ドルトの魔法
俺は隣に座る自称大魔法使いドルトの姿を見ながら考えていた。
思わぬ所で出会ったドルトのお爺さんだが、この人は認知症だ。
帰る家がわからず、気がつけばこのバンダイの町に来てしまったのだろう。
となるとだぞ、今頃アバランマにいるお婆さんが心配しているはずだ。
早く帰してあげないとな‥‥‥。
「それじゃドルトさん。一緒に冒険者組合に行こうか。アバランマの町に連れて行ってくれる冒険者を探そう」
「なんじゃ、ここはアバランマじゃないのか」
「そう。ここはバンダイ。アバランマじゃないんだ。だから自分の家に帰るために冒険者組合に行こうか」
「ふむ‥‥‥そうじゃったか。なら、すまんが若者よ、金を貸してくれまいか。どうやら手持ちが全くないようでのぉ」
「えっ!」
金‥‥‥?
そういえばそうだった。
冒険者組合に依頼するにしてもお金が必要だった。
俺はためしにポケットをパンパンと叩いた。
もちろんの事だが、中にはお金なんて入ってはいなかった。
そして腰に付けた革袋の中にも、魔法の玉しか入ってはいない。
「なんじゃ、おぬしは文無しか? 情けないのぉ」
「うぐっ」
俺は思わず胸を押さえた。
心に突き刺さる言葉。なんという非情なる刃なのだろう。
おかげで返す言葉も出なかった。
「仕方ないのぉ。ならワシはここで待っておるから、ご自慢の演技でさっさと稼いでくるといいぞ」
「うっ‥‥‥」
「ん? なんじゃ、おぬしはたしかピエロじゃなかったかいの?」
「いや、まぁそうだけど‥‥‥。まー待ってくれドルトさん。今の俺は‥‥‥ほら! 包帯巻いてるだろ。怪我をしているんだ。それに道具も持ってきてないし、今日はさすがに無理だぜ」
俺は、体に巻かれた包帯と、先程まで巻いていた包帯の束をドルトに見せて、それから道具がないぞと両手を広げたアピールした。
「んー? 怪我をしているわりには元気そうじゃがのぉ。それに道具は、ほら腰にあるではないか」
「腰? あーこの革袋に入っているのは魔法の玉だよ。‥‥‥まぁたしかに、これを使って何か芸の1つや2つ出来ないかと考えたんだけど、結構扱いが難しくてなぁ。火の玉とか荒れ狂う吹雪とか広がる電気とかさ、俺の使う魔法は周りにも被害が出そうなんで、思っていたより使えそうにないんだよ。せいぜい浮かした玉の上に乗るとか、ジャグリングのように回すぐらいだな」
俺の話を聞いたドルトは盛大に溜息をついた。
「なんとまぁ情けないことよのぉ。せっかく魔法が使えるというのに‥‥‥魔法の玉が泣いておるぞ」
「簡単に言ってくれるじゃないか。ドルトさん、魔法を使うのだって簡単じゃないぞ」
‥‥‥とは言ってみたものの、使うだけならば簡単だったりする。
なにせ魔法の玉を持って念じればいいだけだ。あとは敵に向けて魔法を放てばいい‥‥‥なんだけど、これが人前で見せる芸として使うとなると話は別だ、やっぱり危なすぎる。
「お主にフティムの姿を見せてやりたいのぉ。あやつは巧みに魔法の玉を使い、素晴らしいショーを見せてくれた」
「‥‥‥フティム?」
あれ、どこかで聞いたことのあるよう‥‥‥やっぱりないような名前。
うーん、誰だったかな‥‥‥。
「仕方ないのぉ。宜しい、ワシがおぬしに教えてやるとするかのぉ。本当の魔法の使い方とやらを」
「いや、ドルトさん。俺は別に‥‥‥その本当の魔法の使い方を覚えても、やっぱ危ないし演芸では使えないって」
「いや、お前さんは本当の魔法の使い方を知らぬからそう言えるんじゃ。それにじゃ、魔法はお主ら芸人らにとって良い道具になりえるんじゃぞ」
「道具?」
俺は首を傾げた。
魔法が道具と聞いて、まったく想像がつかなかった。
「そうじゃ、道具どころか、ほれ、すぐそこに大きな舞台でさえ作れるぞ」
「はぁ、舞台なんかも作れるかぁ」
でも、道具に舞台ねぇ‥‥‥魔法ってそこまで便利だっけ?
