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3-12 分岐点

 リンガはそう言うと首を傾げた。


「何のことですかぁ?」


「隠し立てしてもいいことないわよ!!」


 シーリアが首根っこを掴んで怒鳴るが、リンガの態度は変わらない。


「いやいやいやいやぁ、知らない!!本当に知らないですよぉ!?」


「本当!?」


「本当ですよぉ!!」


「……嘘を吐いているようには見えないね」


 アクトはリンガの汗の掻き方や目の動きなどを『鑑定』する事で、彼が嘘を吐いていない、本当に何も知らないという事を読み取った。


「とすると別勢力なのが確定する。……何が目的だ?」


「知りませんよぉ。いいからおろして下さいぃ」


 シーリアはリンガを投げ捨てるように離した。尻もちを付きながら彼は落下する。


「ぐえっ。もう、人間というのはなんと野蛮な……」


「アンタが言うな」


 と、リンガはふと顎に手をやり考え込んだ。


「……あー、そのぉ……レヴェル……聞いた事があるような」


「本当かね」


「死にたくないので今必死に思い出していたのですがぁ……魔王様の命を狙っている連中のリストにその名前があった気がしますねぇ」


「魔王の命を狙っているリスト……なんてあるの?」


 シーリアの疑問に、リンガは「当たり前だろう」と言わんばかりのドヤ顔で言った。


「魔王様は大変に優秀なので、その分大変に恨みを買っているのですよぉ。魔界にも敵が多くて。まぁ、()()()()()()()()()()なんですが」


「どういう事?」


 ハッとなってリンガは口を閉じた。


「あー、えー、そのぉ、魔王様はとてもお強いので」


 嘘だな、とアクトは思った。強いのは確かだろうが、リンガが「命を狙っても無意味」と言ったのはそれが理由ではない。


 が、そこを掘ってもどうにも進まないのではないか、とアクトは考えた。確かにペラペラと喋る男ではあるが、それでも根っこの部分では魔王に対する忠誠心を失っていないようである。


 実際シーリアが「どう言う意味よ?」と詰め寄っても全く口を割らない当たり、このアクトの見立ては正しいようであった。


「と、ともかく。確か、レヴェルというのはそーいう刺客のリストにあったと思いますぅ。でもそれ以上はわからないですぅ」


「となると、魔王に対抗するためにこちらの世界に進出している可能性も出てくるね」


 アクトは神妙な面持ちで言った。


「なら……一つ手はあるな」

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