト♂アークエンジェル戦闘員B♂:
クルス♂/A.F.S男性作業員A♂:
パウロ♂/AFS男性作業員B♂:
ワカミネ♀:
カナ♀:
♂10:♀2 もしくは ♂6:♀2
<場面転換 集中治療室で目を覚ますべリオ>
べリオ:...........またここかよ。
ワカミネ:おお、目が覚めたか。
べリオ:.........ワカミネ。
ワカミネ:...フフ、済まないな。色気のある女子の出迎え、とはいかないが。
おはよう、べリオ。
べリオ:....オレの事、何だと....
ワカミネ:責めてはいない。
...すまない、笑顔も冗談も苦手な部類でな。気に障ったのなら謝る。
兎にも角にも...、見直したぞ。
べリオ:......何が。
ワカミネ:子供を助けたそうじゃないか。
...ランドスタッドに乗れることよりよほど立派だ。
べリオ:...........そうか。あのガキ...。無事、だったのか。
....でも。
ワカミネ:............................気に病むな。貴君は持てる力を出し切った。
べリオ:分かってる。
分かってるよ。
ワカミネ:...腹に大穴を開けてまで、他人の心配か?
.........傷に響くぞ。...泣くな。
べリオ:泣゛いて....ね゛え....ッ。
<場面転換 フェザーポータル周辺宙域。
フェザーポータル代表 ズング・ソーイ 専用居住用特殊光学迷彩装備ステルスコロニー “LOST STELLA”内>
ソーイ:...............どうすれば....。私はどうすれば.............。
<頭を抱えて呻くように声を出すソーイ。そんな彼にしなだれかかる女性。>
カナ・ゴトウ:大丈夫う...。
ソーイ様わぁ...。何ぁんにも間違ってないんだからぁ....。
ソーイ:....でも.....でも.....!!! 夢に出てきたんだ.....!!!
取るに足らぬ小汚い孤児共が.....!!顔も見たことのない薄汚い孤児共が...!!!
真っ黒な泥の人形となって私の足を引っ張るんだぁ.....!!!
カナ:.....怖かったねえ?でも、ソーイ様の抱える重みを考えれば当然の悩みだよぉ.....。
ソーイ:ぶっふう....ぶふうう.....
カナ...君は僕だけの光.....
カナ:......大丈夫......大丈夫........
<カナによってズボンの小さな膨らみを撫で擦られるソーイ。
男性としての機能も劣っている彼はそれだけで体を小さく震わせる。>
ソーイ:うっ......ふぅ....。
カナ:......それじゃ、お仕事の時間ですよ、ソーイ様。
ソーイ:うん。....うん。...私が成し遂げるんだ。
お父様や人当たりのみで出世した兄たちとは違うって事を証明してやるんだ.....!!
やらなきゃいけないんだ....!!!
私は.....、私は.....!!こんな所で燻る様な器じゃないんだ......!!!!!
<場面転換 セイヴァージーク内>
ムーンライト:換装の整備は突貫でかまへん!!
ぜ~~~んぶサイドホーンとCTになんも考えんととにかく積み込め!
その代わりスラスターの出力調整と通信回線の補強に細心の注意を払え!猶予は有らへんぞ!!
ディール:ディテクターのラストホルスの調整には電磁遮断ヘルメットを必ず装備して行ってください!
ヘルメット無しでの作業は非常に危険です!
ムーンライト:残る猶予はあと二日。
あと半日で整備を終えて...、ワカミネとフラワに補給整備手に入れてもうて....、速攻でゲッチュ。
爆速でチャージして発艦...........。
...ったく、言うてるだけで眩暈のする作戦や。
<ムーンライトが呟いた刹那、ごごごごごぉん。轟音が響き、セイヴァージークが揺れる>
ムーンライト:なっ.......何や!!!
AFS男性作業員A:未登録機体複数確認!
然し....すべての機体の左肩部アーマーに“AA”(エーエー)のペイントを確認!
ディール:アークエンジェル.....!!?!?
<場面転換。 アークエンジェル私設ランドスタッド バスケットラースHDコックピット内のソーイ。>
ソーイ:私が間違っているわけはないんだ....!!このフェザーポータルに!!!!
私の楽園に!箱庭に!私を高みに連れて行くこの塔に!