俺は目を閉じて両腕を組んだ。
そして自分が使える魔法を頭の中に浮かべてみた。
がしかし、そんなことが出来そうな魔法は思いつかなかった。
だがちょっと待てよ。よく思えば、このドルトは自分のことを魔法使いだと思い込んでいる認知症のお爺さんだ。
それっぽいことを言っているだけかもしれない。
「なぁドルトさん、本当にそんな事出来るのか? 適当な事言ってないよな?」
俺は目を開けて、隣に座るドルトに顔を向けた。
すると‥‥‥。
すぐ横にいるはずのドルトがいなかった。
「あれ? ドルトさん?」
周りを見回してみるが、ドルトの姿は見つからなかった。
チュンチュン。
ふと、鳴き声が聞こえて下を向いた。
するとドルトが座っていた場所に小さな小鳥がいた。
小鳥はチョンと長椅子の上に立っていた。
そしてもう1度チュンチュンと鳴いて、俺の目の前を横切って何処かへ飛んで行ってしまった。
「‥‥‥えっ? どうなってんの?」
俺は混乱した。
なにせ、ドルトはいきなり俺の隣に現れてから、それからすぐ、ちょっと目を離したすきに音もなく姿を消したのだ。
一応、近くにいる可能性を考えて公園の周辺を探したけど見つからなかった。
やっぱり俺の隣から一瞬で消えたのだ。
いや、もしかしたら‥‥‥俺は幻覚でも見てたのかもしれない。
はぁっと溜息をついた俺は空を見上げた。
すると、日が落ちて夕焼けが見えていた。
気がつけば、もう夕方になっていたのだ。
「帰るか‥‥‥」
もやっとした違和感を持ちながら、俺は暗くなる前に帰ろうと家へ向けて歩きだした。
次の日。
体の腫れがおさまり、包帯を取る事が出来た。
そんな腫れのおさまった体なのだけど、傷自体はまだ治ってはいなかった。
なのでマリーちゃんは、俺の体に不思議な軟膏を傷周りにペタペタと塗りこんだ。
そして「もう喧嘩しちゃダメだからね!」と俺に可愛らしく睨んだ。
そこで俺が言える事はただ一つ。それは‥‥‥。
「はい。もうしませんとも」
素直に答えるのみだ。
その後、俺はマリーちゃんが用意してくれた朝食を食べて、自分の部屋から演技道具を持って外へと出た。
今日行く場所はトバル公園‥‥‥なのだけど、一応ミネ公園もチラ見しておこうと思った。
もしかしたら、ドルトのお爺さんがいるかもしれないからだ。
というわけで、俺はミネ公園までやってきた。
チラッと公園の入り口から中を覗いてみると‥‥‥ドルトはいなかった。
というか公園の中には誰もいなかった。
いつも通りのミネ公園だった。
「いないか‥‥‥うーん、やっぱ幻覚だったのかな」
昨日の事を思い出してみると、ドルトの現れ方や消え方はおかしかった。
やっぱりあの時の俺は、夢か幻覚でも見ていたのかもしれない。
今思えば、昨日はちょっと体が熱ぽかった気がする。
体の調子が悪いことに気づかず、小鳥に誘われて外へふらつき、ミネ公園に辿り着いて、そこでドルトのお爺さんの幻覚でも見てしまった‥‥‥という事にしておこう。
「よし、行こっか」
俺はミネ公園を通り過ぎ、トバル公園へ向かった。
トバル公園に着くと、さっそく立て看板の真下に行き、そこに荷物をドサッと置いた。
それから「いち、にー、さん」っと軽く準備体操をしてから、演技道具の中から空っぽの木箱を取り出して、自分の前の方に置いた。
今日は沢山お金が入りますように‥‥‥とパンパンと手を叩いて祈った。
それと、あの恐ろしい兄妹が来ないようにとも祈った。
先日出会ったあの2人が来てしまうと、どうしても癒しの水が欲しくなるのだ。
「さってと、用意するか」
持ってきた演技道具の中から、10個の縦長の木箱と木の笛を取り出した。
