これでも越します。
「ふぅ‥‥」
あれからモップを無理矢理兄貴から奪い、綺麗に拭き込んでいった。
垂れてきた汗を拭い、部屋を見渡す。
「‥‥うん、中々綺麗じゃん?」
窓ガラスは新聞紙で拭いたおかげでピカピカ。僕の机の上にあった紙類や、ゲーム機、そして散らばっていた色鉛筆等はちゃんと整えてしまうべきところにしまった。
もちろん机の中も、いる物といらない物に分け整理整頓をした。
そのおかげで、机のなかは光輝いている。目が痛くなるくらいに。
「‥‥僕の机って、こんなに広かったっけ?」
掃除したあとのベタな台詞を吐き捨てて、掃除用具を片付けに自分の部屋から出る。
ふと、二階につけられている窓を見ると、もう日が暮れていた。
人間集中すると時間を忘れる。そのため、大事なことさえも‥忘れる。
「‥‥やべ。今日年越し蕎麦にしようと思ってたのに」
材料が、ない。
僕の今日の1日でのスケジュールは、朝早く起きて自分の部屋の大掃除をする。そして、少し家の中も綺麗にして、洗濯物干して‥‥そして、買い物に出掛け年越し蕎麦の材料を買いにいくというものだった。
が、それは一気に壊された。
今から家の掃除、そして洗濯物‥‥どう考えても間に合わない。
「はぁ‥‥今日はコンビに弁当で年を越さなくちゃならないな」
そう一言呟き、肩をがっくりと落としつつ家の掃除にとりかかった。
そのあとも洗濯物やら、まさかの皿洗いまで。昨日洗うのがめんどかったので、今日に回したのをすっかり忘れていた。
そして兄貴のせいでまた自分の部屋が汚くなっていることに気付き、もう怒る気も起きないでそのまま無言で片付けを始めた‥。
そんなこんなですが、これでももう少しで、年を越します。