弱り切った賊が巣食う余地など無いんだッッッ!!!!!!!!!!!
<背部に懸架されている巨大な斧を抜いて構え。セイヴァージークに向かって突進をしてくるバスケットラースHD。そしてそれを援護するかのようにライフルを構えて同じく突進をしてくるアークエンジェル私設量産型ランドスタッド“D-IZ”。>
<場面転換 セイヴァージーク内>
AFS男性作業員A:熱源反応複数探知!!!
ムーンライト:クッッッッッ......そォォォォ!!!!
フラワはまだ帰ってねえんか!
AFS男性作業員A:フラワさんの通信端末へのコール、応答ありません!
ムーンライト:セイヴァージークの対ランドスタッド武装をオンラインに切り替えろ!
AFS男性作業員B:然しまだ弾薬の補充どころか...、装填も不十分で
ムーンライト:アホダラァ!!!!!
威嚇射撃でも何でもええ!
タマバラまいて近づかせるな!!!
AFS男性作業員A:りょっ.....了解!
AFS男性作業員B:対ランドスタッド30ミリファランクスを起動!
<バラララララ、とドラムロールのような音が響いてセイヴァージークからマシンガンが掃射される。
時折ガスンと弾切れを起こし、またバルカンのリボルバーが赤く変色し接合部が溶けても弾丸は発射され、アークエンジェルのランドスタッド部隊に向かって吸い込まれていく。>
ソーイ:ひっ....やっ、やっぱり怖い!
怖いよお!!
助けてェ、カナぁぁぁ!!
<そう叫んで隣のアークエンジェル戦闘員Aの“D-IZ”の腕をつかみ、無理やり自分の盾にするように背後に隠れる。>
アークエンジェル戦闘員A:ひっ....ソーイ様!!??いやだっ、やだぁぁぁぁぁ!!!!!
<戦闘員AのD-IZに弾丸が吸い込まれ、大爆発を起こす。
ソーイの機体"バスケットラースHD"は爆風でゴロゴロと転がる。>
アークエンジェル戦闘員B:『お...おい....なんだよあれ.....』
アークエンジェル戦闘員C:『こんな...こんな死に方....』
ソーイ:わたっ...私の勇猛なるアークエンジェルの者は怯えない!!
仮に命を優先し恥をかかせてみろ....!!!
ここで死ぬよりも地獄を味わう事になる!
その地獄はお前たちの家族も味わうんだよ!!!
いいのか!!!いいのかぁぁぁ!!!
アークエンジェル戦闘員B:『う...うううう.....』
アークエンジェル戦闘員C:『こ....このおおおおおおおおおおおおおっっ!!!!』
<セイヴァージーク内 ランドアームズ発艦口。フラワがいないのでワカミネ単騎での発艦を命じられたワカミネ。
>
AFS男性作業員A:ワカミネさん!聞こえますか!
ワカミネ:『聞こえている。帯域を固定。』
AFS男性作業員A:今回の戦闘では撃退を主とした行動を強く意識してください!
敵機のこの数ではまともに撃ち合う事はほぼ不可能です!
調整段階ではありますが、エンジンの出力をドミナントの制御装置を流用する事で2.21倍に引き上げてあります。
数値上では十分に回避を行える....と計算されています!!
....然し。
依然、フラワさんとの連絡も取れません。 ランドスタッド戦闘としては、ワカミネさんのみの出撃となります。
ワカミネ:『....了解だ。 』
ワカミネN:..........フラワ....。....いや。この胸騒ぎは、視界を鈍らせる。帰投まで、蓋をするべきだ。
AFS男性作業員A:....ご武運を。 出撃まで10秒!
10!9!......
ワカミネN:.....戦争のない世界を。重火器の必要ない世界を。
そう願えば願うほど...弾丸の飛び交う世界に変わっていく。
AFS男性作業員A:6!5!....
ワカミネN:......私達で、終わらせなくては。
AFS男性作業員A:3!2!....
ワカミネ:ランドアームズ、サイドホーン。
A.F.S、ワカミネ・スギウラ。
AFS男性作業員A:ゼロ!!!!!!
ワカミネ:発進。
<がぎん、とロックの外れる音がワカミネの骨に響くように鳴る。
その次の瞬間、座席に巨大な手で押し付けられているかのような衝撃がワカミネを襲う。>
ワカミネ:.....っ.....ぐ.....!!!!これほどのGだとは....!!!
