挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
俺と君達のダンジョン戦争 作者:トマルン

第一章 導入や基本的な諸々

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

2/81

第一話 目覚め

ドンッ

 何か大きな音がして、ゆっくりと目が覚める。

 目が覚めて一番初めに見たものは、白い天井と豪奢なシャンデリア。
 寝起きのぼうっとした頭のまま体を起こすと、左腕には腕時計とタブレットを足したような見たこともない機械が取り付けられている。
 機械に付いているディスプレイは、チカチカと点滅しており、自己主張が激しい。

 機械から目を離し、寝惚ねぼまなこで、自分の周囲をぐるりと見渡す。
 高級そうな執務机、数冊しか本が入っていない本棚、応接用と思われるテーブルと4つのソファチェア。
 先ほどまで自分が寝ていた床には、ふかふかの赤い絨毯が敷かれていた。
 誰もがイメージできるTHE 執務室 といった感じの部屋だ。

 ここにきて、ようやくハッキリしてきた頭で、何故自分がこんな場所にいるのかを考える。
 自分の名前は上野群馬こうずけ ともめ、地方国立大の3年次生にして生粋の群馬県民。
 頭に残る最後の記憶は、お風呂上がりのセルフカバディを行った後、自宅の布団で眠ったところで途切れている。

 断じて何処かも分からない執務室の床で眠った記憶はない。
 ここで、今の自分の格好が、黒いミリタリーブーツ、丈夫そうなカーキ色のカーゴパンツに黒のTシャツだということに気付く。
 当たり前だが、自分は寝るときにこんな格好で寝た覚えはない。
 小さいころからずっと、パンツ一丁でナイトキャップを被りながら寝ていたはずだ。

 イタズラ、誘拐、ドッキリなど現状を説明する言葉がいくつも連想されるが、どれもしっくりこない。
 寝ていたとしても、着替えさせられたら流石に気づく。
 薬品で意識を失っていたとしても、そんなことをされる理由や相手は思いつかない。

 中流家庭出身で何の利権にも関わっていない人間を誘拐したところで、リスクとリターンが釣り合わない。
 イタズラにしてはやり過ぎだし、そもそも自宅で寝ている自分にイタズラをしかけようとする知人に心当たりはないし、家族もそんなことはしないだろう。

 それに、自分の左腕に装着されている機械は、今まで生きてきて見たこともないものだ。
 さっきからチカチカ光って鬱陶しいことこの上ないが、現状を打開する手がかりは間違いなくこの機械しか存在しない。

 絨毯が敷かれているとは言え、いつまでも床に座り込んだままという訳にもいかないので、応接用に設けられただろうソファチェアに腰かけた。
 執務机の椅子は、万が一この部屋の主が来た時になんとなく恐いので座らない。
 こんなときでも他人からの印象を気にしてしまう自分の性格に僅かばかり辟易しながらも、左腕に装着している機械のディスプレイを見る。

『画面に触れて下さい 残り時間 23:55:43』

 画面に触れることを要求する機械。
 残り時間とやらは、着々と減少しているものの、あと1日程度は余裕があるらしい。
 さて、ここで素直に押して良いものか。
 時間に余裕があるようだし、その間にできることはないだろうか。

 そんなことを考えるも、何の手がかりも得られないまま、探索するのも恐ろしい。
 結局のところ、自分に選択の余地なんてないのだろう。
 チカチカしているディスプレイに触れると、光の点滅が止まり、画面が変わった。

『おはようございます あなたは 6 人目の探索者です
 特典 が 追加 されます』

 どうやら他にも同じような立場の人間がいるようだ。
 自分で6人目らしいが、全員で何人いるのだろうか。
 表示が変わらないので、もう一度ディスプレイに触れると、新しい画面に切り替わった。

