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冒険は推奨レベルを超えてから~ビビりだけど幸せ求めてがんばります!~  作者: 爆微風


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39/50

ビビりとうとう旅立ちの日です



 ☆




 魔法学校を会場に集まった昼食兼説明会(ランチパーティー)は「鹿」尽くしでした。

まぁ、普段食べてない所も余すこと無く使ったんで、ちょっと変わった物もちらほら。

骨髄を煮込んだスープカレー。

蒸し焼きにした鹿の肺はジャーキーモドキ。

スライスして薄い衣付けて揚げた鹿の心臓は鶏の軟骨みたい。

……いや、ちゃんと美味しかったよ。

いつものスペアリブや、薄切り肉のカツレツのが旨かったっていう事実は覆せないけどね。

他にも尻肉(ランプ)ステーキとか、腸以外の内臓を細かく砕いて他の部位のミンチと香辛料を混ぜて腸詰めにした大味(アイテア)ソーセージ、これも美味しかった。


「……さて」


この場にいる参加者は父母、長老と神官のマブリさん、レモ姉ちゃんとお父さんのボクサおじさん、ティー姉ちゃんとお父さんのノートンおじさん、テウ兄ちゃんとセス兄ちゃんとお父さんのユートおじさん。

あと、牧場主のラモお爺さんとテリエお婆さん、二人は人馬族(ケンタウロス)

それに人狼族(ワーウルフ)のケテルッチおじさん。

なるべく来て貰ったけど、来れなかったお家にはこちらからお話しに行かなきゃね。


[話しますか]


「じゃあ、マブリさん、お願いします」

「喜んで。神よ、我が目、口は貴方の意のままに」


胸の前に握った拳を揃えて祈る神官の背中に、カレンさんが腰掛けるように消えていく。


[お借りしますよ]


厳かに緩りと暖かな風が吹き、あの双子も黙り込んだ。

マブリさんの口からカレンさんの言葉が紡がれる。


『我が愛し子に役目を与える時が来た。

世界に歪みと捻れが拡がりつつある。

極めて危険な場所はまず二つ。

近く、変動の激しい箇所は7つ。

これを整えるのが今回の仕事。

遠く旅となる。

支度を急げ。

放置すれば異界(ネモリカ)への穴が開く。

皆にはこの子を助けて、世界を救って欲しい』


……うぉ?

神様のお願いって、精霊の病を治して上げるのでは?


『長引けば、無為に精霊達が死に逝きます』


……っあ、神様の、創造主の、システム?


(噂の。要らん事しいの……)


「天命」ってヤツの事?

成る程、ビョーキだね。

そりゃー、治してあげなきゃだけど。

難易度上がってない?

世界の危機?

それって大事じゃないですか。


『スライよ、お願いします』


お願いしますって、ううっ、カレンさん、サポート頼みますよ?

頑張りますけど!


「……お引き受け、致します」


一同からの拍手。

そんなの欲しくないやい。

誰か代わって。


(代わる?)


うん?

あー、ゴメン。

代われるなら代わりたいのは確かだけど、お兄ちゃんを危険に晒したくない。

けれど、お兄ちゃんの事は皆に知らせたい。


「あと、僕からもお伝えしたい事があります」


皆の視線が集まる中、つっかえつつも現状を説明させてもらった。


「まず、ごめんなさい。

秘密にしていた事があります。

僕の魂は別の世界の住人です。

カレンさんと共にここに来ました。

父母には既に伝えていましたが、皆さんには知らせていなかった。

今、この身には兄、ミュゼラの魂もあり、体をどうにか返せないかといつも考えていました。

別世界の知恵や、技術、効率的なやり方を持ち込んでしまったのは…… ちょっと反省しています……。

でも、仲良くなれた皆さんを、僕は家族と思っているし、大切な仲間だと、思っ、ています。

皆にちょっとでも恩を返したい。

皆にちょっとでも楽な暮らしをして欲しい。

神の愛し子なんて言われていますが、僕は此方(アドラス)では異物です。

それを、告白したくてっ、お時間をいただきましたっ……」


カンペ作って見ながらだったのに噛んだ。

カレンさんみたく話すのは無理だな……。


[いいえ、立派なものです]


あ、お疲れ様でした。

じゃなくて、教えておいてくださいよも~…… やりますけど。


[……ご免なさい]


……やりますけどね。

フォロー宜しくお願いしますよ?