<場面転換。ソーイコックピット内。>
ソーイ:なんだ....あの...戦闘機.....?
アークエンジェル戦闘員B:!!!!!!
ソーイ様!!!機体を低く!!!!!
ソーイ:何?私に向かって指図を....うわぁぁぁぁぁっ!!!!
<戦闘員がソーイの機体にとびかかって地面に抑え込む。次の瞬間、ソーイの機体が居た空間に弾丸が通過していく。ソーイのすぐ後ろの地面が弾丸でめくれ上がる。>
ソーイ:.......なんて精度.....っぐ........!!!かっ....かまうな!!!!
撃てぇ!!!撃て撃て撃てぇ!!!!!!
<アークエンジェルの部隊が機銃を空に向かって掃射する。それらを交わしていくサイドホーン。>
ワカミネ:...遅い。弾丸も集まりが悪い....。偏差を意識せず、私の後を追うだけの弾幕.....。
....訓練されていない兵士だな。.....フラワの言っていることが本当だったとは....。
ソーイの見た目を整えるだけの、若者による肉の盾........!!!!
<ドガガガガガガ、とアークエンジェル部隊の足元に土煙が上がる様に弾丸を打ち込むサイドホーン。>
アークエンジェル戦闘員B:うわぁあああああっ!!!
アークエンジェル戦闘員C:何も見えない....ッ!!
ソーイ:慌てるな!慌てるな!!!!ひぃぃぃぃぃ!!!
ワカミネ:.....まだ引かないか。...ならば脚部を打ち抜いて......ッ、
<サイドホーンが急加速をしてアークエンジェル戦闘員Bの機体に急接近する。
然し、次の瞬間。>
ソーイ:餌に引っかかったなァ!!!
アークエンジェル戦闘員B:ひっ....!!?!?!?!何だ、何だこの音はぁ!!!!
ソーイ:こんなこともあろうかと....すべてのアークエンジェル機体にリモートマインをくっつけておいたんだよォ!!!!
アークエンジェル戦闘員B:やだ!!やだやだ!死にたくない!
子供に会いたい!!!
ソーイ:どぅしゅしゅ、ちゅしゅしゅしゅ!!
私の作戦勝ちだァァァァッ!!!!
<ガチン、とソーイが操縦桿のスイッチを押す。
次の瞬間、アークエンジェル戦闘員Bの機体"D-IZ"の動きが一瞬止まる。
ワカミネのサイドホーンとD-IZの距離が最も狭まったその瞬間、D-IZが大爆発した。>
ワカミネ:何ィッ.....味方だぞ!!!!!!
ぐぅぅぅぅぅぅっ!!!!!
<爆風で地面に激突するサイドホーン。
ワカミネをエアバッグが守るが、全身を走る鈍い痛み、頭部に感じるぬるりとした熱に意識を朦朧とさせるワカミネ。>
ワカミネ:ぐ....っう..............。
ソーイ:しゅしゅ、ちゅしゅしゅしゅ!!
お...お、脅かしやがって!!!
わた、わたた、私を脅かした奴は皆!皆!賢い私に抜かされるのが怖いんだ!
私という存在に怯えているんだ!
私が...、私が賢すぎるから!このっ....愚かな!バカな癖に私を脅かす加害者め!成敗してやるゥゥゥゥ!!!!
<バスケットラースHDが斧を振りかぶり、振り下ろす。>
ワカミネN:あぁ.....................。
ゆっくりと、見える...............。
......済まない、皆......。
...済まない、ペオ、エボル.............。
お姉ちゃんは、何も、残せなかっ.............
べリオ:ワカミネ。
ワカミネN:あぁ..........。最期の幻聴が、べリオとは....。
べリオ:もう、大丈夫だ。
<ドミナント・JBがズズゥン、と上空から着地して、バスケットラースHDを蹴り飛ばす。>
ソーイ:のぴゃぴゃっ!?!?!?!?
<バスケットラースHDは吹き飛び、顔面から地面に激突する。>
ワカミネ:じ....ろ......?
べリオ:おう。オレだ。
ソーイ:っっっこの...!!!この....!!!私の見せ場だぞ!
