32/41
焦がれる
あたしは同級生のとある男子に恋い焦がれている。
その男子は生真面目で不器用。
名前はわからない。
確か、同級生の友人が高橋君とか教えてくれたっけ。
高橋君は目付きは悪いけど根はまっすぐだ。あたしに無言で授業中に消しゴムを貸してくれた事がある。
あ、意外といいやつだ。
素直にそう思った。
そもそもあたしの消しゴムが無くなりかけていた。
それに気づいた高橋君は何も言わずに片手をつき出して消しゴムを差し出す。
あたしも驚きながらも受けとる。
後でお礼を言ったらどもりながらも「どういたしまして」と返答してくれた。
それが男子ながらに可愛くて。
ぶっきらぼうだけどなかなか良いところあるじゃない。
そう思った時には恋に落ちていた。
高橋君、今日はどうしているかな。
そう考える。
空は青く晴れ渡っていた。