滅茶苦茶頼りますからね?


[ええもう、お任せくださいです!]


……何かスゴイ喜んでるみたいだから、良いか。


「……そうかよ、お前、別世界の人間か」


ユートおじさんが顎を撫でながら呟く。

それを皮切りに皆が言葉を溢した。


「ひとつの体に、二人の意識があるってフシギね」

「ババには何も変わらずスーちゃんはスーちゃんだわぁ」

「……何も変わらん」

「謝るコトなんてないじゃない」

「だから何ってカンジね」

「がっはははぁ、大変な事を引き受けちまったなあ」

「スライやべー」

「スライすげー」

「こんな小さな子が、そんな事に…… うっ。二人目のパパとして頼ってくれていいからね」


ノートンおじさんは涙もろい。

焼き物造らせたらスゴイ山羊人(パック)なんですけど。

パーンとパックの違いは手先。

パックは超器用。

村の食器全部このノートンおじさんが作った。

磁器が多いのは、村の近くの粘土質と、釉薬がどうとか…… 竃の造りが良いから高い温度で焼けるのだとか…… スッゴい語られたけど、すいません、わかんない。


[興味を惹かれないと、記憶力が働かないのはいつも通りですね]


(何でもは知らないよ。知ってる事だけー……)


そりゃね?

仕事場にお邪魔したのは僕だけど、昼から夜までずうっと語られるとは思わなかった。


[後継ぎだと思われたんでしょう]


「まだ6才なのよ? もう少し……」

「もう本人が決めたんだ、俺達は頼られたら力を貸すだけだよ」


(父さん、母さん…… 何か今生の別れ? ッポイ)


そんなつもりないよ。


「っあ、のねっ……」


あっ、カンペに無い事喋ろうとしてしまった。

……いいか。

喋れるだけ言葉にしたい。


「心配してくれて、ありがとっ。

でも、そんなつもりで行く旅じゃないんれすっ。

あくまでっも、カレンさんの神様としての仕事の手伝いっ」


ぐるっと見回す。

神降りから解放されたマブリさんも此方を見ている。

全員こっち見っちぇる。

心臓バクバクしてきた。


[がんばって]


(がんばれ)


がむばう。っばる。


「うえっと、あの、神様の付き人って、考えればさ、大丈夫」

「スライ……」

「スライ」

「スー」

「すぅぐ帰ってきて、また、皆の勉強とか見るからうわっ」


最後の言葉で、母と父が抱き締めてた。


「一緒に行くぅ」

「俺も一緒に行ってやりたい」

「やっ、強行軍になるから、僕だけでっぐえ」

「私も連れてけぇ」

「私もっ」


背後からも抱き締められ、身動きが取れない。


(誰を連れて行くの?)


[いけません。私達だけです]


……何か引っ掛かるけど、まぁ、仕方ないよね。


「えとっ、今回は、単独行動っ、です。この分だと次がありますからっ!」

「……次は、母さん連れてってね?」


お母さん同伴の冒険は考えてもいないよ。


「わっ、私私っ、力持ちっ」

「御飯なら頑張るからっ」


二人とも……。

うん、かわいい。

次は、ね。


[すいませんね、最初に行くべき場所がありますから]


……カレンさんにトゲが見える…… んんっ、まあっ、何とか引いてくれたのかな。

ふう。

皆さん、有難う。



 ☆



急いで旅仕度をしたらあっという間に夜。

何とか終わった。

心配だからとアレコレ持たせてくれても運べないので、父と母が持ってきた色々な品々はまたの機会に。

ラモお爺さんからは子供用の鎧を貰った。

人馬族(ケンタウロス)用の鎧の上半身のみ。

ジャストフィットじゃないですか。

でもこれはお借りするだけのつもりですので。

ちゃんと返します。

他にもケテルッチおじさんから、鏡海亀(ミラータートル)の御守り。

呪いや病気から守ってくれるって。

人狼族(ワーウルフ)伝統の品って言うのにくれた。

常に身に付けておくよ。

ユートおじさんからは革の具足(ブーツ)

