12-11 合流
何とかこの事実を伝えられないものだろうか。
僕は悩みながら、まずはある事を確認するために東へ向かった。
あの男の所で得られる情報はもう多分無い、というか、一番欲しい情報は手に入った。その裏付けが必要だ。彼が本当に彼であるという確認が。
――細かい話は省こう。結論としては、裏付けは取れた。僕の見た顔が僕の記憶通りの人間のそれである事は確認出来た。
後はこれをシーリア達に伝えたい。そして出来れば復活したい。が、あちこちウロウロしているけれど、クレアからの声掛けもなく、未だ僕はこの現世というべき場所に留まり続けていた。何故だろう。地縛霊にでもなってしまったのだろうか。
それはそれで別にいい。残された、シーリアの、彼女の手助けが出来るならば。
魂の体は結構動きやすい。疲れもしないから休む必要もないので、休み休み動いている彼女に追いつくのは容易だった。といっても一日くらいは経過したけれど。
彼女達はこの間フォーゲルを負かした火山に向かっていた。多分クレアと交信するためだろう。僕も後に続く事にした。
道中、彼女はずっと僕の死体を持っていてくれていた。もう魂の抜けた文字通りの抜け殻だというのに。扱いもすごく丁寧で、その、少しだけ嬉しかった。――死んだ僕に執着しすぎるのも問題な気はしたけれど。それに、僕の死体を持つときの彼女ときたら、普段ハツラツとした彼女とは思えない程しおらしく見えた。彼女らしく無い。
どうにかしたい。彼女の元気を、笑顔を、ふてぶてしく自信にまみれ暴力的な態度を取り戻したい。
そう思う度に体が重くなるような気がした。魂なのに。
そして今。
火山の頂上にクレアが降臨した。
「おーい僕だよー気付いてー」と言いながら彼女の周りをウロウロするが、全く気に留めてくれない。空から顕現してしまうと魂への干渉は出来ない……とかそういう感じなのだろうか。困ったものだ。
色々会話しているのを聞くと、やはり僕は復活は出来ないらしい。そんな気はしていたが、改めてそうだと言われるとなんとも悲しい気分になる。
だがなにやら希望が出てきたのはここに遡行する川があるかもしれないという話が出てきた所からだ。僕の体が転がり落ちた時はもう駄目かと思ったけれど、もしかすると助かるのかもしれない。
僕は迷うこと無くシーリアの横を通り過ぎて溶岩の中へと潜り込んだ。