『特典
 下記の一覧から 1つ 選択して下さい

×すごいKATANA
×かっこいいマント
×全高20m全備重量40tの有人人型ロボット(70MW核融合炉搭載・武装別売)
×キューバ産最高級葉巻24ダース(葉巻用カッター・マッチ付)
・全環境対応型歩兵用強化装甲(MADE IN U.S.A)
×カトンジツ実践セットSYURIKEN付(NINJA!)
・コロンビア級戦略原子力潜水艦(トライデントミサイル・乗員155名込み)
・強くて成長する裏切らない従者(美少女でも美少年でもありません)
・便利な水筒☆おまけつき☆(内容量350mL)
・スペシャル冒険セット
×現状を事細かに説明された書物』

 どうやら1人目から順番に取られていっているようで、半分以上の項目が選択できない。
 戦略原潜や強化装甲よりも、KATANAやNINJAの方が人気のある現実に戦慄を感じざるを得ない。
 おそらく小中学生が混じっているのだろうか。

 しかし、どれも魅力的で迷ってしまうな。
 水筒は論外としても、乗員付の戦略原潜は本当に貰えるのなら、是非とも貰い受けたいものだ。
 うーん、と悩みながら強くて成長する裏切らない従者を選択する。
 裏切らないという所が高ポイントだった。

『強くて成長する裏切らない従者(美少女でも美少年でもありません(・・・・・)
 で良いのですね?』

 もちろん『はい』を選択する。

『 美少女 ではありませんが、本当によろしいのですね?』

 しつこいな。
 『はい』を選択。

『かしこまりました
 余談ですが 便利な水筒 にはおまけとして下記のものが付属していました

・水筒を持ってくれる美少女(清純)
・水筒に飲み物を入れてくれる美少女(幼馴染)
・水筒を忘れても届けてくれる美少女(義妹)
・水筒を飲ませてくれる美少女(お姉さん)
・予備の美少女(Hカップ)』

 クソッ!
 正解は水筒だったか!!?
 あああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
 もどれ、もどれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……

 ディスプレイを連打するも、嫌味ったらしく美少女の文字が濃くなっただけで何も変わらない。

『現在のステータス を表示します』

 しばらくディスプレイ相手に格闘していると、画面が切り替った。
 ステータスとは、またゲームらしい言葉が出てきたものだ。

『上野群馬 男 20歳
状態 肉体:健康 精神:後悔(大)
HP 9 MP 17 SP 9
筋力 11 知能 17
耐久 9  精神 15
敏捷 11 魅力 11
幸運 17 
スキル
索敵 10
目星 2
聞き耳 1
捜索 2
精神分析 3
鑑定 1』

 知能、精神と幸運が高めだが、基準が分からないので何とも言えない。
 自分なりの評価だが、筋力や足の速さは一般平均程度だと思っている。
 それなので11前後が平均的な数値なのだろうか。

 自分のステータスを眺めていると、スキルの項目に薄暗い文字で『ON』と表示されている。
 試しに『索敵』の隣にある『ON』に触れてみる。


 突然、視界の端に円形の地図が現れた。

「わ、わ、わ」

 いきなりの事態に思わず間抜けな声が出る。
 ステータスの表示も『精神:パニック(小)』に変化している。
 明るい文字となった『ON』をもう一度押すと、視界の地図が消えた。

 そこでようやく冷静になったので、再び『ON』を押すと、やはり視界の端に地図が現れた。
 地図には、この部屋内の情報が表示されている。
 これはどうなっているのだろうか?

 腕の機械がどうなっているのか調べたところ、以外にもあっさり取外すことができた。
 しかし機械を取り外しても、地図は消えない。
 機械を腕に装着し直すも、当たり前だが変化はない。
うん。

「かがくのちからってすげー」

 地図にはこの部屋のテーブルや椅子の位置も表示されており、おそらく俺の事を表している矢じり型の表示が中心に位置している。
 テーブルの位置を移動させてみると、地図に表示されたテーブルの位置も動き始めた。
 ……うん。

「かがくのちからってすげー!」

 そうだよね、もう西暦2045年だもんね。
 そりゃあ、技術も進歩するってもんさ。
 ニュースでも大学の講義でも技術論文でも、見たことも聞いたこともない技術だけどね。

 俺は穏便に帰れる僅かな希望を失った。

 薄々気づいていたが、どうやらとんでもないことに巻き込まれてしまったらしい。
更新テンポを速くするために文字数は少なめです。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