職場・下
結構、続けてきてるんでご褒美も兼ねて感想を書いてってください。おねがいします。
あれ以来タイプライターは公認された。
タイプライターは革命だ。どんな仕事も手書きが1番遅い。ポチと押すだけでコンマ1で文字が打たれる。これなしでは作業はできない。
おかげさまでオズヴァルドから課される仕事は手書きでえ24時退社のところを定時退社できるようになった。便利さとは革命だ。
同僚からは妬みの視線。彼らは必死に手で文字を書いてるのだ。
(なんとも非効率なものだ。)
もちろん数日も経てば噂としてタイプライターの話は出回る。
「ヴァレリウス・シルバリオン。いるか?」
こんな風に訪ねてくるのも珍しくない。
「これはこれはレイモンド殿。本日はどのようなご要件で?」
へこへこと低姿勢で話しかけるオズヴァルド。
「ヴァレリウス・シルバリオンを訪ねに来た。どこにいる。」
「あんな低俗なものに何の用があるのですか。」
「低俗かどうかは俺が判断する。で、どこだ。」
「そうですか。ヴァレリウスはあちらです。」
オフィスの角を指す。
こつこつと革靴の音がする。
「ヴァレリウス・シルバリオンはそなたか?」
「はい。ヴァレリウス・シルバリオンです。何かなさいましたか?」
「あぁ。でもまずは自己紹介からいたす。レイモンド・アークレインだ。アークレイン侯爵の分家の当主だ。今は魔道具科で最高責任者をやっている。」
(最高責任者!!えぐいのが来たな。)
「それはそれは。最高責任者とは知らず無礼を。」
「構わない。」
立ち上がってお辞儀をする俺を右手で静止させる。
「それで。何の御用で?」
(まじで何なん?)
「あぁ。魔道具科で噂になってるそなたが開発した魔道具について話を聞きたいなと思ってだな。」
「そうですか。何から説明いたしましょうか。」
同僚やオズヴァルドがあまり好ましくない目で見てくる。
「それを作るときの動悸、過程、完成の説明をしてもらいたい。」
「はい。わかりました。」
椅子に座りタイプライターを実際に使いながら口を開く。
——
「なるほど。確かにちゃんとそなたの作業の進行を豊かにしておるな。それは真っ当な魔道具だな。お前の上司や同僚があまり良く思っていないだろうがあまり気にするな。」
「ありがとうございます。」
顎に手をあてる。
「にしても、そなたは内の開発部より優秀である。いっそ転身してみないか。」
(転身?!)
それは待ち望んでいた言葉であり、この地獄のような労働からの解放の宣言でもある。
決して終わらないわけではない仕事の量、しかし辛い仕事、職場の嫌味な人間関係。初日から一ヶ月ほど感じていたものが込み上げてくる。
「ちょ!それはちょっと無理ですよ。」
口を開いたのは俺ではなくオズヴァルドだった。
ガタッと椅子から立ち上がらる。気に入らない会話を聞いていたときにそんな話が出るのはたしかに面白くないだろう。
「なんだい。君は彼がいないと回せない部署づくりにでも励んでいたのか?元はヴァレリウスくんやエリシアさんなんかはいなかっただろう。」
「そ、それは。別にうちの部署はそいつがいなくてもま、回せますよ!」
「そうか。そうか。じゃあエリシアさんも転身させるから。」
「えっ!!そ、それはもっとだめ、、問題ないです...。回せます。」
(気持ちの悪い。中年のおっさんが七歳の少女に手を出そうとするなよ。たしかにこの部署にエリシア以外いないけども。)
「じゃあエリシアさんもそれでいいかな?」
「は、はい!問題ないです。」
「じゃあオズヴァルド。明日からこの子達は転身なので。書類もここにまとめてあるので明日までに記入を頼みます。書かないとややこしくなるからな。」
「は、はい。済ませておきます。」
駆け足で書類を受け取り自分のデスクへと戻る。
(無様だな。とてつもなく。しかしまぁ。とてもありがたい。)
「くそ!!なんであいつが!!」
万年筆を紙に押し当て憤る。インクが滲み出る。
「俺でさえなれなかった宮廷魔道具開発部門で働けるだなんて!」
「あんなやつ!しかもエリシアたんまで!!持っていきやがって!!」
落ち着きを取り戻しヴァルの書類を書き上げる。
エリシアの書類に手を伸ばし机に広げる。
万年筆の先を枠内に入れサインする。
使用期間の部分に差し掛かる。
「あ、そうだ。こうしてやろう。」
「こ、こうすればエリシアたんは俺のものだ!!」
(やっと解放された!!ここまでくれば俺の自由気ままに研究ができる。)
「そんな顔するなんて。まるでこれから自由に研究する人みたいな顔だわね。」
「あぁ。そうかい?までも実際そうかな。」
「まぁ私もよ。やっとあのきしょいおっさんから解放されるんだもの。嬉しいものだわ。」
「ははは。そうか。」
「ヴァルもお疲れ様。今まで、みんなの仕事、部署の八割の仕事を処理してくれてありがとね。」
「え!?あれそんな分量だったの?」
「そうよ。ランチのときあのげすおっさんが自ら話してくれたわよ。しかも誇らしげに。」
「まじか。」
「それに逆にそれが今の結果かもしれないわね。」
「あぁ。確かにそうかもしれないね。」
魔道具開発部のオフィスを見上げる。
「さて、一緒に頑張るか。」
「そうね。日記も再開よ。頑張りましょう。」
(そうだ。頑張ってやる。前は酷かったけど。今回は大丈夫そうだ。)
(ここでもちゃんと努力してやる。後悔しない人生を送るために。)
あらすじが終わってるので書き直そうと思ってるんですが、感想で一章を総括したあらすじ案を書いてくれるとうれしいです。どんな風にこの作品を捉えてるかもわかるので。




