表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/24

お姉ちゃんのアドバイス



先輩から沙弥さんについての話を聞きながら歩いていると話が終わるのと同じくして家に着いた。


いじめの解決手段に暴力を使った事。


それが原因でカヨさんや沙弥さんに迷惑がかかった事。


引越して誰もその事を知らないこの街へやって来た事。


その話の殆どが私の知らない先輩で、先輩の事をより深く知れた事、そんな大事な事を私に話してくれた事がどこか嬉しい気持ちにさせてくれた。


でも.........それでも少し胸が苦しくなった。


「送ってくれてありがとうございます。」


「あぁ、じゃあまた明日な。おやすみ。」


「おやすみなさいです。」


手をひらひらと振りながら帰っていく先輩を見送ってから玄関の扉を開けた。


「ただいま。」


「あ、姫おかえりー。遅かったね、もしかしてデート?」


「......うん。送ってもらった。」


「そっかそっか。ご飯出来てるから着替えておいで。」


「うん。」


お姉ちゃんはそう言うと台所の方へ戻って行った。


両親は共働きで殆ど家に帰らないから料理や掃除、洗濯はだいたい私とお姉ちゃんで分担している。


今日、本当は私が夕食当番だったけど、どうせ暇だろうとメールして変わってもらった。


そのおかげで初めて先輩の家に行くことが出来た。今度お姉ちゃんには何かお礼しないと。


二階にある自分の部屋で服を着替えて一階へ戻るとお姉ちゃんは椅子に座って食べるのを待っててくれた。


「おまたせ。」


「うん、それじゃ食べよっか。」


「「いただきます。」」


「で、どうだったの?」


「...なにが?」


お姉ちゃんからの問いに箸を片手に首を傾げる。


「だからデートよ、デート。彼氏君とどうだったの?」


「......別に。」


「別にじゃないでしょお。いつもなら彼氏君と一緒だった後はニヤニヤしてるのに今日はちょっと暗いし、何かあったんでしょ?」


「......ニヤニヤしてないし。」


「してるの!...それにね。私は姫のお姉ちゃんだから姫に何かあったら顔を見ればひと目でわかるわ......まぁ、話したくない事ならしょうがないけれど、たった3年でも人生の先輩だからアドバイスくらいなら出来るわ。」


「.........相談......乗ってくれる?」


「もちのろんよ!」


グッ!と親指を立てるお姉ちゃん。


あまりこういう事で相談をする事は恥ずかしくてなかったからやる気満々だ。


「今日、先輩の家に行ったの。先輩は両親を5年前に事故で亡くしてて、カヨさんって人が引き取ってるんだけど、話してたら先輩に妹がいるって分かって......。」


「妹?......義理?」


「うん。」


「あらら。」


「その妹が私のクラスの子ですっごく可愛い子で......。その上先輩の事...たぶん好き......なの。」


「んー......つまり嫉妬?」


「ちがっ.........わない...かも。」


「んー、まぁ、嫉妬しちゃうのはしょうがないわよね。姫、彼氏君の事凄い好きだし。」


「..................うん。」


「あら可愛い。でも、そうねぇ。義理の妹......かぁ。参考までに聞くけど姫は彼氏君とどこまでしてるの?」


「......おんぶ。」


「また妙なところから攻めたわね。太ももタッチを強制させる有効手だけど。じゃあキスはまだなの?」


「.........うん。」


「もう半年でしょ?ちょっと遅すぎない?」


「先輩、ヘタレ...。」


「あはは。姫の事大事に思ってるからこそだと思うけどね。でも、だからこそ姫からするっていうのも一つの選択肢だからね?待つだけじゃなくて私はこういう事をしたいって明確にしとかないと。」


「そんなの恥ずかしい!」


「お姉ちゃんから言ってあげようか?姫はもっと積極的にラブラブして欲しいって。」


「言ったら絶交だから。」


そんな事をされたら次からどんな顔して先輩に会えばいいのか分らなくなってしまう。


「あはは、冗談よ。」


「...でも......そろそろ...キス、したい。.........じゃないと取られちゃう...。」


沙弥さんに会ってからずっと抱いていた不安。


言葉にした途端に目からは涙が溢れてしまった。


「取られちゃう?彼氏君を?」


「だって、沙弥さん先輩の事好きだし先輩もまんざらじゃないし...。」


「もう、姫は心配しすぎなのよ。こんなに思ってくれる超絶可愛い彼女がいて他の女に移るなんてないわよ。」


「でも......一緒にお風呂入ってるって...。」


私の言葉が終わると同時、お姉ちゃんは持っていた箸をカランと落とした。


「.........え、お風呂?姫と同じクラスって事は妹ちゃん高一でしょ?」


「うん。」


「くっ、妹ポジ使ってかなり攻めてきてるわね。辞めて欲しいって言ったの?」


「...ううん。兄妹で入るのはダメな事じゃないし、いつも入ってるみたいだから言えなくて......。それ以上の事をしたら別れるって言った。」


「もう、姫は優しぃなぁ!!よしっ、ならお姉ちゃんがアドバイスしてあげよう!」


「......どうすればいい?」


「彼氏君、家に呼びなさい。」


「え?」


「だから家に呼ぶのよ。彼氏君の家だと妹ちゃんのテリトリーだからこっちに彼氏君を呼びなさい。」


「でも、家になら何回か来てるよ?」


「何言ってるの?私が言ってるのはお泊まりよ。」


「.........えっ?!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