この木箱を縦に高く積み立てて、その上に乗りながら笛を巧みに吹いてお客さんを呼び込む。それで人を大勢集めたのち、いくつもの道具を使って演技を行い、空っぽの木箱にお金をたんまりと詰めてもらうのだ。
‥‥‥といっても、まぁ人が集まればの話だけど。
「1,2,3、‥‥‥10。後は乗るだけよっとっと」
積み立てた木箱の上に乗るのも大変だけど、乗った後にバランスをとるのも大変だ。
俺は木箱の上で体勢を整えて、それから手に持った笛を口にあてる。
「それじゃ、始めますか。すぅーーーー」
息を大き吸って、そして笛を吹いた。
俺の演技の始まった。
空に昇っていた日が落ちようとしてくる。
ポッポッと鳴くポッポガラスが何処からともなく飛んできた。
今日という1日が終わりに近づいていた。
そんな空の下で、俺はトバル公園の長椅子に座り、木箱の中身を確認した。
「1、2、3っと。はぁ、銅貨が3枚かぁ‥‥‥はっは、まいったね」
少ない稼ぎに思わず苦笑いして、頭を摩った。
そう、いつもこんな感じだ。
こんな感じなのだ。
「なんじゃ、全然入っとらんぞい」
突然、隣から誰かの声がしてドキッと心臓が跳ねた。
声の聞こえた方へ振り向くと、これまた驚くべき事にドルトがいた。
「ど、ドルトさん? いったいどうして‥‥‥いやそれより昨日は何処へ行ってたんだよ、突然いなくなって心配したんだぜ」
「はて、昨日いなくなった? うむ‥‥‥何を言っているのかわからんが、今はいるぞ」
「いや、まぁそうだけど‥‥‥」
まいったな。どうもこのお爺さんとは話が通じない。
だけど、どうやら昨日ドルトと出会った事は幻覚ではなかったみたいだ。
「なぁ若者よ、ワシはいつアバランマへ送ってくれるんじゃ? この稼ぎを見るに‥‥‥数か月くらいかかりそうじゃが」
「あー‥‥‥」
そうだった。忘れてた。ドルトさんをアバランマに送るためにお金が必要なんだった。
‥‥‥なんだけど、よく思えば、なぜ俺がその費用を稼がなければならないんだろう。
ドルトさんとは家族とか友人とかではなく、ただの知り合いだ。
3年前に冒険者組合の依頼で偶然出会っただけのお爺さんだ。
正直な話、今の俺には人を助ける金もなければ余裕もない。
ドルトさんには悪いが‥‥‥慈善団体に預けようか。
このバンダイには慈善団体エルスというのが存在する。
病気で体の動けない高齢者や親や身内のいない孤児など、そういった人達を支え手助けする団体だ。
ドルトさんは認知症。いわゆる病気の高齢者。
エルスに預ければ、家に帰れるように良い対応をしてくれるだろう。
「そのードルトさん。今の俺じゃお金が出せそうにないんで、代わりにお願いできそうな場所に‥‥‥」
「はぁ、人気のないのがわかった。ふむ、仕方ないのぉ。どれ、おぬしに教えてやろう。本当の魔法の使い方をのっ」
ドルトは腕まくりをして長椅子から立ち上がった。
「あいや、魔法はいいよ‥‥‥」
「ほっ、いいから少し見ておれ。わしはこれから魔法を使った素晴らしいショーを見せて、おぬしに魔法の有用性を教えてやるわい。‥‥‥ふむ、その前に木箱を少し借りるぞい」
そう言って、ドルトは俺から空の木箱を受け取り、立て看板の下に行くと空の木箱を自分の前に置いた。
「さてと、久しぶりにやるとするかのぉ」
ドルトさんは、懐に手を入れて魔法の玉を2つ取り出した。
「えっ、ドルトさん。それって魔法の玉じゃないか! ‥‥‥持っていたのか」
「当たり前じゃわい。わしは大魔法使いドルトじゃぞ。持っていなければおかしいじゃろ」
「何を言ってるおるんじゃっ」と眉を顰めるドルトさんは、魔法の玉を自分の目の前に浮かして、そして真上に火を放った。
バンッババン!!
