↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宇宙創記ドミナントレガシー  作者: ZINDUSTRY
第二部
PR
14/29

【EPISODE1 NEW IS BETTER(ニュー イズ ベター)】

べリオ♂:

ディール♂/通行人B♂:

ムーンライト♂/通行人A♂:

アークエンジェルアークエンジェル戦闘員A♂:

アークエンジェルアークエンジェル戦闘員B♂:


フラワ♀/スリの少女♀/メイ♀:

ワカミネ♀:

カリオストロ♀:

トロイ♀(一言しかないので兼役推奨):



♂5:♀3もしくは♂5:♀4






<病室で目を覚ましたべリオ>


べリオ:ん....


<体に走る鈍い痛みをこらえながら上半身を起こすべリオ>


ディール:おはようございます、べリオさん。


べリオ:...よう。


ディール:体調はどうですか。


べリオ:そこそこだ。......なぁ、


ディール:単刀直入に言いますが。


べリオ:......。


ディール:IOPLANETは荷電粒子キャノンにより壊滅的な被害を受けました。


べリオ:.....おい、


ディール:落ち着いてください、べリオさん。べリオさんは敵の機体に大きくダメージを与えてくれました。その際の戦闘データは非常に貴重なもので...、今後のNOAHZへの対策に大きな貢献を


<言葉を遮るべリオ>


べリオ:.....ありがとな。でもまぁ...なんだ、今は....冷静だからよ。不思議と....、遠い遠い過去に見た夢を思い出してるみたいな気分なんだ。

だからこそ...教えてくれ。“壊滅的な被害”...っつうのはよ。まぁ、言えば....IOPLANETは、無くなっちまったんだろ?


ディール:....残念です。


べリオ:......そうか。


ディール:....何と、言えばいいのか。


べリオ:良いんだ。いや、良くは無えよ? 「また守れなかった」って....耳の内側から声が聞こえるんだからよ。

....んでもって、自己嫌悪、無力感、消えねえこの身体の痛み、全てが....唐突に人生を奪われた人達への言い訳みてえでまたイライラして。

でもな。フィオナさんが居なくなった時。 オレは腐ってた。フラワは、腐らなかった。

俺が今居んのは宇宙で、A.F.Sのメンバーだ。 停滞も後退ももう選択肢に入れちゃいけねえんだ。

....それに、次死にかけても、またお前が起こしてくれるだろ?ディール。


ディール:べリオさん.....!!



<医療室の扉が開いて、一人の男が無遠慮にずかずかと入ってくる>


ムーンライト:アカンな~。湿っぽくしても進まへんで、ハナシっちゅうのは。


ディール:ちょっ....まだべリオさんは安静必須状態(あんせいひっすじょうたい)なんですよ!


ムーンライト:ほならなんでおまんは許されるんや、っちゅう話やろが。

...おう、アンタがオレのカワイイ娘をオシャカにしよったタコスケか。


べリオ:...んだよ、お前みてえな奴知らねえぞ。あとムスメってなんだよ。


ムーンライト:トボケなはんな。オレの作ったオリジナルのスペリオルを初乗りでブン回したやろうが。


ディール:すみません、紹介が遅れました。この人は


ムーンライト:あーえぇえぇ。セントラルやイーストの連中は堅苦しゅ~てアカンわあ。

セルゲイ・ムーンライト。A.F.Sのメカニック担当しとります。

好きなタイプは貧乳のちょいゆるメイクが似合う子ぉや。

ウェストホーキング出身、ウェストの鉄鋼建築及び駆動制御部でメシ食うてますわ。

...あ。食うて“ました”やな。


<嫌味っぽく最後の文章を言い放つムーンライトに突っかかるべリオ。>


べリオ:....何が言いてえ。


ディール:ちょっと、ムーンライトさん.....!


ムーンライト:なんや。さっきイチャつきながら言うてたやろが。 IOPLANETは吹き飛んだ。それだけや。

全ぇ~ん部見てたで。べリオ、お前の命令違反の独断行動もや。


べリオ:.....出撃したのはオレ達だ...!!!


