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俺と君達のダンジョン戦争 作者:トマルン

第一章 導入や基本的な諸々

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第二話 ミッション

 しばらくステータス画面を弄ってみると、詳細説明などが出てきたおかげで各項目について大まかに把握できた。

状態 肉体:健康 精神:不安
HP 9 MP 17 SP 9
筋力 11 知能 17
耐久 9  精神 15
敏捷 11 魅力 11
幸運 17 
スキル
索敵 10
目星 2
聞き耳 1
捜索 2
精神分析 3
鑑定 1

 まずHPや筋力などは検証できないので今は良いとして、スキルについて分かったことは以下の通りだ。

索敵:周辺マップと敵味方探知機能?らしい。範囲はスキルの数値がmメートル半径の球形。
目星:視界内にある目ぼしいものが見つかる。
聞き耳:耳が良くなる。
捜索:隠れているものが見つかる。
精神分析:カウンセラーっぽくなれる。
鑑定:物が分かる。

 捜索が目星、索敵と機能が被っている気がする。
 もしかすると、それぞれ見つけられるものに特徴があるのかもしれない。
 自分のステータスから推測できることだが、これはゲームなら探索物か推理物ではないだろうか。
 脳裏に思い浮かぶのは、創作神話に基づいた某有名TRPG。

 TRPGは何度かやったことがあるし、推理や探索も苦手ではない。
 宇宙的恐怖などは勘弁だが、戦闘さえからまなければ自分でも何とかやっていけそうだ。

 ようやく現状を掴み始めていると、先ほどまで、あれこれ弄っていてもステータスを表示し続けていた画面が切り替わった。

『ステータス は確認できましたね
 あなた に 新しいミッション が発令されています』

 ミッション?
 どうやら、俺をこの状況にした何者かは、何らかの行動を求めているらしい。
 行動の指針が与えられるだけ良い、と考えるべきか。
 さて、一体どんなとんでもないミッションを出されるのやら。



『ミッション 【初めの一歩】
 部屋から出ましょう
報酬 10000円
依頼主:日本国第113代内閣総理大臣 高峰重徳
コメント;頑張れ、日本代表!』



「わ、わ、わ」



 と、と、と、とんでもない人から依頼が来たぁぁぁぁぁぁ!?
 やばい、やばすぎる!!
 余計に訳が分からなくなったぞ!!?

 コメントの『頑張れ、日本代表!』ってなんだよ!!
 オリンピックか!
 えっ、もしかして、今の状況って新しい何かのイベントなの?

「よくわからないよ」

 あまりにも様相の斜め上を突き破ってくれたミッションだが、ミッション内容は至って簡単だ。
 その上、難易度に反して報酬は異様に高い。
 依頼内容、報酬、コメント、どれをとっても、こちらへの気遣いがありありと感じられる。
 引きニートという負債を抱えた親御さんですら、もう少し厳しめの依頼を出すはずだ。

 部屋には執務机の脇にあるドアと、対面にあるドアの2つのドアがある。
 常識から考えるに、脇にあるドアは、仮眠室や給湯室に繋がっているものだ。
 つまりは、対面のドアを出れば、廊下か別の部屋か、いずれにしろ他の部屋と繋がっている部屋の外に出られるという訳だな。

 俺はソファチェアから立ち上がって、何の迷いもなく執務机の脇のドアを開けた。
 いきなり廊下とかに出るのは怖かったのだ。
 仕方ないよね、人間だもの。

 ドアの向こうは、予想通りベッドと大きなクローゼットが置いてある寝室のような造りだった。
 ベッドとクローゼットの間には、さらにドアがある。
 そして、新たな部屋を知覚すると同時に、視界の端にあった地図も、真っ暗な空間から寝室に更新されていた。
 どうやら『索敵』で表示される地図には、行ったことのある場所しか表示されないようだ。
 腕の機械を見ると、ミッション画面も更新されていた。

『ミッション 【初めの一歩】 成功
 報酬 10000円 が 端末 に振り込まれました』

 どうやら腕の機械は『端末』と呼称されているらしい。
 ディスプレイに『0円』という表示がされた後、『10000円』という表示に変わり、その数値が画面の右上に固定された。
 そして再びミッション画面に切り替わる。