ブルク兄さんの使ってたカッコイイ膝当てと脚絆。

今使ってる革靴と同じ色合い。

凄く気に入ってる。

ありがとユートおじさん。


[さあ、月明かりのある内に]


はいっ、あと、最終確認。


(チェックチェック~)


海に戻っている先生や人魚王妃には手紙で知らせます。

先生が不在の時の行商は、急な依頼以外は回さない様にも書き添えた。

よし。

学校は父さんにお任せ。

よろしくです。

僕が負っていた仕事は、大丈夫。


「じゃあ、行きます」

「……行ってらっしゃい」

「気を付けてな」

「ちゃんと無事に帰ってきて、よねっ」

「フッぅ…… うわ~ん!」


ティー姉ちゃんが泣いちゃったよ。


「待ってて。直ぐに片付けるからっ」


大地母神の『尽き鏡の潜り戸』という移動術で、妖精界へとまず、向かいます。

とうとう、冒険の旅に出る時がきました。

……心配してくれる人の為にも、がんばろう。


スライ・オーニス Level=10

状態=健康(鍛錬中)

職業=精霊使い見習い 称号=誠実な徒弟(神の愛し子)

ギフト=「壁無き友垣」対話、心理学、人類学、生物学、多言語の優良性

    「狙い違わぬ指」目星、回避、隠密、追跡、投擲、技能数値への補助

スキル=「構成編集(ストラクチャエディタ)

    「全種族魅了(スピーシーズチャーム)」封印中

    精神力向上(大)

    集中力向上(大)

    身体強化(小)

    学習指導(中)

    悪戯耐性(中)

    身体俊敏化level.6/10

    片手剣術level.7/10

    盾・両手操作level.7/10

    演算強化level.5/10

    説法技術level.3/10

魔法=無属性魔術(上級)

   空間魔術(中級)

   黒魔術(上級)

   白魔術(上級)

   精霊魔法(中級)



ミュゼラ・オーニス Level=0

状態=魂(スライの中)

職業=なし 称号=なし

ギフト=「狙い違わぬ指」目星、回避、隠密、追跡、投擲、技能数値への補助

    「壁無き友垣」対話、心理学、人類学、生物学、多言語の優良性

スキル=「構成編集(ストラクチャエディタ)

魔法=?



レモテトラ・ゴォド Level=21

状態=恋愛(充実)、動揺

職業=鍛治士見習い 称号=なし

ギフト=「研鑽の重ね」目星、聞き耳、投擲

スキル=「眼の魔法」

    炉の護り手(小)

    道具整備(大)

    併せの呼吸level.6/10

    耐熱・耐火(中)

    調理(小)

    縫製(中)

    身体機能向上(小)

    調理師Level.3/10

    活力付与level.4/10

魔法=無属性魔術(中級)

   黒魔術(初級)

   目線の魔法(中級)



テレコ・レクラス Level=14

状態=恋愛(充実)、動揺

職業=治癒師見習い 称号=水耕の担い手

ギフト=「弛まぬ水車」回避、聞き耳、水泳

スキル=水流操作level.8/10

    泉精霊(ナイアデス)魔術level.8/10

    農作業(中)

    調理(大)

    縫製(中)

    清掃(大)

    調理師Level.7/10

魔法=無属性魔術(中級)

   黒魔術(中級)

   白魔術(中級)



バァン・オーニス Level=78

状態=溺愛(永続化)、悲哀

職業=魔術学校長 称号=賢者

ギフト=「遠き呼び声」気配察知、聞き耳、神学

スキル=黒、白、空間、精神魔術強化

    常時異常回復

    常時魔力微量回復

    調理師Level.5/10

    狩猟採集level.7/10

    経営学(大)

    鳥目(夜間視力低下)

魔法=黒魔術

   白魔術

   空間魔術

   精神魔術

   召喚魔術



ロギー・オーニス Level=74

状態=溺愛(永続化)、暴走(直前)

職業=兼業農家 称号=騎士

ギフト=「空気の階段」高低差無効、跳躍、登攀

スキル=跳躍力向上(大)

    剣術特化

    槍術特化(大)

    防御力増加(大)

    弓術特化

    調理(中)

    直観力(小)

魔法=?

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