ムーンライト:.....なぁんか勘違いしとんな。


<べリオの前髪を掴んで自分の顔に引き寄せるムーンライト>


ムーンライト:コラ、お前だけでゴンタ(喧嘩の事)かませんのかい。 おい、目見ろボケカス。

ランドスタッドが有って初めてドンパチこけるテメェらが誰に向かってナマこいとんじゃいゴrrrラ。

オマケにトライアウトコマンドまで使いよったなナマズ。死にたいなら生身で死ねや。

誰の作品で特攻(カチコミ)かましよるか分かっとんのか?ホンマに死ぬか?ハナタレが。


べリオ:離....せ....!!!!


<力の入らない包帯だらけの手でムーンライトの手を振り解こうとするべリオ>


ディール:ムーンライトさん!!!その辺で十分でしょう! それにトライアウトコマンドの説明もしなくてはいけないのに

こんな状態では


ムーンライト:黙(だぁ)っとれ、カマキリ。


ディール:か、カマ.....



<べリオの前髪から手を離し>


ムーンライト:そもそも見よったらイッチャイッチャイッチャイッチャ......

トライアウトコマンドの説明と現状報告やろ?

このセルゲイムーンライトがオシャレに一発で報告したるわ。

1! トライアウトコマンドは使うな!俺らも仕組みも発動条件も分かっとらん!

2! この船は想定してないマジ逃げの為にガソリン使い果たした!近くのコロニーに緊急着陸する!

3! ミーティングあるからメインデッキまで這って来い!


べリオ:....三発だろ....。.


ムーンライト:ぁん?なんやコラ。こまいこと気にする暇が有るんか?ほな待ってんで。


<バァン!!!と自動である事にも構わず医療室のドアを力任せに閉めて部屋を後にするムーンライト。>


ディール:.....カマキリ...........。


べリオ:...なんなんだよ.....おい、変な奴しか誘ってねえのか?


ディール:.....そりゃ、こんな作戦に賛同するのは大なり小なり個性的な方なのかなとは思いますけれどね。

それより、本題に入らせてください。先ほども単語が出ましたが....「トライアウトコマンド」についてです。


べリオ:トライアウト.....コマンド....。


ディール:ドミナントジェイルブレイクを構成するに当たり、パーツの組み合わせや燃料の選定(せんてい)は全く問題では有りませんでした。

僕が設計図を完全に記憶していましたからね。

...しかし、動作やレーダー、CPU等の情報は完全に秘匿(ひとく)されていて....作成は不可能でした。

なので、次世代の試作型スペリオルのプログラムを盗んできたんです。それを搭載してべリオさんのドミナントは出来上がりました。


...つまり、「システムに不明瞭な部分が有る事を知りながら無理やりハッキングを行ってドミナントを動かしている」という事なんです。


....ここまでは分かりますか?


べリオ:いや全然わからん。...ま、「よく分からないけど取り合えず動くっぽいので完成って事にした」ってトコか。


ディール:その認識で構いません。...そして、ハッキングを進めていくうちに、異常に難解なプロテクトで暗号化されたデータにたどり着きました。

分かっているのは.....そのデータは機体に何らかの命令...“コマンド”を発するためのデータだという事です。

僕達は何度も何度もハッキングを行い、解明をしようと思いましたが.....それは叶いませんでした。

そしてその僕達の姿を見てムーンライトさんが「まるでトライアウトやな」と...。そしていつしか名前が付きました。


べリオ:それが....トライアウトコマンド。


ディール:何の命令を下すかも予測不可能。何がトリガーで命令が下されるかも予測不可能。データの解析をするべく接続した情報機器は内部でエラー、もしくは破損が起きて寄せ付けようとしない。

