第二十一話 大変!!緑が壊されるという事件が起こってしまったようです!
麗華センパイが作製してくれるゴスロリ衣装は一体どんなモノになるのかとっても楽しみだ!!!
だけれど、そんな私のウキウキ気分とは反対にそうそうに手を打たなければならない事態が起こっていた。
「な、なにこれ……!!」
犯人は、ぜっっっったいに許さないんだから!!!
「なに、これ……!!」
ある雨の日のこと。
今日は灯チャンも学校を休むという連絡を受けていたのでもちろんお大事に!という最低限の連絡をお返しすると『花壇のお手入れは私がしっかりしないとね!』と気合を入れた、そこまでは良かったのだが……
私が登校してもまだ降り止むことのない雨にうんざりしながら傘を持ったまま花壇のお手入れ&雨の影響で傷んでしまっているところがないかというチェックを兼ねて花壇の様子を見に行ったのだけれど、あきらかに雨のせいってだけじゃないよね、これ!っていう惨状を目にすることになった。
雨で花壇がぐちゃぐちゃになるなんて聞いたことがない。(逆に雨が降っただけで元気を無くすなんて、どれほど弱い植物なんだ!?)それに花壇のあちこちには誰がみても明らかなほどに足跡のようなものが残されている。
悪質な残り跡だ。
その足跡たちは土部分だけを踏んでいるのであればまだしも、どんな天気の下でも見事に咲いていた花たちをも踏み潰した跡がみられた。
さ、最悪だ……!!
せっかく灯チャンと(たまに柊パイセンも参戦してくることがあるが)一緒になってお世話をしていた花壇が!!!
私たちの花園が!!!
壊されてしまったーーー
見ず知らずの……おそらく生徒の手による犯行……ではなく足によって。
「……っ、るせない……見つけ出したら、ぶん殴ってやる!!!!」
ある雨の日の朝のこと。
私の大きな怒号がまだ登校してくる生徒たちが少ない校舎敷地内に響き渡っていった。
それからは授業もまともに身が入る気がしなくて仕方なく我が担任の美影尚センセーに『壊された花壇を戻したいので今日は授業に出られないと思います』と伝えた。最初はてっきり尚センセーに『そういうことは放課後とかにしたら?雨も降ってるし』と言われるかも思っていたけれど灯チャンたちと花壇を普段からお世話していること、大切にしていることを知っていたためかすんなりとOKをもらえてしまった。
だったらやるべきことは一つ!!!
徹底的に花壇を元に戻すべし!!!
「っ、ごめんね……すぐに、元に……ううん、前よりも綺麗にして、あげるから……っ!」
片手(正確には首筋に傘を掛けるような形で引っ掛けていた)には傘(まだまだ雨は止みそうにない)もう片手には庭園の味方であるシャベル。
これはなかなかに大変な作業になりそうだが、これは決めたことだもの!途中で投げ飛ばすわけにはいかない。一つ一つ直していかなければ!!!
改めて花壇を観察すれば広いーーー
改めて緑化委員、もとい灯チャンとたまに参戦している柊パイセンの力が凄いと思えた。
一人で全部できるだろうか……
そんな不安を抱いている暇があるのならばその分てきぱきと手を動かさなければ!!!
足で踏み潰されたことによって土の量のバランスがおかしいことになっている。植物によっては根っこが見えている状態だったり、茎が折れてしまっているものも見られた。……なんてことだ。
とにかく一つ一つ……。
土の状態をなだらかに戻し、倒れていたり、曲がってしまっている植物をできるだけ立たせてあげると可哀想だが折れてしまった植物たちは処分するしかないか……。
「……ふぅ……あっつぅ……」
雨が降っているからどちらかと言えば涼しいぐらいの気温。それでもずっと作業を続けていれば額には自然と汗が浮かんでくるほどになってきた。
午前の授業はとっくにはじまっているだろう。生徒のことを良く分かってらっしゃる尚センセーにはほんと感謝するしかない。お礼はペットボトルのお茶でも良いでしょうか!?
朝から続けている作業を黙々と一人で。
大変だけれど、ここで泣いたら誰か正義のヒーローでも来てくれる?
泣き叫んでいれば花壇は綺麗に戻るだろうか?
もしもそんなビックリ現象が起きるのであれば私はいくらでも泣いたって良かった。でも、この子たちは私の手で、戻すって決めたんだもの!泣いている暇なんてものは無い!
それでも神様は意外と優しい一面もあるのかもしれないと改めることになる。
作業を続けて何時間ぐらいが経っただろうか、私は気にしていなかった(作業に集中するがあまり時計に目に入らなかっただけかもしれない)が、手元も足元(雨の中でしゃがんでいる体勢を続けているから)も雨や泥が跳ねてぐちゃぐちゃに汚れていた。綺麗な制服もソックス部分も土・泥・雨の三連コンボでなんとも無惨な見た目になっている。
でも、まだまだ直してあげなくちゃいけない花壇は広い。
半分……いいや、三分の一ぐらいはかろうじて終わっただろうか?