私の見せ場なんだぞ! 私に殺されるべき存在を!!!誰の許可を得て庇っているんだ!
べリオ:テメェ~~~こそよォ。
誰の許可得てオレの船にケンカ吹っ掛けてんだよ。
ソーイ:私が!!!!このコロニーの王なんだ!!!
私に逆らう事がそもそも狂っているんだ!この下等人民が!!!
べリオ:おう、下等人民結構結構。
工場生まれ、工場育ち。実は一瞬金持ち育ち。
気に入らん奴はおもくそバキバキ!!!
ドミナント・ジェイルブレイク!!
イーストダーウィン出身!!!苗字と彼女無し!!!!べリオだ!!!!!!
ワカミネ:....フ..................。相も変わらず、だな....。
AFS男性作業員B:べリオさん!
ジェイルブレイクはエンジンをサイドホーンに積んでいるため、
今のそのジェイルブレイクのエンジンはCTの予備のエンジンになっています!
稼働限界は3分30秒....、
敵機に可能な限りダメージを与え、撤退させてください!
べリオ:了~~~~~解ィ~~~~~~..............
<ぐぐぐ....と両腕を昔の特撮ヒーローの様に上で交差させ>
だぜッッ!!!
<ビシッ、とエセ空手ポーズを決めて>
ソーイ:ぐっ.....!!!うぐぐぐぐ....!!!
ソーイ:突撃!全兵!!!突撃ィ!!!!!!
<その言葉を皮切りに襲い掛かるアークエンジェル部隊。それらを滅茶苦茶な徒手空拳で
半壊させていくジェイルブレイク。だが、さすがに手が回らなくなってきたようで>
べリオ:オラァ!!ふんッ! うぉぉぉっ...らぁッ!!!
べリオ:っぐ......さすがに数が......!!!
ムーンライト:『気張れや!!!
恐らく敵の残存兵力は60パーセント!』
べリオ:結構残ってん.....じゃねぇかッ!!!
<バギン、と迫りくるD-IZを再び蹴り上げながら答えるべリオ>
べリオ:ディテクターの出撃はあとどれくらいだ!!!
ムーンライト:『ムチャ言うなアホ!!!あら左右の腕と足の繋ぎ目メタクソにされてんぞ!
治すにゃ人もカネも物資も時間も足りてへん!
このうちの二つでも揃ってればなァ~~!!』
べリオ:クソッ,,,,,
ディール:『べリオさん!後ろです!!!』
アークエンジェル戦闘員C:もっ、貰いィィィ~~~~!!!!
<地面に墜落したままのサイドホーンにビームランスを突き立てようと飛び掛かるD-IZ。>
べリオ:ッッッ何....!!!!間に合わねえ........!!!!!!!!!
<その瞬間、インカムに響く聞き覚えのある声。
直後、サイドホーンに斧を突き立てようとしたD-IZの腕と足が上空から飛来したライフルの弾丸で
はじけ飛び、地面にゴロンと転がる。>
アークエンジェル戦闘員C:あっ、アガペッ!!!!
クルス:『あーあー。そ~んな青春丸出しのバトり方しちゃって~....。』
パウロ:『無駄な口を利くでない。.....行くぞ。』
<ドンッ。ドドンッ。二つの巨大な地響き。
地面に降り立ったのは青い鬼のような機体。
巨大な盾と槍を構えた騎士のような機体。>
パウロ:『...目標。アークエンジェル"を自称するNOAH未承認の自警団"。』
クルス:『了解ですよ。』
パウロ:『...アオオニ。』
クルス:『ナイトスペリオル。』
パウロ:『始めるぞ。』
クルス:『行くぜ。』
アオオニ:『OGRE』
ナイトスペリオル『GO』
アオオニ:『BLUE TYPE』
ナイトスペリオル:『STRAIGHT.』
<ギュビン。不吉な弦を弾くような音が響いたかと思うと、二体の機体の目に光がともり。>
ムーンライト:だぁぁぁぁぁぁぁこのクソ面倒な時にィ!!!
アークエンジェルとケンカしよる時にな~~~~んでNOAZHまで割り込んできよんじゃい!!!!
ええい火器管制はもうグッチャグチャで構わん!
高濃度荷電粒子キャノンチャージ開始や!
