九幕:面接(演者・・・春日美久)
ヨシュア・ファイユ
ファイユ家の五男。可愛い外見と裏腹に腹黒い。クロウのことを心底うざいと思いつつ、その実力は認めている。
結論から言うと、面接には間に合ったです。……でも、あの三人組は放置したですけど。車が通れる幅はない道だったので、ひかれることはないので大丈夫です。きっと。
時間ごとにきちんと面接時間は区切られているので、すぐにスタート!です。ということで、面接の部屋は……と、ここです。
コンコンと2回ノックするです。
「どうぞ」
えーと、入室は確か一礼してから…
「失礼します」
そして、ドアを閉めるです。で、また一礼です。
そこには長いヒゲのおじいちゃんと、綺麗なお姉さんと、疲れた顔のイケメンなお兄さんが2人いるです。どうして疲れた顔をしてるです?
あと、机の上には水晶玉がデデーンと置いてあるです。…インテリアです?
「平明小学校の春日美久と言いましゅ」
ううっ、噛んでしまったです。恥ずかしいです。減点されないですよね?
「ふぉっふぉっふぉ、緊張しなくていいぞい、美久ちゃん。まあとりあえず、そこにおかけなさい」
ほっ、優しそうなおじいちゃんで良かったです。お言葉に甘えて、座らせてもらうです。
「面接試験とは言っても、簡単な質問だけじゃ。美久ちゃんなら大丈夫じゃよ」
ごくっ。簡単な質問って何だろうです。うう〜、緊張するです。大丈夫、私ならやれるっ!です。
「まず、この学園を志望した理由は何じゃ?」
大丈夫です、予想していた質問です。
「高度な教育が受けられ、施設も充実しているし、卒業生の人達も著名人が多いです。それに、うちは母子家庭なので学費が安いのと、大学までエスカレーターで行けるのは魅力的です。えーと、筆記試験の時、先生が優しかったです。あ、あと、制服がいくつもあってどれも可愛いし、それをどう組み合わせてもいいですし、私服でもいいだなんて女の子にとってはものすごく重要なことです」
ふぅ、ちゃんと言えたです。
「そうかそうか。では、次に得意科目と、苦手科目について言ってもらおうかのう」
むっ。国語と算数ですね。算数って、難しいです〜。
「得意科目は国語で、ことわざを覚えたりするのが楽しくて好きです。苦手科目は算数です。特に計算ミスが多いので、そろばんを親に習って、計算ミスを少なくするようにはしています」
ふっ。ここで、苦手科目には直そうと努力していることを言うのがポイントです。
「ふむふむ、なるほど。美久ちゃんは、自分の長所と短所はなんじゃと思う?」
これは言うのが恥ずかしいです〜。
「長所は、コツコツ努力をするところだと思います。苦手だったお裁縫もコツコツとやって、お母さんの誕生日ブレゼントにマフラーを贈れるくらいになりました。短所は、抜けているところがあって、時々ドジしちゃうことがあるところです。やっぱりテストのケアレスミスや、何にも無いところで転んでしまったりです」
本当に、何も無いところで転んじゃって、よく友達とかママに心配されるです。お恥ずかしいことです、はい。
「ほほう。えーと次は、趣味や特技を教えて欲しいのう」
うーん、やっぱりお裁縫ですね。
「趣味は、お裁縫です。特技もですね。好きこそものの上手なれですね」
ことわざは好きなのです。
「ふぉっふぉっふぉっ、良く言葉を知っとるのう。では、入学したら、何がしたい?」
えへへ、褒められたです。うーん。入学したら……
「この学校には裁縫部があったので、そこに入ってお裁縫がしたいです。あとはやっぱり友達をたくさんつくって、仲良くしたいです。とりあえず楽しく過ごしたいです」
とっもだち百人でっきるかな〜?頑張るです!