「……ふぅ……まだまだ!!これからだっての!」
そう声に出して気合を入れたときだった。
「……佐久間?」
「……柊、センパイ……」
天からの助けだ、と思った。
もしかして尚センセーから何か聞かされたのかもしれない。もしくは今は体感的にお昼休憩が近いのか、まさにお昼休憩を迎えたのかもしれない。
そこに登場したのは緑化委員長の柊パイセン。
「おま……っ、ずっと一人で、ここに!?なんですぐに連絡をくれなかったんだ!?」
ゆるふわパイセンもとい穏やかな口調の柊パイセンからすれば驚くほどの慌てた口調と少しばかり怒っているような顔と物言いに相手が三年の先輩であることも忘れて言い返した。
「これを目にしたのに放っておくことなんてできません!担任のセンセーには話をしてありますし……
「そういうことじゃない!なんで一人でなんでもかんでもやろうとするんだって俺は言っているんだ!」
え。
てっきり授業にも出ずにずっと緑化委員の真似事をしていて怒られるのかと。
私のしていることは委員会の仕事ではなくて完全に私の我が儘……みたいなことだったから。
「あ、灯チャンなら今日は休むらしいです」
「……俺は?」
「……いますね」
「それに……あー、自分の状態、確認したか?随分と酷い状態になってるんだがなぁ……」
がしがしと髪の毛を乱しながら眉を下げ、困った顔をしたゆるふわ柊パイセンが戻ってきたらしい。
正直さきほどまでの柊パイセンはどこか怖かった。普段優しい人ほど怒ると怖いっていうのは言われているけれどここで体験することになるとは思わなかったなぁ。
「……制服はクリーニングに出すんでしたっけ?後は洗えば大丈夫です、問題ありません!」
「……なら、ここからは俺も参戦させてもらおうかぁ。ほら、俺って一応『委員長』だしな~」」
さすが手入れに慣れている緑化委員!
一人でやきもきしながら苦闘していたが柊パイセンが来たおかげで花壇を元に戻すペースは倍、いや三倍ぐらいに進んでいきみるみるうちに綺麗な花壇が戻ってくる。
「センパイ、来てくれてありがとうございました!ホント助かります!」
「いいや、こっちこそ悪かったなぁ、それから助かったよ。朝から一人でやってたんだって?昼飯は?」
「……食べてません」
「だろうなぁ。一段落したらちょっと休もう。購買で飲み食いできるモノ買ってきたから。それにずっと雨のなかにいると体が冷えるぞ~?」
あ、私、体は頑丈なので大丈夫です。
と考えていたが空腹が先に音を上げたらしく『クゥゥゥゥ』となんとも間抜けが音が。残念ながら柊パイセンの耳にも届いていたようで小さく肩を震わせながら笑っていた。(そこで変に笑いを我慢されても気まずいので笑って大丈夫です……やれやれ)
もう一区画で終了かな、と思ったが『休憩しような?』と肩にぽんと手を置かれて花壇から離れ雨を凌ぐことのできるスペースに来ると腰をおろした。校舎から体育館につながる二、三段ぐらいある階段?みたいなところでコンクリートの地面だったから多少座っても平気よ!
それにしても、一体誰がこんなことを……
ぐるぐると頭のなかをめぐるのは花壇をめちゃくちゃにしやがった『誰か』のこと。何かむしゃくしゃしたことでもあったのだろうか。それを花壇にぶつけたのだろうか?抵抗も仕返しもすることができない植物に当たり散らすなんて最低だ。
柊パイセンが購買で購入してきてくれたらしいパン(サンドウィッチだったが絶品だった!)と紙パックのジュースで空腹を落ち着かせながら柊パイセンもなかなか『できる男』かもしれない、とちらりと横眼で見やる。
当人は、へらへら~ってしていることも多いし抜けているとこもあるのだけれど今回はパイセンの優しさが胃に染み渡っていった。感謝感謝、である!
雨のなか、事件が起こりました!犯人は不明。第一目撃者は一年生の佐久間裕理氏。大変ご立腹のようであります!どうぞ!!!
雨の日、事件でした。
ほんっとに誰がこんなことをしたのでしょうか……イライラ。
そして『JKハーレム勘弁!』も二十話を通り越してまいりました!どのような終わりを迎えるのでしょうか!?
今回は柊パイセンのターン!!!まずは『購買部の食べ物飲み物』で癒しの効果を!!!
ところどころにて登場する某芸人風だったり某アニメのセリフだったり気が付く人が気が付いているのかもしれませんね……。
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これからも『JKハーレム勘弁!』物語・キャラクターが愛されるものになるように、努めてまいります!!




