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冒険は推奨レベルを超えてから~ビビりだけど幸せ求めてがんばります!~  作者: 爆微風


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36/50

ビビリ達の目覚め

掛け替えのないモノは、目に写らないそうな。

でも認識できるならそれで良いとは思います。

ご機嫌はいかがですか?



 ☆




 季節は冬月。

山の紅葉が終わり、木々が痩せて、山頂から冬が下りてくる。

冬月の二十日ともなると寒さが厳しいけれど、起きてからの日課にしている体力作りを行います。


先ずは室内を暖めて、っと。

魔道具作りや錬金術の勉強をした日は、研究室とさせて貰っている神殿の、半地下の物置部屋に泊まるようになりました。

父母にも許可はもらってます。

家に近いのにって母には超反対された。

爆発なんか起こす気は無いけれど、危ない薬品も使うからね。


[私が確認を重ねますから]


はい。

頼りにしてますカレンさん。

二重扉の棚とか水路は、ノームの大工さん達に新たに作ってもらった。

感謝。

更に地下の貯蔵庫を改築して、貯水池にした。

普段は防火用水。

突発的に何かあった場合は薬を希釈する為でもありますが、そうならない様に気を付けます。


今日は父母がいない。

よし。

ラジオ体操第二にしよう。

うん、絶対に理に適った体の操作方法だ。


そして日課。

前面合掌圧迫と背面合掌圧迫。

5回ずつ。

片手腕立て伏せを5回。

足を一段高く、片手に得物を持つ。

今の武器は片手剣(ショートソード)。

持ち替えて5回。

屈伸して両手を床に突いてから、手と足を徐々に広げて開脚していく。

ゆっくりやるのが凄いキツい。

母は『床との抱擁』と呼ぶ。

これは3回。

逆立ち…… から前転。

そして後転から逆立ち。

5回。

羽根があるのでコレが苦手。

そして地味に痛い……。

体幹を揺らさない様に柔軟体操をして、終わりっ。


[……朝飯前という顔で、さらっと]


ん~?(ドヤァ)

息は少し上がるけどまだまだ~。

この後、母が鍛える日ならとんでもなくハードになりますし。


[引き締まった躰になってきましたね。子供らしい丸味が…… 減って…… 男の子らしく……]


いやん。

あんまり見ないで。


[あっ、お尻はまだ丸味があります]


っや、止めてっ。

見ないで。

あれっ、今パンツ履いて…… る?

……どうやって見てるの?

カレンさん。


[それは秘密です]


……はぁい。

そですか。

まあ今更なんですけどハズカチー。

考えない様にしてないとハぁズカチぃーっ!


よし、復習しよう。

そうしよう。


母からの口伝、闘いの支度の十箇条。

体を鍛えるが、一。

気持ちを鍛えるが、二。

反射神経を鍛えるが、三。

心構えを鍛えるが、四。

応用力を鍛えるが、五。

守りを極めるが、六。

察知を極めるが、七。

攻めを極めるが、八。

限界を超えるのが、九。

連ねて束ね、纏めるのが、十。


よっし。

言える。

因みに『先ずは一から。次に進むのは私が許可してからよ』と言われて2年。

肉体造りには終わりが無い気がしているがどうなの。


……あ、スキル使うのは別に良いらしい。

でも、母が訓練してくれてる時は、僕自身でスキル使うのを禁止してる。

剣術スキルとか使うと絶対に当たらないって言うのもある。

完璧に見切られる。

凄いよ。

だからこそスキルは使わない。

手合わせでハンデ貰ってもまぁ勝てません。

ちゃんと言われた通りにやればきっと強くなれる。


……と、思う。

実際に強くなってきた。


例えば中国拳法みたいな訓練。

水の満ちた手桶を持ち上げ、ひっくり返して下ろし、掬い上げながら左右の手で持ち替える。

でも、中の水はこぼさない。

水が入った手桶を振り回すとか、意味が分からないでしょ?

