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スターリングラード陥落

ちょっと間があいてすみません。

ハイファンタジーが書きたくなって構想と下書きしてたらこっちがおろそかになってました。

エタってたわけではないのでお許しをprz

1943年2月14日 ソ連 スターリングラード


 ドイツがソ連に対して前年から戦い続けていたブラウ計画が完全に崩壊しました。

 第6軍のパウルス元帥はスターリングラードで包囲された結果10万人以上の兵士と共に降伏。

 南方の石油油田を目指していた第2集団もソ連自ら油田に火を放った焦土作戦により、石油の確保ができず撤退することになりました。

 都市戦では港を基点とした海路での輸送が米国のレンドリース艦隊により完全に封鎖されていたためスターリングラードへの補給戦は空輸に頼らざるを得ませんでした。

 食料・衣服等の生活消費物資と武器弾薬燃料の戦闘消費物資の輸送配分が僅かに生活物資に優先されたことにより武器弾薬燃料の備蓄が危機的状況を突破し、内側からの開囲も不可能な状況になりました。

 かといって季節は1月、生活物資を少しでも減らせば凍死・餓死が見えていました。

 パウルス元帥が10万人もの兵士を連れての降伏に陥ったのは大きな理由がありました。

 その1つは叔父さんからの死守命令です。

 兵士が全てを捨てて、逃亡するように戦場を離脱すれば10万人のうち1万人程度は生きて戻れるかもしれません。

 しかし逃亡するドイツ兵という姿をソ連軍に見せた場合、現状維持できているソ連軍への士気低下効果は失われるでしょう。事実この戦いのあとジューコフ将軍が強調したのは、我々でもドイツ軍を後退させることができたという一言です。「キルレイト・自軍の損害」すべて無視して、ドイツ軍を後退させることは可能だと声高らかに歌い上げたのです。

 そして東部戦線はこれ以降全線にわたってドイツ軍に対する圧力が強まるのです。

 「彼らに可能なら君らでも」これが全ソ連兵への合言葉になります。

 彼らに可能なら君らにも…可能で出来ないなら怠惰によるものだから君らは銃殺…という意味がこめられたのではあるのですが、ソ連軍の士気低下が収まってきます。

 そしてパウルス元帥としてはソ連が戦時条約を結んでいない。(特に捕虜に関する条約が未締結)という点を重要視するしかないでしょう。

 普通に考えれば捕虜としての権利のない敵への投降は自殺行為だったと思います。

 しかし現場を考えると1000や100なら虐殺されるでしょうが、10万人ならばどうでしょうか?

 継戦能力を維持した10万人の集団は戦闘能力のなくなった10万人とは違って敵も配慮が必要になってきます。

 そこから先は交渉しだいで10万人を戦場離脱させてドイツ軍神話の凋落を最小限に抑える方法としてパウルス元帥は降伏を選んだのです。

 もちろんその多くは生きてドイツに戻れないことは理解していましたが、東部戦線で戦う友軍のイメージによる負担を最小限に抑えるために、高級将官は全員拷問覚悟での降伏を選択したのです。

 しかし簡単にいう10万人という捕虜人数の数は半端ではありません。

 ダンケルクのダイナモ作戦で脱出した英国軍が13万人、仏軍が10万人です。

 このときの仏軍と同じ数だけの兵士を失ってしまったのです。

 ドイツ軍は予備兵力を全部投入しなくてはならなくなるでしょう。

 ならば降伏した10万人を統帥して可能な限りソ連軍の邪魔をする必要があります。

 降伏すれば先を待っているのは絶望と苦痛の日々

 それでもドイツ参謀上がりの軍政家であるパウルス将軍は軍人としての義務にのっとり降伏を選択しました。同時に24人の将軍が9万6千人の兵士と共に降伏しました。

 退去時に2万5千人もの傷病兵を空軍輸送を得ることで後方に送り返せたことは最初期の交渉結果でした。

 続いては第6軍捕虜10万人による雪中行軍でのデスロードが待っていました。

 でも少なくともソ連軍と同量の食料を入手できる条件で、徒歩ではありますが戦場を離れたのである。

 目標とされた収容所への行軍に遅れれば射殺されましたが、都市戦で力尽き10万人の虐殺死体になることを考えれば正解だったといえるでしょう。

 パウルス元帥が将軍達を通じて指揮命令を維持して集団行動を続けることができたのは、この降伏によるものでした。

 この行動は第6軍のみならず東部戦線にとっての最悪の惨敗をマシな敗けにとどめさせたパウルス元帥はとんでもない戦果を挙げたのですが、歴史上評価されることは無いでしょう。


 勝ったときの評価でなく敗戦処理をうまく処理できたとしてもその評価はされることはありません。

 雪へ深い足跡を刻みながらパウルス元帥は舞台から去っていきました。


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