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冒険は推奨レベルを超えてから~ビビりだけど幸せ求めてがんばります!~  作者: 爆微風


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37/50

ビビりなりに色々成長した様です



 ☆




 冬の寒々しい景色も、今日は光って見える。

雪深くなった山道を避け、風精霊(シルフ)を従えて木々の上を飛行して暫く行くと、山が崩れた跡地、なだらかに続く斜面が開けてきました。

真っ白なそこには、猪の足跡。


よおしパーティーです。

お肉と野菜の御飯です。


着地せず、手頃な木の枝に掴まります。

兄の覚醒祝い(?)の為に、鹿か猪を狩りにきました。


(……ありがとう)


いやいや、コレは祝うしか。


[第一歩ですもの。お祝いをしましょう]


捕れなかったら冷凍した兎(母が微妙な顔になる)か、羊(ティー姉ちゃんが食べない)になるので。

頑張るよ。

薄曇りに乗じて、雪に紛れる白い服で獲物を待ち伏せる。

魔法技能上がったからね。

外側は魔力断絶(シャットアウト)しつつ、周囲に定温障壁(ヒートインソレイション)を展開して、風精霊(シルフ)に気配を消してもらう。

ここから暫くは待機かな。

と、左手からゆっくりと獣の群れが現れた。

鹿だ、早い。


(らっきー)


[まだ罠を仕掛けていません]


大丈夫。

今日は一匹だけで。

魔法で、いきます。

命を貰うのだから、ちゃんとするよ。


「光爆撃(スタン)!」


大きめの牡鹿の、頭に照準定めて放つ。

仰け反りながら鹿は倒れた。


(……スゴイ)


直後に、他の鹿は逃げ出す。


[手順は分かりますか?]


うん、平気。

アンゴールさんに教わったから。

気絶状態の鹿の、足を坂の上に引き上げる。

首が坂下方向になるように。

まずはトドメと血抜き。

放血とも言うよね。

なる速にやらないと。

細身のナイフを、胸から心臓に向かって、刺し、引き抜く。

ううっ、この血抜きは慣れないよ。

もう10回くらいやっているけれど。

溢れる血が、雪を溶かしていく。

掴まっていた枝に、縄で後足を縛った鹿を吊り下げ、血をなるべく出し切る。

今回は血を捨てていますが、血は流用したりもします。

続いて鹿の毛皮についた虫や泥などを洗います。


「流水撃(ウォータボール)」


吊った鹿に水の塊(回転中)を重ねていく。

水球を維持したまま、上(後ろ足)から下(頭)まで。

砂とか垢とか血が、水の中に流れだしてる。もっかい。


「流水撃(ウォータボール)」


今度は長めに。

血はもう出てこないが、虫がいっぱい取れた。

うわぁ。

さて、手順は他にも内臓を取り出したり、体内に残った傷から溢れた血を捨てたり冷やしたりがあるんだけど。

ここでは省略。


「冷凍波(フリージング)」


内蔵が残っているけれど、冷却して臭さを増やさない様にするんだ。

縄を外し纏めて、革紐で胴体を括って、運びます。

さあ、風の精霊に頑張ってもらうよ。


「夏の突風(ガスト)」


羽根を広げて、風を受ける。

うっ、重い。


(がっ、がんばれ)


うん、頑張る。


[このまま猟師の家に?]