でも、この動きが出来ると、重量級の武器が楽に扱える、らしいから。

ビショ濡れになりながらもやった。

夏の間、ずっとやってた。

そしたらビックリ。


斧が振り回せる様になった。

ハンマーも、どういう造りだかが分かるようになっていた。


この訓練は、重心の位置の把握と動かすためバランス感覚を鍛えていたんだと理解してからは理に叶っていていると思えてクルックルだった。

初めての武器でも何処を持つべきなのか自然に分かるようになった。

武器とは『体の先の体』と母が言った意味が分かってきて、ちょっと嬉しい。


だから、最近は言われた言葉を覚えて出来得る限りやっていこうと思っている。


「全ての形の武器を手に取り振るってみなさい」


……身近に有る武器は全て触れてみた。

剣、槍、棍棒、斧、ナイフ、拳甲、鞭、盾。

自由自在に出来るモノなんて一つもないけど、拳甲と槍は母の得意なので、コレは使える様になりたい。


「武器を持つまま、その武器で傷付く事は恥ずかしいよ」


……手にした物は危険を伴うと知れ、って意味だね。

刃物なら、刃を外側へ。

長物なら固定する。


「手を伸ばして、内側が自分の圏内。

更に外側に伸ばして、得物の届く範囲が勢力圏。

内側にはいつも自分の腕や足が動く流れを詰め込んで。

外側からは打ち返す、迎撃するイメージを保って。

相手の背後が一番狙いやすい。

つまり視界から逃れられたら背後が一番危ない。

勢力圏を背後まで維持して行動出来たら、達人級よ」


……うーん、そこまではまだまだかなぁ。

体を動かすのはキライじゃない。

……前はキライだったと思う。

知識を得る為に勉強して、学校に通い、本を読み漁り…… パソコン画面に向かって質問を投げかけていた。

わざわざ体を動かそうと考えた事が無かった。


昔を偲ぶワケでは無く、少しの回想。


ふと外を見る。

新たに嵌め込んだガラス窓の向こう、雪が降り始めていた。


(……雪だあ)


見慣れてきたなぁ。

雪は寒さを際立たせるからあんまり、好きじゃないな。


(……静かになって、いいけど)


まぁ、最近は騒がしかったかもね。


(……魔女大釜(ウィッチズコールドロン)、そろそろ時間じゃない?)


あ、そうだ抽出終わったかな。

部屋の空気も温度の加減をしてっ、と。

……うん?

……カレンさん?


[はい]


……あれ?


[どうなさいました?]


今、話していたのは……?

もしかして兄さん?


(……?)


兄さん、ミュゼラ…… 兄さん。


(……ミュゼラ…… 兄さん…… あに?)


[あぁ、貴方の呟きに疑問を感じていましたが…… 魂にあった穴が消えていますね]


兄さんの、意識で、ここっ…… 応えたっ!

「やっっったあ!」


(……!?)


コレは、父さん母さんに伝えなきゃ!


[お待ちください。現状を分かるようにお伝えしますね]


っ、はいっ。


[私からはお兄さんの意識は感じ取る事ができません。どうやら、貴方からの意識的な確認(よびかけ)が、魂に形を与えて自我の様になったのでしょう。準備万端です。この時を待っていました。貴方は今の揺らぎの形を維持してください]


……って言われても。


[お兄さんを、見ていてください。まだ姿が分からないですか?]


うーん?

見えない。


(……やーほー)


やーほー?


(……スライってさ……)


はい。


(新○に似てるよね)


○八っ?

元メガネでツッコミだからかな!?

今はメガネじゃないもん。


(でも個人的には激似)


[まあ、私も同意です]


カレンさんまで…… って、え、お兄ちゃんの声が聞こえる様になったんですか?


[はい、処理は無事完了です。魂の双子の誕生です]


じゃ、安定化したの?

よおし、今度こそ父母に報告だー!


お兄ちゃんが、起きた☆


スライ・オーニス Level=10

状態=健康(鍛錬中)

職業=司祭見習い 称号=誠実な徒弟(神の愛し子)

ギフト=「壁無き友垣」対話、心理学、人類学、生物学、多言語の優良性

    「狙い違わぬ指」目星、回避、隠密、追跡、投擲、技能数値への補助

スキル=「構成編集(ストラクチャエディタ)」

    「全種族魅了(スピーシーズチャーム)」封印中

    精神力向上(大)

    集中力向上(大)

    身体強化(小)

    学習指導(中)

    悪戯耐性(中)

    身体俊敏化level.6/10

    片手剣術level.7/10

    盾・両手操作level.7/10

    演算強化level.5/10

    説法技術level.3/10

魔法=無属性魔術(上級)

   空間魔術(中級)

   黒魔術(上級)

   白魔術(上級)

   精霊魔法(中級)



ミュゼラ・オーニス Level=0

状態=魂(スライの中)

職業=なし 称号=なし

ギフト=「狙い違わぬ指」目星、回避、隠密、追跡、投擲、技能数値への補助

    「壁無き友垣」対話、心理学、人類学、生物学、多言語の優良性

スキル=「構成編集(ストラクチャエディタ)」

魔法=?

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