AFS男性作業員A:ッッしかし!バレル(※銃身の事。)の耐熱限界が近いです!
下手をするとチャージ中に爆発...、セイヴァージークごと吹き飛びます!!!
仮に撃てたとしても、セイヴァージークの電力は3パーセントにまで減少!
セイヴァージーク内の発電機構すら動くかどうか.....!
ムーンライト:おおおーしゃ!
ほな目の前のNOAHZとアークエンジェルのバカ共にむざむざ吹き飛ばされるかァ!?!?!
やるだけやって死んだら死んだや!!
ええからチャージせえ!
AFS男性作業員A:め、メチャクチャだ....
AFS男性作業員B:...ッこ、高濃度荷電粒子キャノン、チャージ開始!
<その瞬間、セイヴァージーク内にべリオからの通信が響く。>
べリオ:『その必要はねぇ。...と思う。多分。』
AFS男性作業員A:ムーンライトさん!
...これを。
<モニターに映ったナイトスペリオルとアオオニを拡大する男性作業員A。>
ムーンライト:これは.....
"アークエンジェルを攻撃している".....?
<場面転換 べリオのコックピット内>
べリオ:....アンタ等......。
クルス:『おう、熱血少年。童貞は捨てたか?』
べリオ:どどどど童貞ちゃうわ!!
クルス:『ハッハッハ。元気が有ってよろしい。
.....ッ合わせろ!!!』
べリオ:......???
...ッ、お、おお!!!
<バギン、と巨大な槍でD-IZを打ち上げるナイトスペリオル。>
べリオ:イーストダーウィン流ぅ.....
キャプテンウイングオーバーヘッドキーーーーーック!!!!!!!
<びょん、とジャンプして打ち上げられたD-IZに頭を下にする形で接近したのち、スラスターを吹かして
宙返りの要領でD-IZを地面にたたきつけるような蹴りを繰り出す。>
パウロ:『...見苦しい。』
べリオ:んだと!!!
とっさに合わせたにしちゃ上出来だろうが!!!
パウロ:『勘違いをするな。吾らはうぬと共闘しに来たわけではない。
戦艦や機体を押収するうえでの不必要なダメージは極力避けよとの命が下された上での行動だ。
先のような狙い撃たれる事を考慮せぬ動きは二度とするな。
クルス。わざわざ小僧に向かって敵機を打ち上げるのも要らぬ行為だ。
吾が空中で撃ち落とせるのを知っておろうが。』
クルス:『おー怖....。
別にうまく行ったからイイじゃんねぇ....。
ま、とにかく。今は俺らはアンタらA.F.Sの敵じゃねえ。
傷付けさせねぇようにガンバっちゃうからよ。
.....お?』
<ばきゅいぃん、とナイトスペリオルの背中に衝撃が走る。
バスケットラースHDのライフルが命中したのだ。
ゆらり、とバスケットラースHDにゆっくり向き直るナイトスペリオル。>
クルス:『人が.....』
パウロ:『.....やり過ぎるなよ。』
クルス:『喋ってんだろうが!!!!!!!!』
<ぐお、と急加速するナイトスペリオル。>
ソーイ:『ひい!ひぃぃぃ!!!当てるつもりはなかったんだぁ!!
誰か!!誰か私を庇え!!誰かぁぁ!!』
アークエンジェル戦闘員C:うっ.....おぉぉぉぉぉ!!!!
<ソーイを庇うべく現れたD-IZに向かって槍を構え、重心を低くし突進するナイトスペリオル。
ばきゅ、という嫌な音と共にナイトスペリオルの構える巨大な槍がD-IZを貫く。
槍で貫かれたD-IZをぶん、と槍を振るってどどん、とD-IZを槍から吹き飛ばし。>
クルス:『.....命拾いしたな、ズング・ソーイ。
....いや、拾えてねェけどなァ!!!!』
パウロ:『......直情だな....。』
<ガオン、とスラスターから音を響かせて再びバスケットラースHDに接近するナイトスペリオル。
背後のアオオニは長銃を構えてナイトスペリオルに群がるD-IZの腕や足を打ち抜き、
爆発を起こさず無力化している。そして、その光景を呆然と眺めるべリオ、セイヴァージークメインデッキのA.F.Sメンバー。>
ムーンライト:........たった.....二機やぞ......。
べリオ:『......しかも、誰も....殺してねェ....。
槍でブチ抜いたやつも、多分...エンジンを僅かに逸らしてんだ。
急に目の前に現れた機体のエンジンを予測して、槍をズラしたって事だ。
.........“急に目の前に現れた”機体に、だぞ....。』
パウロ:『この帯域でなら聞こえるか.....?