これではデータの削除も行えない。 ...仕方がなく、ドミナントジェイルブレイクとして運用をせざるを得なかったのです。

...まさか、あんなことになってしまうなんて。


べリオ:...『通信を遮断した直後に異常な速度での反応、旋回。レーダーの急激な鋭敏化、射撃正確性の向上』....。


<ディールが差し出した書類を読み上げるべリオ>


<そして、あるページで手が止まる>


べリオ:......これは....。


ディール:あくまで外部からの計測値ですが。ドミナントジェイルブレイクの機体全体に強い電磁波が確認されています。

コックピットの内部までこの電磁波が影響しているかどうかはまだ機体の修復中で正式に計測は出来ていませんが....。


べリオ:『この電磁波がもし仮に人体に流された場合....前頭葉の白質に甚大な影響を及ぼす可能性が大きい。挙げられる症状として、

一時的な連続性を伴う動作や状況判断の正確性や即断性の大幅な向上。反射神経の鋭敏化。』

......んだよ、いいことずくめじゃねえか。


ディール:最後まで読んでくださいよ、32行目。


べリオ:ん....『然し、脳への著しいダメージ。 視床下部への大量出血の恐れ。....更に懸念すべきは...。感情の欠損。』


ディール:....あくまで予測、ですが。


べリオN:あの感覚......。

<脳裏に浮かぶのはトライアウトコマンド発動中の記憶。敵を見下しながら急激に冷静に敵を追い詰め始めた自分を思い出すが、気のせいだ、初めての戦場だからだろうと思いなおし。>


べリオ:.....んや、特には何もおかしいことは感じなかった。


ディール:....そうですか。特に何も、ですか。それなら良かったんですが。


べリオ:それより、メインデッキに行こうぜ。話があるって...さっきのムーンライトってやつも言ってたしな。


ディール:えぇ。今後についてのミーティングです。恐らくもう始まっているかと思います。



<場面転換  セイヴァージーク内メインデッキ>


べリオ:....おっす。


ムーンライト:おお~~戻ってきよったでえ甘ちゃんが。


フラワ:茶化さないの。結局べリオがスペリオルを退けたのには間違いないでしょうが。


ワカミネ:だが。......私が何を言いたいのか分かるな、べリオ。


べリオ:.......っす


ワカミネ:?「す」では分からん。「集団での作戦行動で命令違反は言語道断である」と言いたいのだが。


べリオ:.....すんません。


ワカミネ:私たちは正規の軍では無い。戦力も足らん。本来は懲罰...もしくはランドスタッドの搭乗資格をはく奪されるのが妥当だ。

だが...... 不本意だが、べリオにはまだランドスタッドに登場してもらう事になるだろう。

今回のような独断行動は絶対にしない....と誓えるか?


べリオ:.......。


ワカミネ:......素直だな。 英雄と呼ばれたからには...という考え方をもしも持っているのであれば、早めに捨てた方がいいぞ。


フラワ:その辺にしてあげなさい、ワカミネ。トライアウトコマンドは未知の領域。通信も遮断(しゃだん)されている状態では作戦を共にする難易度は跳ね上がるわ。

彼だけの所為じゃない。ブラックボックスの技術に頼り、何よりべリオという戦力を頼っている私たちにも非は有るのよ。

でも......分かるわね、べリオ。私たちが救えなかった命の数。言い訳は無用。結果のみで語られるべき世界に足を踏み入れたことを自覚しなさい。

今後の独断的な行動は慎んで。


べリオ:う...


フラワ:了解。でしょ。


べリオ:りょ、了解。


フラワ:それでは今後の予定についてミーティングを


カリオストロ:うわああああああああああああああああああん!!!!


<フラワの言葉を遮りカリオストロが涙で顔をくしゃくしゃにして飛び込んでくる>


カリオストロ:死゛ん゛し゛ゃ゛っ゛た゛か゛と゛思゛っ゛た゛よ゛ぉ゛.......


べリオ:今お前に抱きつかれて全身が死ぬほど痛ぇ~~んだが


カリオストロ:ぼくゅは、本当ぬゅい、心配でぃえ


ディール:お...落ち着いてください、カリオストロさん。べリオさんはまだ車椅子から立てないんですから...!


カリオストロ:眠るぅぇぬゎかったんだからぅわ......


べリオ:何を言ってるか分からん


ディール:べリオさん!!!血が!!!傷が開いてます!!!