『ミッション 【そっちじゃない】
 この際、あなたの私室を探索しましょう
報酬 10000円
依頼主:日本国副総理兼経済産業大臣 安倍晋五郎
コメント;気にせず自分のペースで良いんだよ』

 あっ、リアルタイムで俺の現状を把握しているんですね。
 やっぱり、こちらのドアでは駄目だったようだ。
 そして気遣いで俺の心が痛い。
 すみません、次は頑張ります。

 ミッションの文面から察するに、さっきまでいた執務室とこの寝室は、俺の私室らしい。
 ベッドがある事から、どうやら泊りがけの長期戦になりそうだ。
 政府の許しも得たことだし、これからしばらく過ごすことになるだろう部屋を探索してみる。

 まずは寝室に入ってから目についているクローゼットの中を開けてみた。
 中には懐中電灯と予備のバッテリー4つ、充電コードが入っていた。
 同封された説明書を読むに、満充電のバッテリー1つで12時間持続できるらしい。

 バッテリーの数から、最長48時間の継続作業を行うことが推察される。
 なじみ深い祖国の政府の名前が出てきたのですっかり安心していたが、もしかすると自分が置かれている状況は、依然として過酷なものかもしれない。

 クローゼットは2つあり、片方には懐中電灯セットが入っていた。
 気を取り直してもう片方も開けてみる。

 上野群馬 は ナイフ と 針金 を手に入れた!

 ふざけている場合ではないね。
 刃渡り20cmほどのサバイバルナイフが、俺に過酷な現実を突きつけた。
 同封された説明書には、ナイフの正式名称は『38式単分子振動型多用途銃剣』。
 2038年に採用された国防軍の正式装備、スイッチを押すと刃が1秒に3000回の微振動し、同素材のスーパーカーボンですら簡単に切断できる! らしいね。

 うん、まずいね。
 どうやら本当にやばい状況の様だ。
 宇宙的恐怖が現実味を帯びてきている。
 針金は普通の針金だった。
 でもとっても細いから、ピアノ線にも使えそうだ!
 これで誰かの首を括ればいいんだろうか?

 とりあえず見つけたものは、ズボンのポケットに入れた。
 ポケットが沢山あるカーゴパンツで本当に助かった。
 ナイフが日本製だったので、このズボンを選んでくれたのも日本政府だろうか?
 何気ない所からも感じる俺への思いやりに、郷愁で涙が出てきそうになる。

 クローゼットの中も見終えたので、ベッドとクローゼットの間にあるドアを開けて探索を進める。
 ドアの向こうは、トイレ、洗濯機、洗面台と曇りガラスっぽいもので遮られているお風呂があった。

 もしかして、この空間を利用中も中継されたりするのだろうか?
 すると端末の画面に変化があった。

『ミッション 【そっちじゃない】 成功
 報酬 10000円 が 端末 に振り込まれました』

『ミッション 【探索開始】
 装備を整えて、私室から出てみましょう
報酬 10000円
依頼主:日本国財務大臣 麻生太一
コメント;私室内は初回を除いて映像が流れないから安心しなさい』

 良かった。
 俺のプライベートは守られたらしい。
 そして俺の状況が政府にモニタリングされている事が新たに判明した。
 は、はずかしい。

 俺は一旦執務室に戻り、執務机や本棚を漁る。
 思えば、一番何かありそうなこの部屋だけまともに探索してなかったな。
 漁った結果、執務机からはロープ、ライター、鈴、カーキ色のフィールドジャケットが出てきた。
 なんでジャケットをクローゼットの中に入れなかったのだろうか。

 本棚にあった3冊の本は、『図解ブービートラップ』『初心者も安心 ナイフ格闘術』『戦争の心構え』というラインナップだった。
 あれ、これからやるのって探索系だよね?

 俄かに沸き立つ不安を無視して、探索で見つけた装備を身に着ける。
 私室の探索は終了したので、後はもう部屋から出るだけだ。
 激しくなる鼓動を落ち着かせるために、まずは深呼吸。



「よし、行くか」
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