4-5 登板<リリーフ>、ドラゴンフォース
『ドラゴン!!』
カートリッジが喋った。
「なんだ、これ」
「それは……聞いた事あんで。伝説の装備や」
アクト同様に呆気に取られていた魔王が言った。
「実在したのか……ほんまか」
「なんですコレ」
「あんさんが鑑定した通りやねん。人間化のブレスレット。魔物が使うと人間になれるって聞いたことあんで」
「……」
アクトはそれを聞いて考える。
いや、人間化というか、これは、何か別なのではないかと。
何故そう思うかと言えば簡単で、アクトは似たような、いや、全く形状は違うし、仕組みも違うのだが、それでも似ていると言いたくなるような物を見た事があった。
元の世界で。主に、家電量販店や、デパートで。
「………………えーーーーーーーい!!ままよ!!」
アクトは過ぎる考えを振り払いながら、ヤケクソになった。このまま何もしなければジリ貧である。自分が何かをしなければならない。
アクトはリリーフカードと書かれたそれのボタンを押した。
『ドラゴン!!』
そしてそのカードを、ブレスレットに装填する。転生前の記憶が、幼少の頃の思い出が彼の体を勝手に動かした。
『リリーフ!!』
すると、ブレスレットの宝石からドラゴンの顔がスライドして出現し、そしてどこからかBGMが流れ出した。
「ああ、もう、こういう奴か!!」
なんでこんな事に!!と心の中で叫びながらも、ブレスレットの宝石を強く押した。
『1番、ドラゴン、アクト・ヴァーディ。』
球場で聞く様なアナウンスが流れ、アクトの肉体がドラゴンへと戻り、そして改めて人間の形を取り、そしてその肉体から何かが飛び出す。服は何故か消えて全身タイツのような状態になっている。
「ビギャァァァァァッ!!」
飛び出したそれはアクトの背中で咆哮を上げた。
それは赤い鱗を模した、ドラゴンの形の鎧のようであった。そしてその形状は、アクトのドラゴン時のそれに酷似していた。
「えっと?これはどうすれば?」
アクトがジロジロとブレスレットを見ると、レバーが一本余っているのを見つけた。それをスライドさせると、宝石とドラゴンの顔が連動するようにスライドし、カードを隠す。
『抽出!!』
カードが完全に隠れたところでブレスレットが叫ぶ。
「え?なんて?」
アクトがブレスレットの方を見る。
『♪燃える炎を身に纏い〜紅蓮の力が湧き上がる〜!』
ブレスレットから響く音、否歌と共に、ドラゴンの鎧がバラバラに別れ、全身タイツとなったアクトへと纏わりつく。
「うわっ、うわっ、痛っ!!いや痛くは無いか!?」
ガチン、ガチンと音を立てて足に、腕に、鎧が装着されていく。
そしてアクトが後ろを振り向くと、ドラゴンの頭がパックリと口を開けている。
「わわわわわわ顔がぁぁぁぁぁ!!」
彼の頭にドラゴンが噛み付く。瞬間、ドラゴンの頭部が鎧となり、アクトの顔へと装着される。
「うへえ……びっくりした」
アクトの驚きを無視するように、ブレスレットは叫ぶ。
『♪ドーラーゴーンフォォォォォォォス!!』
ドラゴンの口にクリアパーツのゴーグルーーバイザーが現れ、アクトの目をを隠す。
「こ、これが伝説の……エクストラクター……!!」
魔王が唖然としながらも恍惚の声を上げる。
そこには、竜の鎧を装備した、アクト・ヴァーディの姿があった。




