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いずれ公爵の男爵 〜今度の人生は努力する〜  作者: 三者凡退
幼少期編

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謁見

ちょっと分量が減りましたね。ごめんなさい。

 ローデリックが頭を抱えながら睨んでいる。


 その原因は他でもない、「銃」についてだ。


 「それでだ。どこでこの着想を得た。」


 睨む。


 「えーっと。僕が思いついたのをエリシアと作ったといいますか。なんて言いますか。」


 「はぁ。そうか。」


 でかいため息をつく。


 予想は着いていたんだろう。


 「しかし。実は今回俺はお前らを試していたんだよ。」


 「「え?」」


 「だって。どこのどの教師が入学して一週間の生徒に魔道具を作らせるんだよ。元より期待してなかったし、失敗に終わっても評価に込ませるつもりはなかったんだよ。」


 「「え。」」


 (まじかよ。この教師。)


 「でもSクラスが作った魔道具だ。国王に報告しないといけない。」


 目が鋭くなる。


 「それで本当にこの銃の提出でいいのか。」


 (国王?!!)


 「国王だなんておこがましい。そんなことは。そもそも大した魔道具じゃないですし。」


 「いいじゃない。国王に見てもらいましょ。」


 (この女ー。何言い出す。)


 「ところでもう一個聞きたいことがあるの。ローデリック先生。」


 「なんだ?」


 「なんかー魔力線が勝手に発現しちゃうんだよねー。気のせいだと思うんだけど。」


 「んー。そんな話は聞いたことないなぁ。多分きのせいだと俺も思うよ。」


 ローデリックが顎に手を当てながらエリシアの質問に答える。


 「そうですか。やっぱりきのせいですよね。」


 


 後日。


 謁見の間。


 (なんでここにいるんだ俺は。)


 「そなたらがこの魔道具を開発したものか。」


 「はい。」


 エリシアが自信満々に答える。


 (こいつなんでこんな受け答えができるの??)


 「ほう。」


 玉座に座る王は、差し出された銃をゆっくりと見下ろした。


 装飾は少ない。実用一点張りの造り。だが、その無骨さが逆に異質だった。


 「見たことのない構造だな。」


 「はい。魔力を込めることで内部の魔法回路が作動し、弾丸を射出する仕組みとなっております。」


 エリシアが淀みなく答える。


 (いや、なんでそんなスラスラ説明できるんだよ……。)


 「ふむ。試してもよいか?」


 「もちろんです。」


 即答。


 「ちょっとお待ち下さい。」


 ローデリックが一歩前に出る。


 「陛下。安全のため、使用は屋外で——。」


 「構わん。」


 短く遮る。


 「ここで見たい。」


 空気が張り詰める。


 近衛騎士たちが一斉に動き、壁際に的が設置される。


 「誰が撃つ?」


 その問いに、一瞬の間。


 「私が。」


 シエルが静かに進み出る。


 ざわり、と周囲が揺れた。


 (頼むぞシエル。)


 (念の為試し打ち要員として連れてきて良かった。)


 銃を受け取り、構える。


 無駄のない動作。呼吸すら乱れない。


 「発射いたします。」


 次の瞬間。


 乾いた音が、謁見の間に響いた。


 的は容易く貫かれ、その後ろの石壁にひびが走る。


 「……ほう。」


 王の目が、わずかに細まる。


 「威力は十分、か。」


 「ありがとうございます。」


 エリシアが一礼する。


 「では、連射は可能か?」


 (来たな)


 「可能です。魔力を再度流し込めばいいのです。」


 王が姿勢を変えエリシアを見据える。


 「私はまず魔法の革命だと感じた。しかし、今は戦争の革命だと感じている。」


 「はい。」


 エリシアが目を据えて国王を見る。


 「この魔道具は軍にも採用できるか?」


 「はい。わたしたちが開発したケベール・一式は誰にでも扱える代物です。しかも魔法回路は一つだけの構造が単純なので量産が可能だと思います。」


 「そうか。君らは今歴史に名を刻んだ。その名はこれからの戦争で民を苦しめるだろう。」


 (つまり、軍に採用するってことか。)




 「ときに君たち、ヴァレリウスとエリシアは神童と聞く。」


 「そこで提案がある。魔法学校などやめて宮廷魔術師として勤めてみないか?」


 (宮廷魔術師...。)


 「魔術師からしたらいくらでも研究ができる天国のような称号だと聞くが。」


 (確かに研究者にとって環境は命だ。それがなければなにもできない。)


 (しかし、宮廷魔術師は王国のために貢献するもの。もしやらかせばその責任は計り知れない。首を物理的にはねられる可能性だってある。)


 「「受けさせていただきます。」」


 間がまたざわめく。


 「じゃあ決まりだな。」


 不敵な笑みを浮かべた。



 

 「はぁーーーーーーーーーー。なんともエグかったなぁ。やっと休める。」


 寮の部屋に戻ると肩の力が一気に抜けた。


 「そうでございますね。でも、宮廷魔術師なんてすごいですよ。」


 (あのおっさん。まじでエグいな。なんか俺らのこと見抜いてるようだったし。)


 「まぁ、すごいのは良いんだけどさぁ。俺一応嫡男なんだよねー。そこら辺どうするんだろ?」


 「後継ぎがヴァル様しかいない今それはありますね。」


 「そういえば実家のほうからヴァル様宛に手紙が来てましたよ。」


 「じゃあ読み上げて。」


 「承知しました。」


 「ヴァレリウス・シルバリオン殿へ

学校での生活はどうですか。問題なく送れていることを願います。さて、こちらにも変わったことが一つあります。ヴァルに妹ができました。この手紙を出す一日前に生まれました。母子ともに今のところは健康です。ヴァルが卒業するころには王都へ行きますのでお願いします。」


 (え。妹??)

ここらへんで区切ろうと思います。今度の土日に書留を始めます。しばらくお休みです。


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