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始まり-エンバー
卵の時から小さな小さな子でした。
母鳥が不思議に思って巣から捨ててしまった小さな卵。
これから世界が崩落していくとも知らずに、呑気に欠伸をしながら殻を破ってしまった子。
生まれて数日たつと、崩れ燃えていく世界が小さな体を眩しく照らし、羽ばたくこともままならないその体をジクジクと傷つけていきました。
小さな体は洞穴の中、ひっそりと震えて暑さと空腹を耐え忍んでいました。柔らかい羽毛は炎の色に染まり、灰にさらされ、くすんだ赤へと変えられていく。
子を捨てた母鳥は灼熱の火の中、どこの誰にも届かない悲鳴が焼き消えていきました。