「美久ちゃんなら友達いっぱいできると思うぞい。わしが保証しよう。最後に、これは試験には関係ないんじゃが……もし、君の大切な人が2人、例えば母親と恋人じゃとしよう。2人とも命が危険で、片方しか助けられんとしたら、どうする?」
ママと……恋人ですか。な、なんでヒーロー君(仮)が頭に浮かんだんです?うう、違うです、ヒーロー君(仮)はちょっと衝撃的な出会いをしただけで……そうです、それだけです。はぁ、何で自分に言い訳してるです?私……
「そうですね……2人とも助けられるように、頑張りますっ!たとえ無理だとしても、諦めきれないで、最後まであがくと思います」
はい、これが私のせいいっぱいの回答です。でも正直、この平和な日本ではそんなことにはならないと思うですけどね。
「ふぉっふぉっふぉっ、そうか。ありがとう、美久ちゃん。あ、ちょっとこの水晶玉に手をかざしてくれんかのう?」
答えは合っていたです?えー、それはさておき水晶玉に手をかざすって……占いです?
「ありがとう。では、これで終わりじゃ。また会おう、美久ちゃん」
あ、占いじゃなかったです……では何だったです?まあ、深く考えても仕方ないですけど。
うーん、小説とかによくある魔力測定とかです?いや、それはないです。本の読みすぎですね。
「はいっ! ありがとうございました」
ドアの前でみんなの方を向いて、と。…そういえば、おじいちゃんとしか話していないのですが他の3人はいらなかったのでは?まあ、目の保養にはなったです。
「失礼しました」
一礼して、ドアを両手で開けて、静かに閉めるです。あ…よしっ、ミッションコンプリートですっ!!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
その後の面接室では、大人が4人、色々と話し込んでいた。どうやらこの後に面接はここでは行わないらしい。
「学園長がわざわざ出る様な子でしたか? 可愛かったですけど?」
男、春日美久にはイケメンと呼ばれていた奴の片方が言った。少々残念臭がする。
「うわっ、お前ロリコンかよっ!?」
同じく、というか一括りにイケメンと呼ばれていたもう一人が言った。随分悪意のある言葉だ。
「大丈夫です、私も妹が大好きなので、ロリコン仲間です」
綺麗なお姉さんと呼ばれていた女性が言った。外人らしいし、ロリコン、ロリータ・コンプレックスの意味を理解していないのだろうか。
「いや、それはシスコンだろ。って、学園長? どうしたんですか? 話に加わらないなんて」
学園長、おじいちゃんと呼ばれていたその人は黙って水晶玉を見つめていた。
突如。水晶玉は虹色に光輝き、そしてパリンと割れた。
「これは……」
「まさか……」
「本当に……」
学園長は3人に向かって真剣な顔で言った。
「これは、口外無用だ。いいな?」
「「「了解」」」
世の中には触れていいことと触れてはならないことがある。3人は賢明にも何も聞かずに引き下がった。
「春日美久、か」
学園長のつぶやきはその潜在能力についてか。3人にはわからなかった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
if~もし他の人に最後の質問をしたら~
貴方の大切な人、例えば母親と恋人、両方に生命の危機が迫っていて片方しか助けられないならば、貴方はどちらを助けますか?
土御門瑞稀の場合
(演技中)「え、えと、母も、父も、もう、亡くなって、いるし、婚約者が、いるので、恋人は、つくれない、です。大切な人、は、私が、助けなくても、亡くならない、と、思います。でも、できる、かぎり、助け、られるよう、頑張り、ます」
(本音)「愚問。無視」
トール・ファイユの場合
(ブリューゲルの時は)「私に恋人ができるかはわかりませんが、お二人方ともできる限り助けさせていただきますね」
(本音)「家族の命令に従います」
クロウ・ファイユの場合
「こっちの大切な人達は殺しても死なないような人達だから〜、トール君とヨシュア君だったら助けるかな☆」
野澤沙織の場合
「二人とも助けるに決まっているでしょう」
雨宮拓都の場合
「うーん………選べないかな」
名前の出ていない義妹の場合
(演技中)「二人とも……助けるよっ!」
(本音)「利用価値の高い方♡」
名前の出ていない〜ッスの場合
「主の御心のままにッスよ」
名前の出ていない関西弁の場合
「お姫さんの一存やなあ」
本名の出ていない陰の場合
「主様の仰せのままに」
すみません、ヨハンは間違いです。ヨシュアです。一幕に名前だけ出てきたトールの弟です。




