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死後の世界は人手不足 ―お茶と空手があれば何とかなる―  作者: 井上 正太郎
第ニ章 空手家、異世界冒険者になる
16/51

第14話 ゴブリンアタック

“お茶、空手”の続きです!

どうぞ!

第14話 ゴブリンアタック


 ゴブリンは頭が悪いが、悪知恵が働く。

 悪知恵が働くが、頭は悪いともいえる。


 仕事が終わった。この日は、3人の従業員と経営者こと、おやっさんとおカミさん。そして、蒼井隼人の6人で、食事をすることになっていた。

 シャワーを終えた頃には、テーブルに料理が並べられており、おやっさんは、新しいワインが開けられるので、なんだかワキワキしているようだった。

 全員が揃い乾杯で食事会は始まった。


 従業員の1人、リコは若い女の子だ。何やら、獣医になりたいらしく、子供の頃から動物が好きらしい。他の男二人も同じで、動物が好きらしい。

 そう言われると、別段、動物好きでもない蒼井は、気分が落ち着かなくなってきた。


 また、男2人のうち、シンジは「農業は観光になる」とも言っていた。牛乳からアイスクリーム等を自分で作ったり、体験型観光農業を考えているらしい。おやっさんも、フムフムと聞いていた。


 もう1人の男、レイは黙って聞いているだけで、自分の中の何かを見せることはしなかったが、無いわけでもないのだろう。『雄弁は銀なり、沈黙は金なり』といった感じだっだ。



 楽しい時間は、過ぎるのが早い。

 アッという間にお開きにとなった。


 しかし、皆、明日もここで仕事なのだから、空いた部屋に泊まるようだ。

 従業員が泊まることは珍しい事ではなく、仔牛の出産等、徹夜仕事もあるからだ。


 おカミさんが、リコを部屋に連れて行ったようだ。

 シンジとレイは、もうしばらく飲むようだ。となると、おやっさんも黙ってはいない。

 おやっさんが、手にしているワインについて、講釈を始めた。皆、ほどほどに酔が回っているようだった。


 しばらくして、蒼井は、席を立ち、台所で水を飲んだ。酔を覚ますためだ。とはいえ、たいして飲んではいないが、ここ最近、ゴブリンが徘徊しているようだし、不覚を取りたくない。

 蒼井は、今日中に、宿舎に帰るつもりなのだ。


 すると、やけに他の牧場の犬が吠えている事に、皆が違和感を感じた。

 

 次の瞬間、ガシャーン!

 ガラスが割れる音がした。


 かと思えば、丸太が落ちた音もした。

 ゴン、ガタゴト……


 なんだ?と言わんばかりに、おやっさんが窓から外を見ると、隣の牧場を無数のゴブリンが襲い、牛達を殺していた。

 ゴブリンにとって、牛の図体はデカイ。とても運ぶことが出来ないが、殺してしまえば、暴れない。細かく切り刻めば、1人で運べるよう小さくできる。骨などは要らないのだから捨ててしまう。

 

 それを見たおやっさんは、一気に酔が覚めた。

「ゴブリンだッ!」

 おやっさんも従業員達も、驚きのあまり理解できなかった。

 何故、今、ゴブリンが? ゴブリンが牛を襲うのは深夜で、今は、まだ日が沈んでから大して時間は経っていないはずだ。

 しかも、あんなに大勢で襲ってくるなんて、今まで、精々、5、6匹だったのに。


 そう、まだ、深夜ではない。しかし、ゴブリン達は決めていた。

 今日、すべての牛を頂くと!

 すべてなのだ。だから、とても時間が掛かる。

 ので、早目に襲撃したのだ。



 すべてだから、逃してはイケない。だから、この辺りは見張りを立てて、誰も出入り出来ないようにしているのだ。


 そして、邪魔な人間も殺しても良いと決めていた

読んで頂き、ありがとうございます。


名前の由来 

おやっさん 仮面ライダーのおやっさんから。

おカミさん なんとなく

シンジとレイ たまたま、碇シンジとアムロ・レイだった。

リコ 女の子だから“○子”だろう。

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