ワカミネ:べリオが寝ている間ずっと自室で壁に向かってブツブツ言っていたからな。

無事を知って緊張の糸が切れたのであろう。...さて、ミーティングの続きを。


フラワ:.......フン、仲がよろしい事。

さて、現在私たちは長距離航行用(ちょうきょりこうこうよう)の燃料を確保しないまま宇宙空間で戦闘行為を経てしまった訳。

最小限の燃料と慣性航行(かんせいこうこう)でたどり着けるコロニーを探した結果....運良く一つだけ見つかったわ。


<VUUN,とメインデッキのモニターにコロニーの図が浮かび上がる。>


ワカミネ:『フェザーポータル』.....。聞かないな。


カリオストロ:産業には主に関わっていないコロニーだね。いや...正確には関わってはいるが、弾薬であったり即時消費目的(そくじしょうひもくてき)の食糧の生産を

細々と行っているコロニーだね。...あまり経済的に余裕のないコロニーだと耳にはした事が有る。


べリオ:オンオフすご


ディール:泣いていたから少し鼻声ですね


カリオストロ:燃料補給とランドスタッドの修理部品.....。補給が出来るかどうか微妙ではあるね。


ワカミネ:....まぁ、選択肢がないのは確かだ。宇宙を浮遊する鉄屑になるよりはマシだろう。


べリオ:.....ままならねーな。



<場面転換 フェザーポータルの着艦口>


フラワ:着艦完了。 ...さ、そんじゃアタシとワカミネ、カリオストロはセイヴァージークのレストア業者を探して交渉。

技術部は破損箇所の記録と破損の程度を随時知らせて頂戴。


ムーンライト:あいよ~。給料は弾んでや。


フラワ:何言ってんの、キッチリ時給換算に決まってんでしょ。...えーと、医療部は薬品の補充、男性パイロットは....おい、そこの二人。....ワカミネ。


べリオ:おお~スゲえ デッケえ教会だあ


ディール:あっ、あの横にあるのは寺院じゃないですか? 特徴的なマークですねえ。


ワカミネ:......ふん!


<ずうん...とワカミネが彼らの背後に現れ、ごむすんと拳を頭上に落とす。>


べリオ:あらあらあらあら!!あらあらあらあら!!!ウェカピポ


ディール:あだだいだい!!!かなりあだだいだい!!


ワカミネ:特殊な痛がり方をするな。 ...指揮官が指令を出しているのだぞ、集中せんか。

貴様らはフェザーポータルの中央街でこのメモのランドスタッドの修理部品が有るかどうか探してきてくれ。

...まあ簡単な部品だ、個人で売買は可能な部品ばかりだからパーツショップを覗いてきてくれ。


フラワ:....では、解散!



<場面転換 台湾やフィリピンを彷彿とさせる舗装されていない道路に屋台の並ぶ街を困ったようにメモと街並みをちらちらと見ながらパーツショップを探すディール>



ディール:う~~んと....低圧縮式接着(ていあっしゅくしきせっちゃく)ガンに,,,,,対衝撃モニターLED....パーツショップがなかなか見当たらない....裏路地かな?


ディール:しっかし....べリオさんアテでもあるのかな....。


<回想開始>


べリオ:おい!ディールはあっちの方を探してくれ。オレはこっちの方を探す!


ディール:ええっ。べリオさん、そっちは繁華街ですよ....


べリオ:関係ねーだろ!人が多い方がモノだって集まってんだろ!!


ディール:ううう...じゃ、じゃあ一緒に探しに行きましょうよ!


べリオ:分かれて探した方が効率良いしよ。さささホレ開始!作戦開始!


<回想終了>



ディール:....ダメだあ。全然見つからない.....。やっぱり僕も繁華街の方に行って探そうかな...。

これじゃあ日が暮れちゃうよ.....フラワさんに怒られるの、イヤだなあ。べリオさんはパーツショップ見つけたのかなあ...。

....ん、何の騒ぎだ....?


<裏路地の奥の方から人の騒がしい声が聞こえてくる>


ディール:あれは......