冷却から解凍するまでは出来るケド、腑分けと柵作りはまだ経験不足…… 教えてもらいながらじゃないと不安なレベルです。

でも、自分ひとりでも出来る様に練習しなきゃ。

それにこの鹿は、兄のお祝い。

僕が捌きたい。


[うっ…… 成長しましたね]


……止めてよカレンさん。


[皮を剥ぐのを見て気絶していたのが懐かしく感じます]


……止めろください。


「あぁ来たなあ鹿か」


アンゴールさんは待ち構えてくれていた。

川から引いた水を使った洗い場が小屋の前にある。

外竃には火が着いている。

竃の前に椅子を出して待っていたのはレモ姉ちゃん。


「いい大きさねぇ」


鹿を受け止めて革紐を外し、作業台に乗せてくれた。

力持ち。


「寒い中お待たせしました」


少し低い石の台は、腑分けして洗う為のモノ。

内蔵を運ぶ桶や水瓶(みずがめ)、包丁等は既に用意されている。

風の精霊を還して、今度は火の精霊を喚んだ。


「じゃ、溶かすね。春の踊火(プラムロ)」


この所毎朝使っている火の精霊魔法。

温めから解凍まで。

便利。

加減も出来るし助かる。


「よし、血ぃも出ねえ、腹を開いて腑分けっぞ」

「あっ、全部、僕らでやります」

「あぁん? そぅか? なら、やれ」

「はいっ、分からない所は、教えてください」


頭がカタツムリなアンゴールさん。

表情分からないし訛りがあるしで、昔から苦手だった。

でも話していると、端々に気遣いや拘りがあって、何も変わらない、やっぱり皆同じだなと実感した。

今は狩りのプロとして信頼をしています。


鹿の、胸を刺した傷から真っ直ぐ腹膜(おなか)を開いて内蔵を取り出す。

喉下から食道を紐で縛り、包丁で切り取る。

これは胃の中から出てくるモノを防ぐため。

尿道や大腸の端も同じく縛って切り取る。

内蔵の処理はレモ姉ちゃんにお任せするよ。

腹を空にしたら皮を剥ぎ取り、取って置く。

頭から皮を剥ぐのは細かく大変なので、首を外すまで。

あ、舌は解体しておこう。

父はタンシチューが好きだからね。

筋切り用の包丁で骨から肉を外しつつ分割していく。

足の肉は外しやすい。

大きな部分は更に枝肉へ分割して、背中や肩、首、胸肉各部位毎に解体。


(……スライ、スゴイ)


[頑張る貴方はカッコイイ]


失敗もいっぱいしますけど。


「教えるこたぁ何もなかったぁが」

「あはは…… まだ不安だったんですよ」

「ソレでええ」

「え?」

「命を貰う事に、慣れちゃあいかん。いただくという大切な遣り取りにゃあ、毎日マジメに向かい合わにゃあ」


これが、アンゴールさんの拘りだと思う。


「はいっ」

「おーい、コッチは片付いたよー」


あっ、レモ姉ちゃんに内蔵全部任せっぱなしだ。


「ごめんなさいレモ姉ちゃん、もう終わったの?」

「ふっふーん。私も居るもの。余裕よっ」

「ティー姉ちゃん」


いつの間にか、助っ人が増えていた。


「声掛けたケド、集中していたみたいだったから」

「ごめんなさい、気付かなくて」

「いいの、マジメな顔が見られたし」

「二人とも、ありがとう」

「もっと頼ってもいいのよ?」


二人に頭を撫でられた。

照れるとからかわれるから我慢。

きーぷすまいるっ。


「オゥ、じゃあもう寝ていいか」

「あ、お邪魔しました! 後は片付けておきます。助かりました。ありがとうございました」


後手を振り家に戻るアンゴールさんは、冬の間半休眠であまり起きて居られない。

本当にありがとうございます。

使った道具類を洗い、水を拭き取り、仕舞う。

鹿の頭は下顎まで解体したけれど…… 分解室(コーンポスト)行きで。

他の骨も、髄の取り出せる太いモノ以外はそちらへ。

さあ、そろったぞ。


「パーティーよねっ」

「えっと、覚醒祝いと、説明会って?」

「うん、全部、話しておきたいんだ。帰ったら、皆に言うから」


(僕らの事? 前回の世界のコト?)


