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12-7 希望の欠片

「……あああああ!?」


 アタシが悲嘆に暮れる声を上げている中、それを遮るようにクレスが叫んだ。


「なんですか姉さん……。こんな……ときに……」


 アタシを慮ってくれるのか、それとも一切の希望も無くなって彼女も絶望したのか、力無い声でクレアが尋ねた。


「あの溶岩の川!!もしかして!?」


 溶岩の川。そう言って彼女が指さしたのは、アクトの肉体が落ちた溶岩。


 何か水のようなもので目が霞む。アタシは腕でそれを拭い、焦点をあわせる。


 熱を放つドロドロの赤い水が流れるその川には、どことなく見覚えがあるような気がした。そういえば彼とここを歩いた気がする。数日も経っていないはずだが、随分と前の事のような気がする。


 彼と見ながらした会話を思い出す。サーラも居たときの会話だ。



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「マグマに魔力が流れてるのか」


「不思議なこってな、そのようなんじゃよ。山の奥に何か大きな魔力でも眠っておるのじゃろうかの」


「ふーん」


「山の奥ねえ」


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 魔力?


「クレア!!あれはどこに設置したっけ!?」


 クレスが興奮した様子で叫ぶ。クレアはついて行けていない。


「あれってなんですか」


「あれよ!! 『遡行する川(リバースリバー)』」


 その単語にはちょっとだけ覚えがあった。どこでの話だろうか。頭がぐにゃぐにゃで考えがまとまらない中、それでもクレスのテンションからして何か希望のありそうな話だからこそ、何とか記憶の引き出しを震える手で開けていく。



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「例えばあなたの起こした最悪のやらかしに数えられる『遡行する川(リバースリバー)』。あの魂の管理者の存在を揺るがしかねない、蘇生すら可能にする大チョンボは、私の方で『人の住まぬ地(ノーマンズランド)』を作ることでカバーした」


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 クレアもぼんやりとしていたが、アタシが彼女の言葉を思い出すと同時に、


「あれは、……あ、あれは……確か……。……あ」


 クレアはゆっくりと。


 自分のいる場所の下。


 火山そのものを指さした。

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