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いずれ公爵の男爵 〜今度の人生は努力する〜  作者: 三者凡退
宮廷魔術師編

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希望の光

 「ねぇねぇヴァル。波の何が関係があるのさ。」


 「えーっとね。とりあえず読んでみよう。」


 一枚、一枚をペラペラと捲っていく。


 (やっぱり...。俺が期待していた通りだ。)


 (魔力が動いたりすると波が発せられるんだ。)


 「やっぱりだ!!エリシア!これは革命だよ。」


 きょとんと首を傾げる。


 「でも、波を発するっていったって何ができるのさ。ただ動力を伝えられるだけなんじゃないの?そもそも魔力は空気中を伝わないし。」


 「空気中を伝うようにすればいいんだよ!!さぁ早速制作に取り掛かろう!」


 実験テーブルの上に紙を広げる。


 「空気中を伝うようにってどういうことよ。そもそも、どうやってやるのよ。」


 「まぁ待てよ。まず、あの本に書かれていたように魔力の波の振動を伝えるのは魔石とかの魔力が込められていたものや込められているものだろ。」


 「うーん。まぁね。それでも無理じゃない?」


 「確かに一見無理に見える。けどここで一つ思いついたのがある。魔力が可視化するメガネを作るにあたってね。」


 「そ、それは?」


 「魔力を光にする。」


 「魔力を光に...。」


 「で、でもどうするの?」


 「それを模索かな。とりあえず魔力結晶をスライドガラスにしてそこに光線を通貨させてみて考えようかな。」


 「じゃあそれから試してみよ。それで無理だったら魔力と光についてを文献から探すしかないわね。」


 適当な魔石を取り出す。


 「そいや。どう作るかも味噌だよね。魔石には薄くすると透過する性質がそれを使ってやるのもいいし、魔力分子を混ぜたのをガラスに混ぜてガラスを作るのもいいね。」


 「そうね。どちらでも行けそうな気がするわ。でも前者は濃く偏りがある。一方後者は薄いが偏りが少ない。どっちもどっちね。濃い上位の魔石を使ったら後者の欠点は解決できそうね。」


 「じゃあ第一案でやってみよう。第二案は後で考えよう。」


 「そうね。じゃ、始めましょう。」


 魔石を裁断機で切る。破片がキラキラと反射しながら飛び散る。


 しばらくして直方体に整形できた。


 「さて、こっから薄く切りたいけどどれくらいの厚さが適切かな?」


 「んー。厚すぎて光を通さないのが1番良くない気がするけど、薄すぎるともし仮説が正しかったとき伝達が遅く悪くなるから、できるだけ厚く切るのがいいと思うわ。」


 「おっけ。じゃあそんな感じでやってみる。」


 裁断機が再び唸りを上げる。


 厚さ1cmくらいに裁断したのをエリシアに渡す。


 「どうかな。これくらいだと良さげな気がするけど。」


 「まぁ。わからないし、やってみましょ。あ、でも先研磨よ。」


 「あーたしかに。濁ってるし平面じゃないしね。」


 研磨機に300番のディスクを乗っける。


 研磨機からモーターの振動が聞こえる。


 1000,1200、2000,3000。


 「よし。結構丁寧に磨いてみたよ。」


 「よくそこまで磨けたわね。こんなの大概2000でいいのにねぇ。」


 「まぁそこはこだわりってことで。」


 「はいはい。じゃあやってみるわよ。」


 窓のカーテンを締め魔力灯を消し実験室を暗くする。


 「じゃあ行くわよ。」


 魔力灯から光が放たれる。それは研磨された魔石が貼られたスライドガラスへと吸い込まれる。


 光源とは反対に位置する天井を見上げる。


 そこには様々な色が現れキラキラと光っていた。


 「きれい...。ヴァル、ほら。」


 「うん。やってみよう。」


 魔力が失われた魔石を置く。


 するとみるみるうちに魔石は色を取り戻していく。取り戻していくと同時にスライドガラスの魔石は色を失い最後に透過性が消えると同時に灰色の石へと変わった。


 「魔力が置換した。」


 「えぇ。魔力は光で動くのよ!」


 「まさか。本当にこの仮説が...。」


 (まじかよ。まさかとは思ったけどこんなんでも魔力って伝わるのかよ。)


 「じゃ、じゃあヴァル。これはもうできたも同然だね。」


 「そうだね。じゃあもう早速制作に取り掛かろう。」


 ——


 予想と反してメガネは作れなかった。


 魔力のスライドガラスから発せられる光の性質を未だに解析できていないヴァルらには魔力の多さや濃さを数値化できるメガネは難しかったようだ。


 しかし、その一方で魔力を魔力線無しで伝える方法を編み出した。


 それは今まで定説であった魔法回路は二次元だけだったのを三次元へと移行させた。


 ——


 この実験室であったことは二人が逝去するまでの間何もわからなかった。しかし、彼らの死後日記の記述で判明し、ここから変わったのだと世界に伝わった。魔法回路の歴史の転換点であった。


 ——


 「これはこれですごいわね。点検だとか伝令だとかがボタンひとつで解決するのだもの。」

 

 「確かに。これはこれで情報伝達に役立つね。光だから反射とかも使って伝達ができるしね。ま、でも光の性質を観測するまではあまり信用できないね。」


 「そうね。とりあえずは制作じゃなくて実験と研究に没頭する生活になりそうね。」


 「まぁとりあえずなにか出さないとレイモンドにこれは提出しよう。」


 「えぇーー。この技術盗まれたらもったいないわよ。せめて誓約書を書かせましょ。」


 「確かにそうだね。そうしよう。」


 (これからは研究に没頭することなるだろうが、とてもやっていて楽しい。前世の勉強とは大違いだ。)


 (この世界ではしっかり努力している。)


 (大丈夫だ。この調子で行けば俺は多分報われて幸せになれる。)

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