54.決断の時
※この物語はフィクションです。実際にいる人物、団体とは一切関係ありません。
ラン原作品
現代異世界ファンタジー
『アサシン』
毎週土曜日に1話ずつ投稿!
※6月6日~7月5日まで毎日投稿!
原作だけでなく、イラストなども投稿しているので、気になる方はXを見に行ってみてください。
イラスト垢 @RAN_assn
創作メイキング垢 @Ran_Makin
No side
???「モコ」
モコ「え?」
モコは声を聞いた瞬間、戸惑いを見せる。
モコ「ご主人?」
ネス「……」
モコ「なんで…追いかけてきて…まさか、僕と一緒に行くって…」
ネス「そんな事言いに来たんじゃないわよ。何言ってんのよ」
モコ「え、じゃあ、何で…」
ネス「私が気になってたのは、どうしてずっと“能力”に固執するかよ。」
モコ「!」
ネス「あんた、ずっと能力の事ばっか気にかけて、それ以外の技術を上げようとして無いのが気になったのよ…」
モコ「それは…」
ネス「無いものは無いって割り切って、むしろ別のものを伸ばすのも1つの手ではあるわよ?それとも、そんなのが通用しないくらい、異世界事情は『能力至上主義』なのかしら?」
モコ「……そうだね…ご主人には話すけど…異世界の存在は絶対に1人1つ“能力”を授けられる…だから、異世界人でありながら能力を持たない僕は、本当に紛い物でしかないんだ…」
ネス「それで、あんたの地位とかカーストが決まるの?」
モコ「ほとんど決まるに等しい…強いからとか、魔獣が倒せるからとかじゃ、異世界ではやっていけない…だから、僕からの最後の忠告…異世界を出入りするなら“能力”は必須…無いと、君達が困るよ?」
ネス「……」
モコ「じゃあ、僕が居ても迷惑なだけだし…お暇するよ…僕は、ギルドアサシンには、入らない…」
ネス「それは自由にすれば良いわ。ただ、去る前に言わせて…」
モコ「?」
ネス「今の考えで、あんたが強くなれるとは思わないわ…」
モコ「それって…」
ネスは手に持っていた剣を消し、そのままの状態で、モコに特攻して行った。
モコは何が起きたのか把握できず、そのまま殴られ、飛ばされていく。
モコ「っ!いった!何!?」
ネス「ハンデで剣も消したのに…これじゃあ、尚のこと無理ね…」
モコ「はぁ!?そう言うご主人は強くなったの!?」
ネス「私はあのアクアとか言うサイコ野郎を倒せるなら、どんだけでも強くなる覚悟はあるわよ。あんたは?超えたい奴とか居ないの?」
モコ「僕は…」
モコの頭の中で過去がフラッシュバックする。自身をバカにする声、自分を嘲笑う同族、そして、能力の無い自分を憐れむ目で見てくるお偉いさん…
超えたい奴らも見返したい奴らもたくさんモコにはいる。
モコ「そんな奴ら、大量にいるさ…いつまでも、バカにされたく無い!だから、僕は人間界に来たんだ!」
ネス「なら、覚悟を決めなさい…」
モコは覚悟を決めたのか、ネスに攻撃しに行くが、その拳はヒラリと避けられてしまう。
モコ「ちょっ!なんで避ける!?」
ネス「殴られるのが嫌だからに決まってるじゃない。」
モコ「そっちから吹っかけておいて避けるとか卑怯!!」
ネス「当然に決まってるでしょ?無駄口叩かず、拳を振え」
ネスがそう言うと、モコはネスに必死に振うが、擦りもしない。
痺れを切らしたモコは不意打ちでネスの顔目掛けて殴りに行くが、咄嗟に拳を受け止められ、拳を軸に体を持ち上げられ、そのまま地面に叩きつけられたモコ。
モコ「それで魔人になりたてって…絶対嘘でしょ!?」
ネス「嘘なんて吐いてないわよ。あんたが弱いだけ…」
モコ「僕だって、強くなりたくないわけじゃない!!強くなりたかった…でも、無理だった…どれだけ努力しても、積み上げても、僕には無理だった…それに対して周りは『お前には不可能だ』『能力は生まれ持った“才能”だ』って…だから、最初から無能の僕には、何も出来やしないんだ…」
落胆し、項垂れるモコは涙を流しながら、ネスは現実の残酷さを伝える。
その様子を見たネスは、口を開き、モコへとある言葉を投げかける。
ネス「…決めつけるのは簡単だし、逃げるのだって簡単…だけど、それであんたは何か変われた?」
モコ「え?」
ネス「変われてないから、今のあんたを作ったんでしょ?決めつけるのは自分の可能性を縛る行為、そして逃げる事は未来の選択肢を消す行為…結果的に、行動なんでしない奴にいい結果なんて帰って来ないのよ…」
モコ「でも…」
ネス「でもじゃない…それがあんたに逃げる口実を与えてるのよ?」
モコ「じゃあ、どうすれば…」
ネス「それこそ、自分で決める事よ」
モコ「僕が…決める…」
ネス「あんたが強くなるにしたってどうやって強くなるかはあんた次第よ。私はどんな道に歩もうが別に止めるつもりはないわ」
モコ「……」
モコの目には迷いがあった…
本当はアサシンに入りたい。だが、無能の自分に入る資格はないと思うと同時に、入ってからでもいいから強くなりたいと言う葛藤だった。
ネスもそれを分かっているのか、モコの事を黙って見つめる…
すると、モコが重々しく口を開いた
モコ「ご主人、僕は…」
何かを決意したかのように口を開いたモコ。だが、そんな時に…
???「あぁ…アクア様の言う女はこいつか…」




