⭕ 隷属になった公爵様 3
創生王:ニテンス
「 ──話がズレてしまったの。
セントアノル大公家にサリーの事を知られんよう、“ 根回しをする ” を実行しても良いな?
異議はあるかの? 」
リィグレーシェド
「 それに関しての異議も異論はない 」
創生王:ニテンス
「 うむ。
では早速、取り掛かろうぞ 」
リィグレーシェド
「 話が終わったなら退室してもらえると有り難いのだが? 」
創生王:ニテンス
「 未だ肝心の話が終わっとらんわ。
──で、兄上の初恋は何歳かの?
まさか…27歳でサリーを見初めるまで “ 恋は未経験 ” とは言うまい?
サリーが初恋の相手ではなかろう 」
リィグレーシェド
「 ………………兄上に呪いを掛けられる前だ 」
創生王:ニテンス
「 おぉっ、ちゃんと初恋済みなのか!
──で、相手は誰だったのだ? 」
リィグレーシェド
「 言う必要があるのか? 」
創生王:ニテンス
「 良いではないか。
兄上とボクの仲であろう 」
リィグレーシェド
「 どんな仲だ…… 」
創生王:ニテンス
「 サリーには言わん。
ボクに打ち明けてみよ。
年上かの?
まさか年下では無かろう? 」
リィグレーシェド
「 ……………………メイドだったアニシャ…ですよ。
私が兄上に呪われた後、庭師の息子と結婚しました。
あれから19年も経ってますし、もう時効でしょう 」
創生王:ニテンス
「 ほぅ、初恋の相手は未だ公爵邸内で働いてい居るのか? 」
リィグレーシェド
「 居ますよ。
子供も8人居ますし、使用人見習いとして働いていくれています 」
創生王:ニテンス
「 ほぅ、兄上の初恋の相手が庭師との間に8人も子供を──のう。
子沢山ではないかの。
想いを寄せていた女性が別の男と夫婦になった事もショックであったろうし、妊娠した事を知った時もショックだったのではないかの? 」
リィグレーシェド
「 言うな… 」
創生王:ニテンス
「 他には居らんのか?
公爵令息として、多くの貴族令嬢と出逢う機会もあったのであろう? 」
リィグレーシェド
「 …………兄上に呪いを掛けられた後、未成年の貴族令息と貴族令嬢の親睦を深める顔合わせのパーティーが数度開かれはした… 」
創生王:ニテンス
「 おぉ、それで?
恋の芽生えた令嬢とは出逢えたのかの? 」
リィグレーシェド
「 貴族令嬢は肥えた姿の私を見ると蜘蛛の子を散らすように去って行きましたよ。
変わり果てた私の容姿に愕然としたのでしょう。
挨拶は交わしても挨拶以外の会話はしませんでした。
貴族令嬢は私の容姿しか眼中に無かったのでしょう。
煩くて騒がしかったので、去ってくれて清々しましたよ 」
創生王:ニテンス
「 蜘蛛の子を散らすようにか。
実際には見ておらんが…、その時の光景が目に浮かんで見えるようだの… 」
リィグレーシェド
「 ……呪いを利用して自分以外を騙して今まで生きていましたが、私から女性に交際を申し込んだ事はありません。
致し方無く縁談も幾つか受けましたが、全ての縁談を私の方から御断りしました 」
創生王:ニテンス
「 何故兄上から断ったのかの?
断らなければ結婚が出来たかも知れんのに 」
リィグレーシェド
「 女性は……母上の事もあり苦手だったのです。
王国騎士隊への配属が決まり、身の回りも忙しかった事もあります 」
創生王:ニテンス
「 では兄上は男の解消でもある “ 女遊び ” とやらをしとらんと言う事かの? 」
リィグレーシェド
「 そうなりますが? 」
創生王:ニテンス
「 因みに異性を抱いた事は有るのかの? 」
リィグレーシェド
「 何故そんな事まで話さなければいけないんだ! 」
創生王:ニテンス
「 どんなに異性が苦手でも、健全な男子であれば性欲もあろう。
溜めておっては身体にも悪いのであろう?
出して処理する為に娼館へ通う事もあったのではないかの?
したっぱメイドに夜な夜な奉仕させる貴族令息も居ると思うが、兄上はどうしておったのだ?
経験済みなのかの? 」
リィグレーシェド
「 そ……そんな事を正直に言うと思うのか!(////)」
創生王:ニテンス
「 ふむ……。
サリーは産まれてはおるが未だ5歳にもなっとらんし、仮に兄上が異性と肉体関係となった事があったとしてもだ、サリーは気にせんと思うがの? 」
リィグレーシェド
「 ………………自分で処理していた…(////)
娼館へは行ってないし、使用人達にも手伝ってもらっていない(////)
異性とも同性とも肉体関係は無かった! 」
創生王:ニテンス
「 そう、なのか?
…………では兄上は “ 童貞 ” とやらなのかの?
29歳にもなって、未だに “ 童貞 ” なのかの? 」
リィグレーシェド
「 何故2回も言うんだ!!(////)」
創生王:ニテンス
「 いやなに、大事な事だと思っての。
貴族令息としては中々珍しいタイプのようだの。
まぁ、兄上に関しては、体型の事情もあったからであろうが…… 」
リィグレーシェド
「 何故こんな事まで聞きたがるんだ……(////)」
創生王:ニテンス
「 意外に詰まらん内容であったの。
予想を裏切られた気分だのう……。
女遊びに長けとれば、サリーに教えて幻滅させれたのに……残念だの 」
リィグレーシェド
「 サリーに告げ口しないと言ったのは嘘だったのか? 」
創生王:ニテンス
「 告げ口と報告は違うであろう。
兄上が女たらしならば、サリーも兄上を警戒してくれると思っただけだ 」
リィグレーシェド
「 早々に出て行ってもらいたいのだが! 」
創生王:ニテンス
「 そうだの。
大して面白い話も聞けなかったからのう。
この辺でお暇するとしようかの 」
そう言ったニテンスの身体が透ける。
身体が半透明となったニテンスは、リィグレーシェドの自室の扉を当然のようにすり抜けて出ていった。
リィグレーシェド
「 ………………本当に壁抜けが出来たのか。
…………油断のならない相手だな、創生王という存在は…… 」
リィグレーシェドは扉を見詰めながら再び深い溜め息を吐くのだった。




