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5-3 転生後へようこそ!!

 ここに来て全く驚かされてばかりだ。自分のペースがどんどんどんどん乱されていくが、それでもこれは驚かずにはいられない。


「え?!貴方も転生者!?」


「そう。転生前は日本でに住んでて、転生したらコレ。全くびっくりだわよ。魔界なんてトキメク場所に飛んでくるなんて」


 目がキラキラと輝いている。が、それはすぐにくすんだ。


「……実際には生存競争ばっかでどーにも夢もクソもないんよ。腹立つっていうか嫌よ」


 そう言って何かをポンポンと投げてはキャッチしてを繰り返し始めた。


「前に行った人間界でこいつを見っけたのにアタシにゃ使えないし」


 ボールの如く使われているそれは、先日僕が手にした物であった。


「エクストラクター?」


「そ。アタシ的にはこれを使えば戦力になるだろうとは思ったんよ。それにほら、カッコいいじゃないのよ」


 サチはエクストラクターの宝石部分を指差して言った。また目がキラキラしている。


「これ!!宝石のとこから何かが出てくるようになってるのよ!!それに音声ギミックもカードとブレスレットのどっちにもあるし!!どこがどう動いてどう発展するのかとかすっごい気になるじゃないのよ!?」


「あー、その」


 全く気にならない、と言いかけたが、この調子だと、彼女はこういうのが生前から好きだったように見える。そこで変に否定すると面倒な事になりそうな気がした。


「そうですね!!」


 僕は自分の意見を曲げた。


「でしょ?それでこれを是非使いたい!!と思って。それでこの研究所を建てたの。色々魔界の金持ちをだまくらかしてね。……でも結局使えないまま。あーいいことないわー。全く無いわ―」


「私に会えた事がいいことじゃないですか?」


「言わせんなよ恥ずかしい」


「えへへー」


「うへへー」


 サチとクレスがニヤニヤと笑みを浮かべる。二人にとってはラヴラヴ空間か何かなのだろうが、コントか何かにしか見えない。


「私はそれが原因で姉妹喧嘩に発展しまして」


 それ、と指差したのは言わずもがなエクストラクターである。


「私が作ったマジックアイテムのシステムのせいでこんな物が出来ちゃったんだーってあの野郎」


 わなわなと指を動かして怒りを示している。


「それで出てってやったんですよ。クレアはどうでした?後悔してました?」


「……クレアは一言も姉妹が居るとかそんな事言ってませんでしたね」


「…………」


 しばしの沈黙。


「ま、まあ転生者如きにそんな事言っても仕方ないですしね。それで黙ってたんでしょう」


 多分そうでは無いのだろうという事は僕には理解出来た。もしかすると忘れているのかもしれない。妹のことを。そうだとしたら少々薄情が過ぎるという物であるので、とりあえずはそうでないと思っておくことにした。


「でもこれの何が悪いんですか?」


「まずデザイン」


「は?いいじゃん」


「良く無いですよ。ランダム生成だったから仕方ないのですけれど。真面目に言うとこいつは世界の法則を超えた力を発揮出来ちゃうんです」


 思い当たる節はある。


「まだこれだけならギリッギリOKです。でも他に同じようなアイテムが出て来た場合、下手すれば魂の管理者の立場も危うくなる。だからマズイんです」


「……アドミニストレータ権限を得られるバグが見つかったみたいな話でいいのかな」


「それそれ。話が分かりますね。でもアドミニストレータって単語は使わないで下さい」


 クレスは真顔で言った。


「なぜですか」


 僕の問いに彼女は暗い顔で答える。


「嫌な奴を思い出すんです。似たような名前なので」


 誰のことだろうか。全くわからないが、あまり知っても仕方ないような気がしたので、それ以上深く尋ねることはしなかった。


「で、あんたは使えるん?それ」


 サチが割り込んできた。


「まぁ、はい。それでもう少し使い方をーー」


「すげぇ!!やってやって!!」


 言い終わる前にサチが割り込んできた。


「アタシは使えないんよ。コイツもその辺は改良出来ないみたいだし」


「これは選ばれた者のみが使えるのです。それがウリであり、まだ世界のバランスを維持できている要因でもあるのです。あなたは選ばれなかったんだから仕方ないじゃないですか」


「何よ」


「事実です」


「ああ!?」


「んあ!?」


「待て待て待て待て待ってください!!このやりとり何度やるんですか!!」


「飽きるまで」「飽きるまで」


 二人がキラリと親指と人差し指で鉤括弧を作って顎に当てながら同時に言った。仲良いなホント。それだけはこの数分で嫌と言う程理解した。


「まぁいいや。とりあえず使ってみてよ。それやんないと何も分かんないでしょ」


「はぁ、まぁ、わかりました」


 僕は渋々ブレスレットを起動した。

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