ディール.........ウソだろ.....。(呆れたようにしながら空中を仰ぐ)


<地元民と思われる浅黒い肌の若い少女ともみくちゃでケンカをしているべリオ>


べリオ:おrrrrルァ返しやがれバカが!!!!

人様の財布に手ェ出して生きて帰れると思ってんのかァ!!!

女だろーが関係ねえぞオラァ!

男女平等キックで宇宙見せたらァ!!



通行人A:おいおい何だよ...


通行人B:見ねェ顔の奴だな。血の気が多いのは構ァねえが....


通行人A:ありゃ威勢だけだな。あんなガキ...しかも女のガキとどっこいのケンカしてよ。


通行人B:あっ、おい、なんか男の方、様子が変だぞ。


<鼻血を垂らしながら急に真顔になりスススと立ち上がるべリオ>


べリオ:ふーーーーーーーーーーーーーーーー.....よいっ....しょ....も、マジ返してください


<土下座をするべリオ>


スリの少女:やーなこった!!!あーばよ!!!


べリオ:はいもう許さね~~~~~え!!!!大人の対応してやったらこれだなァ!!!

待てやオラァ!イオの真紅の雷ことべリオが今度こそ貴様を小麦粉まみれにしてブチ揚げてカリカリのチュロスにしたらァ!!


<ガバッと体を起こして背を向けて逃げ始めた少年を怒りの形相で口を風圧でダバダバしながら追いかけるべリオ。>


ディール:はい、そこまで。べリオさん、大人げないですよ。それに....君も。

人の物を盗むのは悪いことだよ。 さぁ、これでお菓子でも買ってきなさい。


<逃げてくる少年とべリオを抱き抑えながらべリオをなだめつつ、少年に微笑んで財布から100ベーゼを出して差し出し>


スリの少女/メイ:ヘン!これっぽっちで腹が満たされるかってんだ!!! ガキだと思って舐めてんじゃねーや!!!


<バシッとディールの手をはたいてそのまま逃げだす少女>


ディール:.........................................。


べリオ:むっ...ディール?顔が?アレお前そんなに犬歯長かったっけ?


ディール:.........................怨(おん)........。


べリオ:怖えって!!漢字一文字で喋るキャラじゃないじゃんお前ェ!!つーか早く追おうぜ!

オレの財布が持ってかれちまうよォ!!!!


通行人A:...ついてなかったな、アンタ等。


べリオ:誰だアンタ。つーかついてないどころじゃねーよ!あん中にオレのカードも入ってんだぞ!!!


通行人B:ま、そう気を落とすな。多分だが....自治警察の「アークエンジェル」が来るだろーよ。


通行人A:ヨソの人にはショックな光景だろうから...そこらのメシ屋で待ってな。“コト”が終わったらアンタら呼んでやるからよ。


ディール:コトって....一体........


<その次の瞬間、趣味の悪い蛍光色の制服に身をまとった白いヘルメットのライフルを構えた男性が二人けたたましくサイレンの鳴る車から降りてくる。>


アークエンジェルアークエンジェル戦闘員A:そこの少女!!!盗品を直ちに地面において床に伏せろ!!


アークエンジェルアークエンジェル戦闘員B:おい。面倒だ。“始末”しろ。


<銃口を構える二人の男性。何かの殺気に気付いたのか振り向くメイ。そして銃口を向けられていることに気付き凍り付く。>


<しかし次の瞬間べリオが戦闘員の背後から声をかける。>


べリオ:おい。アンタ等、それはマズいだろ。


<後ろから声をかけるべリオ>


べリオ:オメえ等に言ってんだよ、三文コスプレジジイ共。ガキに銃口を向けんな。笑えねえぞ。


<怒りの形相で振り向く戦闘員二人>


アークエンジェル戦闘員A:貴様ァ!我らの公務を侮辱するか!!!


アークエンジェル戦闘員B:我らアークエンジェルの公務の妨害は死罪!覚悟は出来ておるのだな!!!


