12-4 再登山
翌日。
「あぢぃぃぃぃぃぃぃぃんよ!!」
サチが絶叫した。
サラマンダーの村近くの火山へと到達したアタシ達は、火山麓で山頂を眺めた。相変わらず噴火寸前煙をもくもくと吹き出している。
「ここなら連絡が取れるかしら」
サチの絶叫を無視してアタシは尋ねた。
「恐らくは」
クレスが不安気に言った。
「連絡取ったのこの間のアレが初めてだったんで、正直わからないですけど」
「でも、今考えられるのはそれしか無いしね」
「ワシらもそういう事態にはどーにものう。すまんがあまり力にはなれん」
麓の村で事情を説明したところ匿ってくれたサーラが言った。
「とりあえず……恩人の……うむ、アレは、その、冷却縮小させてもらったが」
「助かるわ。……せめて埋葬するまでは、大事にしたかったし」
言葉を濁してくれたけれど、要はアクトの肉体を魔法で冷凍保存したという話である。その上で手のひらサイズのコンパクトに圧縮させてもらった。アタシはそれをギュッと、潰さないようにしながら握りしめる。
――こんなに、小さくなっちゃったのか。
火山に登る時も、彼は連れていきたい。埋葬するにしてもそれからにしたい。……クレアにすら打つ手が無いという時は、だけれど。
今のところ追手はここまで到達していない。ホスの村とも連絡したりサーラに話を聞いたりしたが、やはり同様のようであった。
「もう少しだから、急ぎましょう」
「え゛ー」
アタシが言うと、サチが不平を漏らした。
「あぢぃのはどーにかならないん?」
「魔法でなんとかすると良いぞ。後はエクストリームだったか?アクトが使っておったヤツを使えば良いじゃろ」
「アタシはそれが使えないから困ってるんよ!!」
「仕方ない。ワシが一応氷の鎧を使えるからそれで何とか耐えるが良い」
そう言うと彼女はサチに氷の鎧と呼ばれる冷気を身に纏わせる魔法を使った。アタシが登る時にも使って欲しかった。
「…………」
と、クレスが何か目を閉じて顎に手を当て唸っているのに気付く。
「クレス、何か考え事?」
問いかけても返事がない。
「…………」
「クレス?」
「あ、すみません。……いや……この山……なんかこう……見覚えが…………」
「アンタ魂の管理者だったんだから知ってるのは当然じゃないん?」
「そうかもしれないですけど、いやしかし、何か別の……理由があるような……。そう、確かに、魂の管理者としてアレコレやってる時の事だとは思うのだけれど……。この魔力の流れとか……何か……引っかかる……。そう、私が忘れたい何かがここにある気がする……」
「考えている暇はあるまい。ゴーシュから森が何か騒がしいという話が来ておる。お主らの追手やも知れぬ。今はまずその神様だか管理者だかに会えるか試すのが先決じゃろ」
サーラの言う事はもっともであった。
「そうね。行きましょう」
アタシは冷凍し函に閉まったアクトを抱え火山の険しい山道を登り始めた。後ろに、唸りながら記憶をひねり出そうとするクレスを引っ張るサチを従えながら。