そこの戦艦。
当方はNOAHZ所属パウロ・グランツ中尉及びクルス・シストランジェ准尉である。
吾ら二機のランドスタッドによるうぬらの防衛....。
ほぼ九割の完遂が見られた。
残る機体による被害は墜落したランドアームズには及ばぬものと計算が出ている。
至急パイロットが生存している可能性を考慮し、墜落したランドアームズの救護に当たれ。
忘れるな。
うぬらに残された時間は少ない。
...通信を終了する。』
<場面転換 スラスターを全噴射し、ついに無防備なバスケットラースHDに接近したナイトスペリオル。
そのままスラスターの勢いを活かした前蹴りを食らわせる。>
ソーイ:『にゅ、にゅわぁぁぁぁぁぁっ!!!
痛いッッッ!!痛いよぉぉぉぉ!!
私は被害者なのにィィィィッ!!!』
クルス:『あー良い、良い。
喋んなくてよォ。
....“こうしろ”って言われてるもんでなァ!!!!!!!!!!』
<地面に倒れたバスケットラースHDに槍を突き立てようとするナイトスペリオル。
がぎゅいいん、と火花が散る。
────そこには、D-IZの残骸から盾を奪ったのか、ナイトスペリオルの槍を盾で防ぎ。
然しなおも貫通した槍がジェイルブレイクの脇腹を貫通し、バスケットラースHDにあわやという距離で槍を止めたジェイルブレイクが居た。>
クルス:『......笑えないぜ、少年。』
べリオ:ふーーーっ.,.....ふーーー....!!!
....殺゛....すな....!!!
<BEEEEE!!! BEEEEE!!!とけたたましくなる警告音と赤いランプが明滅しまるで血に染まったようなコックピットの中でそう呻くように言うべリオ。>
クルス:『少年。
いや...べリオ、だったか。
退いてくれ。
今の君は....“こいつの腐敗に加担している”のと同じなんだぞ。』
べリオ:違う!!!
こいつを殺して...ッ、第二のこいつが出てきたらまた殺すのか!!!
コイツを殺せば、死んだ人たちは帰ってくんのかよ!
コロニーの民が納得する形で釈明させるんだ!!
その為の権力だろ!
その為のNOAHZじゃねぇのかよ!!!!
クルス:『...平和な世界に居たんだね。
だが。コイツが殺した人間の数を見ただろう?』
べリオ:だからこそだ....!!!
強者が復讐を肯定するな....ッ!
世界を復讐で塗りつぶしたいのか!
クルス:『主語が大きいな。
世界では無く“このコロニー”において必要な措置だ。』
べリオ:“このコロニー”だって世界の一部だろうが!
クルス:『埒があかないね。
今はディベートの授業をしている場合ではない。』
<そして次の瞬間、バスケットラースHDのコックピットがバシュッ、と射出される。>
ソーイ:『ひゃっ...ひゃひゃひゃ!!
生き残った!私は生き残ったぞ!!!
見ろ!見ろォォ!!!ザマーーーーー見ろォォ!!!
これでもうデカい顔できねぇなぁNOAHZ!!!』
パウロ:『.....フン。帰投だ、クルス。』
クルス:『............了解。
べリオ。君の選択を、オレは否定し続けるだろう。』
<ばぎゅぎゅ、と鈍い音を立てながらジェイルブレイクから槍が引き抜かれる。>
ジェイルブレイク:『....OVER』
<きゅううん、とシステムの音が響いてジェイルブレイクの瞳から光が消える。>
べリオ:『セイヴァージーク....、応答してくれ....。』
<インカムからはザザ...ザ....とノイズしか聞こえない、時折焦ったような男の声が聞こえるが、何を言っているか判別が出来ない。>
べリオ:『ズング・ソーイは離脱....。オレは....一応無事.....。ワカミネ.....を....頼.....』
<意識を失うべリオ>




