7-11 襲撃
「はははははははははははははは!!!!!!!!ああ!!素晴らしい力!!全身に漲る凄まじい力!!いい!!いいぞいいぞ!!こちらに来てからというもの全てが私の思うがまま!完璧に流れが進んでいる!!行け魔物達!!i人間達をもう一度捕らえろ!!」
部下の魔物達に指示をすると、レヴェルの背後から魔物達が駆け出し、逃げていく魔物だった人間達を追う。
「させーー」
「させないのはこちらのセリフですよおシーリアさあん!!」
レヴェルは気味の悪いねっとりとした口調でそう言うとシーリアに飛びかかる。
「邪魔すんな!!」
『エクスカリバンカー!!』
聖なる槌で飛びかかってくるレヴェルを迎撃する。光がレヴェルを突き刺すが、それは表面の黒い鎧により弾かれる。
「ぐっ」
「出力が足りないねえ!!」
ガッ、とシーリアの両肩を掴むと、レヴェルはそのままシーリアを押し倒した。
「君が無敵なのは知っているとも。だから力で圧倒し、そして押し留める。君と例の鑑定士が居なければあんな連中烏合の衆だからねぇ」
シーリアは腕を動かして退かそうとするが、鎧とインジェクターで強化された今のレヴェルの拘束を解く事は出来なかった。
「この野郎……!!」
「はははははは!!私は本当に運がいい!!魔王を殺すのに失敗したと思ったらこんなものを見つけるとは!!しかも本当にナクールの近くにインジェクター様が、伝説の悪魔が眠っていたとは!!全てが私の思う通りに進んでいる!!」
「そうはさせるか!!」
シーリアは全身の力を振り絞ってレヴェルを退かす。
「むうん?!」
「おりゃあっ!!」
シーリアの馬鹿力でレヴェルが放り投げられる。
「ば、ばかみたいな力……だが!!」
言うとレヴェルはかつて魔王を切った剣を呼び出す。
「この剣覚えているだろう?」
スキルを無効化する剣だ。シーリアは防御を固める。
「そうだろうそうだろう。そうするしかないよねぇ?」
レヴェルはまたもドロドロにトロけるような声で言う。シーリアには不快でならないが、それでも切られればダメージを受ける以上、防御を固める他無い。
「ははははははは!!これで私は無敵だ!!無敵スキルがなくとも無敵なのさ!!」
ガンガンと剣を乱暴に振るう。太刀筋は極めて荒い。エクスカリバンカーで防ぐ事は容易である。だが今のレヴェルの力では、この白亜の鎧で身体能力が強化されていても防御一辺倒になってしまう。シーリアは焦りを感じていた。兵士達がなんとか人々を保護し始めているようだが、魔物の攻撃も始まっている。大量の人々をあの兵士の数で守りきることは難しいだろう。
「アクトが目覚めてくれれば……」
思わずつぶやく。その声はレヴェルにも聞こえていた。
「あの男は本当に鬱陶しい。私の戦力が大幅に削がれてしまった。だが流石に魔力を相当に消費したはず。今は動けない、そうじゃないかね?」
当たりだ、シーリアは心の中で舌打ちをした。
「うっさい!!」
「はははははははは!!なんとか君一人ならば、インジェクター様の力を制御すれば抑え込める!!それだけで私の勝利は確定だ!!なんて簡単な勝ち戦!!あとでそこの連中をまた魔物化してやれば戦力も増える!!運が向いているというのはこういうことだ!!」
ガン、ガン。
気分が高揚しているレヴェルは更に勢いよく剣を振るう。エクスカリバンカーには傷一つ無いが、それでもシーリアの腕には多少の反動の衝撃が届いていた。あまり繰り返されるとじり貧になっていく事は自明であった。
「……アクト……」
シーリアは今一度、彼が状況を一変させてくれることを祈り、心の中で静かに呟いた。