[やりたい事と、今の状況と、これからの事ですね]


(……起きて、起きられたコトにまず自分がビックリ)


だろうね。

僕が呼びかけるのも、習慣になりつつあったもの。

自覚しないと内心の呟きなのか反応なのかを見分けられなかった。


[一つ、ご報告がありますよ]


……何でしょ?

厄介事な気がするんだけど。


[あたりです。大地母神と光の神の二柱のお願いがありまして]


神からの、「お願い」かあ。


(良い記憶は無いよ?)


[精霊細工(エレメントピイス)と言うモノが、あるのですが]


あっ、魂を宿す武器のコトですね!?


(……ナニソレ)


魔法道具の「魂石(こんせき)」には、魂を封じる力があるけど、魔力としてしか転用出来ないという結果で落胆していたんだ。

そしたらね。

魔法大戦末期に死にかけた魔法使いを武器に奉じて魂を宿す武器に変えた、と言うモノがあったんだ。

それが精霊細工(エレメントピイス)と言うらしいよ。

これなら、イケるかも?

……っても、それ以上の情報が無かったんです。

カレンさん、何処に行けばソレを手に入れられますか?


[地上には残っていません]


(……残酷)


んー、でも有益な情報。

要するに何処にあるのでしょうか。


[精霊の世界、妖精界です]


精霊使いになればいいの?


[……話しが早い]


なら、成るしかないね。


(待って待って、話しが分かんない)


二柱のお願いって、精霊絡みで、地上で何かしらをやって欲しいのでしょ?


[その通りですよ。精霊が罹った病気を治してあげたいのです]


その報酬が、精霊細工(エレメントピイス)か。

じゃ、それも含めて皆に説明会だね。

忙しく、なってきたかも。


スライ・オーニス Level=10

状態=健康(鍛錬中)

職業=司祭見習い 称号=誠実な徒弟(神の愛し子)

ギフト=「壁無き友垣」対話、心理学、人類学、生物学、多言語の優良性

    「狙い違わぬ指」目星、回避、隠密、追跡、投擲、技能数値への補助

スキル=「構成編集(ストラクチャエディタ)」

    「全種族魅了(スピーシーズチャーム)」封印中

    精神力向上(大)

    集中力向上(大)

    身体強化(小)

    学習指導(中)

    悪戯耐性(中)

    身体俊敏化level.6/10

    片手剣術level.7/10

    盾・両手操作level.7/10

    演算強化level.5/10

    説法技術level.3/10

魔法=無属性魔術(上級)

   空間魔術(中級)

   黒魔術(上級)

   白魔術(上級)

   精霊魔法(中級)



ミュゼラ・オーニス Level=0

状態=魂(スライの中)

職業=なし 称号=なし

ギフト=「狙い違わぬ指」目星、回避、隠密、追跡、投擲、技能数値への補助

    「壁無き友垣」対話、心理学、人類学、生物学、多言語の優良性

スキル=「構成編集(ストラクチャエディタ)」

魔法=?



レモテトラ・ゴォド Level=21

状態=恋愛(充実)

職業=鍛治士見習い 称号=なし

ギフト=「研鑽の重ね」目星、聞き耳、投擲

スキル=「眼の魔法」

    炉の護り手(小)

    道具整備(大)

    併せの呼吸level.6/10

    耐熱・耐火(中)

    調理(小)

    縫製(中)

    身体機能向上(小)

    調理師Level.3/10

    活力付与level.4/10

魔法=無属性魔術(中級)

   黒魔術(初級)

   目線の魔法(中級)



テレコ・レクラス Level=14

状態=恋愛(充実)

職業=治癒師見習い 称号=水耕の担い手

ギフト=「弛まぬ水車」回避、聞き耳、水泳

スキル=水流操作level.8/10

    泉精霊(ナイアデス)魔術level.8/10

    農作業(中)

    調理(大)

    縫製(中)

    清掃(大)

    調理師Level.7/10

魔法=無属性魔術(中級)

   黒魔術(中級)

   白魔術(中級)

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