空に火薬が破裂したような音が鳴り響くと同時に、奇麗な火の花が咲き乱れた。
まさにそれは花火だった。
「ほれ、もう一丁、それそれもう一丁!」
魔法の玉から花火が何度も打ちあがる。
バンバンババンッと大きな音を出して、鮮やかな火の花が咲いた。
「なんだ?」
「あそこから何かのぼって行ったわね」
「あれって、もしかして花火じゃねぇ?」
花火を打ち上げていくと、何事? と、音に釣られた大勢の人達がドルトの前に集まってきた。
「さてと、観客らが集まったかのっ。ではショーを始めようとするか」
そう言って、ドルトさんは手の周りに魔法の玉を回し始めた。
そして‥‥‥。
「ファイアーボール!!」
観客達の前に火の魔法を放った。
「なっ!!」
俺はその行動に驚いた。
放たれたファイアーボールで観客達が炎に包まれる。そう思った。
‥‥‥だけどそうならなかった。
放たれたファイアーボールは空中に止まり、浮いた状態になっていた。
そして、ボール状に丸かったファイアーボールが細長く棒状に変形して、端と端が繋がり輪っか状になった。
「むん、サンダーショット」
続けて、ドルトはもう1つの魔法の玉から雷の魔法を放った。
ひしがたの形をしたサンダーショットは途中で細かに分裂し、その分裂したサンダーショットが鳥の形状になって炎の輪っかの中をくぐって空を駆け回った。
「おー!!」
それを見ていた観客達は感嘆してパチパチと拍手をした。
俺も驚きの声を出しながら拍手をしていた。
いやいや、本当に驚きだった。
魔法というのが、こうも自由自在に形を変えたり動かす事が出来るとは思いもしなかったのだ。
「なんのまだまだじゃ。ふんっ、アースボール!!」
ドルトは、お年寄りとは思えないぐらいの脚力で高く飛び上がり、真下に土の魔法を放った。
すると足元で土の塊がぶつかって盛りあがり、それが削られて、馬の形になった。
そしてその馬の上にドルトが乗って飛び上がり、浮いている炎の輪っかの中をくぐった。
「おおぉー、爺さんやるじゃん」
「あらすごいわねぇー」
「あれなに? まほー?」
土の馬に乗ったドルトは地面に着地すると、観客達のさらなる拍手に迎えられた。
それを「ほっほっ」と笑いながら手を広げ「まだまだやるぞい!!」と言って次なる魔法を放った。
すると周りの観客達は大いに盛り上がっていった。
俺もまた観客達と一緒になって、ドルトのショーを楽しく眺めていた。
それから少しして、ドルトは額に流れる汗を拭って演技の終わりを口にした。
「さてさて、少しだけじゃったが今日はこれで終わりじゃ。皆のもの見てくれてありがとうのぉ。ふぅーそれにしても、歳のせいか体がガタガタじゃ、はっはっは‥‥‥あ、そうじゃった。もしよかったらこの木箱にチップを入れてくれると嬉しいのぉ」
ドルトさんの軽口がうけたのか、観客達は笑いながら木箱の中にお金をポンポンと投げ入れた。
そうして気がつけば、木箱の中身はお金で一杯になっていた。
「次もまた見せてくれよ爺さん!!」
「面白かったわ」
「お爺ちゃん、また見に来るね」
そう言って大勢の観客達は手を振りながら去って行った。
