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夢
うつらうつらしながら夢を見る。
私の側には愛犬がいる。
愛犬の温もりが手に当たって余計に眠気を誘う。
夢の中では私はヴェネチアのゴンドラの上に立っていた。
側には愛犬ではなく美しい男性がいた。
彼はにっこりと笑うと手を差し出した。
私も笑いながら彼の手の上に自身の手を重ねる。
何故か温かい。
不思議に思いながらも私は彼に微笑み返した。
行きましょうかと彼は言う。
頷きながらゴンドラから降りた。
水の上に波紋を作りながら彼は静かに降り立った。
私も降り立つ。
怖くはなかった。
彼と私は歩き始めた。けど、彼が私に顔を近づけようとしたところで夢は終わりを告げる。
私は瞼を開けた。
我に返って夢だったのだと知る。
愛犬が不思議そうに見つめていた。
私は笑いながら愛犬を撫でてやった。
ふうとため息をついたのだった。




