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神様の導きと私の何度目かの人生。  作者: 可愛い
第二部 第一章

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3/5

動き出す日常

よろしくお願いいたします。

翌日、いつものように清掃を行っている

二人きりの清掃。そう、私たちはいつも二人きり


なぜなら本来孤児院の子供たちは清掃や食事、お勤めが終わると簡単な学習をする時間がある

だが私たちは神職との読書き計算の問答の結果十分であると判断され学習に加わっていない


そして幼い子に教える教師役は不適格だと言われ一切の参加が免除されている

不適格な理由は告げられていない。でも私だけなら教師役として参加できるといわれたことがある


間違いなくそれが理由だろう

私は天秤にかける必要もなく兄と過ごすことを選んだ


二人だけで過ごせる時間が増えるのは嬉しかった

この件には院長は口出しをしてこなかった


その判断をむしろありがたいと感じた


やることは特にない。ただただ毎日自由に一緒に過ごすだけの時間

話すことも特になく私が話しかけても兄は相槌を打ったり微笑むだけ


私は寡黙な兄を見ては弟の配慮と優しさを感じ

微笑む兄を見ては弟の私に対する愛情を感じる


そして些細なしぐさを見ては弟の内面を感じ喜ぶ日々

私が望んでいた幸せの一つの形かもしれない


だから弟が昔のように快活でなくても構わない

弟が兄と言う殻に閉じこもっていても構わない


なぜ弟が変わってしまったのかも

どのような理由でそうなったのかなど神のご意思の前では全くの無意味だからだ


私たちは今度こそ決められた道を歩むだけ

そして新たに示された道を生涯をかけて切り開くだけ


そう、二人の幸せのため。二人だけの家族となるために


清掃の途中で院長から珍しく声を掛けられる

宗教都市から来る神職の為に追加の準備を行うので手伝うように言われたのだ


スキルの確認は院長が執り行うと思っていたのだが違ったようだ

三人で準備を行う。準備が終わったころに騎士のラデクさんがやってきた


「ロッテ・・おっと院長、先触れが来たぞ」

私たちを見つけ照れた顔で言い直すラデクさん


たぶん二人は気づいてないんだろうけど

二人が名前で呼び合っているのは公然の秘密となっているのだ


「あと、懐かしい顔が来るらしいぞ。おどろくなよ」

と付け加えている


懐かしい顔?ハッとして私は直ぐに兄の表情を伺う

特に変化は無い


聞こえていなかったのだろうか?

「おまえら、緊張しなくてよいからな」


「スキルなんて無くて当たり前、あったら儲けもんだと思えよ」

と言ってラデクさんは快活に笑いだす。私たちが緊張してる様に見えていたらしい


私が緊張?警戒心が顔に出てしまったのだろうか?

兄に変化は無いように見えたけど・・ラデクさんには違って見えたのだろうか?


「騎士ラデク、儲けもんと言うのは感心しませんよ」

すまない、すまないと言うラデクさんの言葉を聞きながら再度兄の顔を見る


変化はない。兄の表情に変化は無い

大丈夫。彼らがあの女の知り合いとは限らない


そう、大丈夫。弟の心も穏やかなのものに違いない

私は息を吐きだす。何度目だろうか弟を見て自分の心の弱さを知るのは・・・


「さあ、汚い言葉が移る前に身だしなみを整えに行きましょう」

院長の掛け声とともに神殿騎士を残して私たちは礼拝堂を後にするのだった

お読みいただきありがとうございました。


無断転載禁止。翻訳も禁止。

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