<銃口をべリオに向けるアークエンジェル戦闘員二人>


べリオ:何が覚悟だアホンダラ。んーなトンチキ布纏ってはしゃぐな。

あんまうるせえとブッ飛ばすぞ?


アークエンジェル戦闘員A:ソーイ様には事後連絡で構わん!撃てェ!


べリオ:....ディールがな。


ディール:ふっ!


アークエンジェル戦闘員A:あぎゃっ!


アークエンジェル戦闘員B:チャパティ!


<戦闘員二人が銃口を構えた瞬間、彼らの背後からブワッと現れるディール。二人を足払いして、喉に強く手刀を叩き入れる。戦闘員二人は即座に気絶した。>


通行人A:おいおい....なんだよコイツ等....


通行人B:しっ....知らねえ!!!知らねえぞ!!!


<蜘蛛の子を散らすように逃げていく通行人や見物人たち。>


べリオ:フッ。オレのオーラに完全に気圧(けお)されてたな。未熟者が。


ディール:...はぁ、そうですね。....というか、本当に撃たれてたらどうするつもりだったんですか。


べリオ:そん時は大声で泣いて病院に連れてってもらうんだよ。舐めてんのか。


ディール:な、舐め....はぁ。というか、なんでそんなに自信たっぷりなんですか.....じゃなくて!逃げますよ!そこの君も!


メイ:あっ....う、うん....!!!


<その場から一目散に人をかき分けて少し離れた食堂まで逃げる三人>



メイ:強いんだね、おじさん!


ディール:おじ.......


べリオ:だーーーははははははは!!!!おじさんだってよ!!!

こりゃ若ハゲも近えなあ!!!!!

悩むとすぐに眉間にシワ寄るもんなぁ!こりゃマジ傑作だぜウヒラウヒラ


メイ:静かにしててよ。くさくて弱いおじさん。


<屋台の隅っこで真っ白になって落ち込んで項垂れるようにして座っているべリオと、同じく屋台のテーブルでディールに買ってもらったジュースを飲みながら談笑するディールとメイ。>


べリオ:くさくないんだけどね。強いて言うなら土だけどね。

あと薬と包帯の匂いね。

なんならキミとの取っ組み合いで匂い変になったけどね。

マジ不本意だけどね。ガチマジ不本意のやつだけどね。これ。

<ぶつくさ言いながら木の机に指でくるくると円を描きながら瞬きをせずに呟き>


ディール:...そうなんだ。フェザーポータルって教会や寺院が多いんだね。


メイ:うん。わたしはこのフェザーポータルでも一番大きい教会に住んでるの。


ディール:.....“住んでる”...?


メイ:うん。そうだよ。私みたいにおかあさんやおとうさんがいない子は、皆その教会に住むの。でも、わたしには弟がいるからさ。...ケイって言うんだけど。ケイには学校に行ってほしいんだ。

...だから、くさくてよわいおじさんの財布を盗んじゃったの。


べリオ:くさくねーから。土の匂いだから。お前のせいでそうなってるから。

むしろかなりいい匂いだから普段は。いい匂いの語源は俺だって有名だから。


メイ:ぶつぶつ言わないで。きもちわるいよ。


べリオ:.......................................。


ディール:ま...まぁまぁ。...でも、あの大人の人たちは何だったの?銃まで出してきて....


メイ:アークエンジェルの事?あれはソーイ様が作った部隊だよ。えーっと...けいさつ、っていうんだって。


ディール:...べリオさん。


べリオ:くさくねーし


ディール:いつまで言ってるんですか。...それより。


べリオ:.......あぁ、聞いたぜ。ガキに“様”で呼ばせてたり...私設部隊の警察行為。オマケに殺傷武器の使用も判断が早すぎる。

NOAHZは何をしてんだ?


ディール:...そもそも...このコロニーは何なのでしょうか。異常に子供が多く...人口は多いように見えますが。

街を見ると人口に比例した発展はしていないように思います。


べリオ:.......趣味の悪ィ箱庭みてぇなトコだな。 サッサ出てくか。


<すると、三人に背後から声をかける女性が現れる。>


トロイ・ロロフス:もし、そこのお二人様。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。