表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪いの蒼仮面  へなちょこパーティ「暁の刃」の冒険  作者: かつエッグ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/47

ギルドからの重大な依頼

 数日後、おれたちはギルドに呼び出された。

「おう、来たな。例の、古墳の件だがな」

「どうでした? へんな古墳だったでしょう? それであの可哀想な——ハモンドさんでしたか、なにか判明しましたか?」

 サバンさんは渋い顔をして

「それがなあ……」

 アリシアさんも

「それがねえ……」

「えっ?」

「けっきょく、たどりつけなかったんだよ」

「へっ?」

「さっそく、あの二人、つまりフローレンスさんとバルトロメウスさん、おれ、そしてギルドの魔導師の四人で、おまえたちに描いてもらった地図をたよりに出かけたんだが……」

「はい」

「見つからないんだよ、あの古墳が……」

「ええっ、そんなはずは……」

「ちゃんと地図描きましたよ、おれらが行ったとおりに」

「いや、そこは疑ってない」

「わかった!」

 おれは声を上げた。

「サバンさん、地図を上下逆に見てたのでは」

「はあ? ばかばかしい、お前じゃあるまいし」

「そうだよ、アーネスト。そんなことするのは、世界広しといえどもお前ぐらいのものだ、失礼だぞ」

 おい、ヌーナン、その言いぐさは、おれには失礼ではないのか。

「なんらかの隠蔽の魔法がかけられていないか、魔導師に確かめさせたが、だめだった」

「だめだった?」

「もし、魔法により古墳が隠蔽されているとしたら、それは恐ろしく高度な魔法で、そうとうな大魔導師でないとなんともならないというんだ」

「あっ、ルシアさまに頼めば、ちゃちゃっと」

「それはおれも考えたんだが、今、あの『雷の女帝のしもべ』の人たちは、この地に不在なんだ」

「四人とも?」

「そうだ」

 サバンさんは厳しい顔になった。

「この世界の存亡がかかる重大な事案のために、先日、旅立ったのだ」

「あの人たちが、全員でかかるような……」

 その場の全員が、しばし沈黙した。

 やがて、その沈黙をやぶるように、サバンさんが

「それでおれは思いついた」

「さすがです!」

 おれはすかさず合いの手を入れたが、

「まだ何も言ってない」

 と、にらまれた。

 いや、なにかサバンさんがすごいことを言うような気がしたのだ。

「たいした案じゃない。というか、もう最低の案だとは思うんだが、ここに至ってはやむを得ん」

「それはいったい……」

「お前だ」

 サバンさんは、いきなり、おれを指さす。

「ヒエッ! む、無理です!」

 おれは、すくみあがって言った。

「だから、まだ何も言っていないって」

「で、でも……」

「わたしたちギルドとしても、これは最後の手段です」

 とアリシアさん。

「な、なんなんですか?」

 おれはドキドキしながら聞いた。

 サバンさんはおもむろに言った。

「アーネスト、お前に地図を持たせる。おれたちはそのあとをついて行く。お前の、そのとんでもない能力が頼りだ」

 なんだって! おれが頼りだって?!

「そうですか! わかりましたっ、まかせてください!!」

 おれは、テンションがあがって、大声を出した。

 そうか、ついにおれの実力が、みんなに認められるときが来たのだ。

 まあ、じゃっかん遅きに失するきらいはあるけどな。

「ええーっ?」

 と、パルノフとヌーナンが声を上げた。

「そんなことして、だいじょうぶなんですか」

「なにしろ、こいつは」

 何を言っているのだ、お前ら。

 見ろ、サバンさんの確信に満ちた顔を。

「まさに、そこだ。まともにいったらたどりつけないんだ。まともでない手段でいくほかない」

 サバンさんが重々しく断言した。

「絶滅したはずのムカシモウコジャコウソウを見つけたり、時の鐘を手に入れたりした、地図を逆に読むアーネストの能力に賭けるのだ」

「なるほど」

 二人が納得し、アリシアさんもうなずく。

 なにか釈然としない部分もあるが、とにかく、おれにかかる期待は大きい。

 おれは全力を尽くすことを心に誓った。


 ヌーナンとパルノフが、記憶から再現した、古墳にたどりつくための地図。

 地図の上には、古墳までのルートが、詳細に記載されている。

 さあ、いよいよおれの真価が発揮されるときが来た。

 おれは気持ちをひきしめて、地図を広げ、慎重に検討すると、一同に宣言した。

「わかりました、こちらです! さあ、みなさん、おれについてきてください!」

「ああー……」

 おれの後ろで、ヌーナンが情けない声を出した。

「すでに地図の向きが違うんだが……」

「しっ!」

 サバンさんが

「お前らはなにも言うな。いいか、どんなにおかしいと思っても、なにも言うんじゃないぞ」

 と、ヌーナン、パルノフに念を押す。

「たしかに、出だしから聞きしに勝るでたらめさだが、今回はこれに賭けるんだ。いいな、ヌーナン、パルノフ」

「は、はあ……サバンさんがそうおっしゃるなら……」

 ヌーナンとパルノフは不承不承答えている。

 そんなやりとりは、おれの頭に入ってこない。

 おれは、地図を読むことに集中しなければならないのだ。

 ふむ……よし、

「次は、こちらへ。ここを通ります!」

 おれは自信をもって、路地を指し示す。

「おいおい……こんなとこ、おれらは前に通ってないよ……」

「何も言うな」

いつも読んで下さってありがとうございます。いよいよアーネストの真価が発揮される! なんてね。


面白いぞ、続きを早く読ませろ、そう思われた方は応援お願いしますね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] なるほど。ここはまともではない(?)手段、アーネストの普通ではない能力にかけてみるというわけですね。サバンさんの思いつきもすごい!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