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13-2 ローブの男はせせら笑う

「いやぁ参った参ったぁ。森の連中まぁだ追ってくるねぇ」


 黒いローブに身を包んだ男が軍勢の上で迷宮の森ラビリンス・フォレストの方を見ながら言った。


「戦力を割くのは危険なんだけど、まぁ仕方ないかなぁ」


 そう言って右手を上げると、ゾンビ達の一部が森へと戻っていく。既に一部齧られ一部刺されボロボロの肉体となっているゾンビ達は、文句も言わずに進む。


 ゾンビ達は彼の指揮に従ったわけではない。ゾンビは脳が文字通り腐った存在、裏切ることはないが、代わりにまともに指示を聞くことはないし、そもそも指示を理解出来ない。


 そこで彼は二段階の指揮系統を考えついた。ゾンビの群れに指揮官クラスの魔物をその中に紛れ込ませ、彼からはその指揮官クラスの魔物に指揮をする。指揮官クラスの魔物は、ゾンビ達を追い立てる、或いはゾンビを攻撃して自分から距離を取らせる等の手段を以てゾンビ達を誘導させる、そういう手を取ることにしていた。まどろっこしいとは感じていたが、自らのスキルを活用する良い機会であるとも思っていた。


「大量のゾンビを使うのは便利だけど、なかなか面倒でもあるよねぇ。……ま、餌にはなるでしょぉ」


 そう吐き捨てると火山の方へ向き直る。


「さて……連中はあっちの方かなぁ?アレが死んだから後はシーリアってのを追い出せば、まぁこっちの勝ちでしょぉ」


 黒いローブの男はふききと笑い声を上げた。


「そろそろレヴェルも起きるかなぁ。そしたら更に楽になるんだけどねぇ」


 チラとナクールの方を見るが、結界は剥がれていない。部下――正確にはレヴェルの――からの連絡も無い。特に動きが無いように見えた。


「まぁいいかぁ」


 ケンタウロス達はその量に圧倒され防戦一方、サラマンダー達も同様の状況である。


 全てはレヴェルと、いや、彼の思うがままとなっていた。


「ふききききききききき。次はあっちだぁ、覚えていたまえよぉ、ルフトのバカ共がぁ」


 黒いローブの男は苦々しくそう吐き捨てると、ゾンビ達に再び前進を強く命じた。ローブの中から覗く金髪が光に照らされてキラリと光った。

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