6-11 打ち込め、光の杭
「悪魔……?」
アンペールが今のブレングの、生物とは思えない行動を繰り返した姿を見て言った。
「悪魔って、この遺跡に住むっていう……?」
アタシの言葉にアンペールは頷く。が、それ以上彼の姿を見ることはできなかった。
「グゲギャララララララ!!!!!」
ブレングは狂乱の声を上げると、先刻より鋭く伸びた爪をアンペールとアーチェに向けて突き立てんと突進し出した。
「行くな行くなぁっ!!」
アタシはエクスカリバンカーでそれを防ぐ。
ガギィッ、という音で爪は盾により防がれた。力は強いが、防げない程ではない。だが明らかに先程よりは強くなっている。
「悪魔は体の乗っ取りでもするの?!」
ブレングの体を盾で弾きながら言う。
見るとブレングの体はどんどんと変形して巨大になっていく。肉が伸び背丈も伸び、肌からはトゲトゲの角みたいなものが腕やら足やらから生え始めている。
「ここに碑文があるでございますよ!!これは古代文字でございますな!!えーと、『我らの過ちを希望と共に封ず。肉体へと注入し自らの物とする寄生生命体、インジェクター。スランの民を喰らいつくし、星をも飲み込まんとする彼の者をこの神殿に封ず。後を継ぎし者達よ、もしこの神殿に足を踏み入れたならば注意せよ。背後に潜む影が動くならば光を照らせ』」
ああ、あの影がやっぱりそのインジェクターとやらだったわけね。
「続きが……『影に乗っ取られた者は光に包み込んで滅せよ。出来なくば闇の中へ封ぜよ。そのために使え、我らの希望が一対の一つを』……だそうでございます」
「つまりこいつを使えってことね!!」
読む意味あんまり無かった気がするわね。
でも良い。迷いは無くなった。
「グギゲゲゲゲアギギギギギキ!!!!!!」
ブレングだったものが突進してくる。形状が更に変化し、巨大化していく。頭が遺跡にぶつかり、天井を壊す勢いだ。このまま成長?させてしまうとアタシら生き埋めになってしまう。とっととケリをつけた方がいい。
アタシはエクスカリバンカーを構え、トリガーの横にあったボタンを押した。
すると盾の短い縁の部分から光が溢れた。
『アーサー!!』『ラストナイツ!!』
「喰らえぇぇぇぇっ!!」
アタシは吠えながらその光の部分をぶつけ、もう一度トリガーを引く。
『アーサー!!』『バンカーストライク!!』
溢れた光がブレングを貫き、そして更に盾の杭がガゴォン!!という音と共にブレングの体へと撃ち込まれた。その威力は今までのものよりも遥かに高く、一気に全身に光のヒビが入るほどのものであった。
「グゲガゴゴゴゴゴゴ、ゴ、バ」
ヒビから溢れる光に包まれてブレングだったものの体が朽ちていく。何か腕を組んでいるが、何の意味も成さず、ただ光に包まれていく。
ドガァンという爆発音と共に、少しの間光の柱が立ち昇り、ブレングだったものとそれに取り憑いた影はパッと柱の中で消滅した。
結局その柱のせいで天井が崩れた。広場が一気に明るく照らされる。目が眩む。
「まぶしっ。てーか結局天井は崩れんのね」
「でございますね!!ですが見てください!!」
何か興奮した様子でアーチェが叫ぶ。
「光の柱が!!まさしく神の思し召しでございます!!」
言われて見てみると、天井を突き破った光の柱は天まで届く勢いで立ち昇り、青い空を眩く照らしていた。
「神の思し召しってのはわからないけど、まぁ、そうね」
それはそれは、とても綺麗だった。