ドルトは「ほっほっほ」と去って行く人達に手を振って見送っていた。
観客達がいなくなると、ドルトはお金で一杯になった木箱を「よいしょっ」と持ち上げて俺の前まできた。
そしてその木箱を俺に向けて差し出した。
「どうじゃ、これが魔法じゃ」
ニヤリと笑うドルト。
「ああ、すげぇよドルトさん。いや、本当にすごかったよ!」
俺は自分が感じた思いを身振り手振りで表現した。
「ほっほっほ、そうじゃろうて。それで‥‥‥どうじゃ、おまえさんもこんなふうに魔法を使ってみたくはないか?」
使ってみたい!! そう素直に思った。
あの自由自在に作り動かす魔法とピエロの演技が組み合わせれば、さぞ面白い表現や演出が出来るのでないだろうか。
そういった考えていると、なんだか自分の心が高揚してきた。
言葉にするならば『オラ、なんだかワクワクしてきたぞ!!』といった様な気持ちだ。
--孫ごくぅ
ええい、星の神様、今は囁かないでくれ!!
そんなことより、覚えたい。あんなふうに使う魔法を覚えたい。
戦いに使う魔法ではなくて、あっと言わせるような、見せる魔法を覚えたい。
俺はドルトの目を見て、そしてバッと深々と頭をさげて言った。
「ドルトさん。俺に魔法を教えてください!!」
「‥‥‥」
‥‥‥あれ? 返事がない。
一応、ドルトさんは俺に教えてくれそうな雰囲気だったから「よかろう!」と言ってくれると思っていたんだけど‥‥‥。
「‥‥‥」
あれあれ、まだ返事がない。
なんだか少し心配になってきた。
もしかして、やっぱり教えるのをやーめた‥‥‥とかだったりして。
あまりにも返事が遅いので、頭を下げていた俺は、チラっと目線を上にあげた。
「‥‥‥あれ?」
目線を向けた所にはドルトの姿が見えなかった。
頭を上げてもう一度確認する‥‥‥がやっぱり俺の前にドルトはいなかった。
周りを見回してみるが、ドルトは見当たらなかった。
「いないし!! また消えたし!!」
すごくがっかりした。
なんだか頭を抱えたくなった。
チュンチュン
「ん?」
鳥の鳴き声が足元で聞こえた。
下を見てみると、そこにはお金の入った木箱と小鳥がいた。
小鳥は小さな羽を広げて、俺の前を横切るように飛び去っていった。
なんだ昨日もこんなことがあったような‥‥‥。
「‥‥‥まさかねぇ?」
飛び去った小鳥を眺めながら、もしかしたら‥‥‥といった考えが浮かんだ。
だがそれはありえない事だ。
いやいや、だが待てよ。魔法ならなんでもありか? いや、でもさすがにそこまで出来ないだろう‥‥‥。
俺は頭の中で、もしかしたらといった考えをぐるぐる巡らせていった。
「ん、そういえば暗いな‥‥‥」
ふっと俺は辺りを見回した。
気がつけば空は暗くなっており、公園の中には俺1人しかいなかった。
いつの間にか、夜になっていた。
「はぁ‥‥‥まぁ、今日は帰るか」
俺は考える事を一旦止めて、家に帰る準備をした。
時間的に、そろそろマリーちゃんが家に帰っている頃だ。
早く帰らないと心配させてしまう。
俺はお金の入った木箱を拾い、他の荷物を担いで家に向けて歩いていった。




