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巫女姫と魔法の暗殺人形(仮)  作者: 榊 唯月
桜舞う季節
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19/50

八幕:運命(演者・・・春日美久)

春日朱美(あけみ)

美久の母。娘思いのいい母親だが、時々からかうなどお茶目な一面もある。

「ママ、なんと、なんと……受かっていたです」


「よかったじゃない、美久。やったわね。後は面接だけね。ああ、でも、面接は一人で大丈夫? 最近物騒だから。要人連続殺人事件なんて起きているし」


 面接会場の最寄駅から面接会場までは大した道のりでもないですし、私はもう子供じゃないです。それにあの事件は世界中のお偉いさんばかりが狙われてるです!


「大丈夫です!!」


 ふいー、ワーイ。ついに、ついに……この私春日美久、私立凰璃学園中等部、筆記試験に合格したのです!もはや、一生分の運を使い果たした気分ですよ。


 私立凰璃学園、それは私立でありながら学費は破格の安値、富豪の人なんかも通う中で一般家庭の人だろうと筆記試験と面接試験に合格すれば、学費はそこらの公立並、成績によると無料(ただ)でさえ行けてしまう学校なのです。しかも美形揃(ぞろ)いと評判で、芸能人さんも多く出しているのです。


 そして一般の人は学園内に入れなくて、セキュリティも万全です。なので、面接会場は別の施設を使っているです。


 よし、明日は面接、頑張るです!!!



 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



 で、何で私は知らない人達に火で脅(おど)されているですか。……伸ばし中の黒髪が、チリチリ言ってちょっと焦げてるです!


 面接会場の最寄駅から面接会場に行こうとしたら、なんだかこっちの道通りたいなと思ってしまったです。人通りの少ない、道なのにです。そしたら、いきなり知らない人に蹴り飛ばされたです。……痛いです。幸い、下が土だったのでそこまで痛くはなかったですけど。それでも、痛いものは痛いです。


 ……ママの忠告、聞いとけばよかったです。見栄(みえ)張って一人で来ないで。


「ちっ、かかったのは1人か。もっとかかると思ってたのによ」


「まあ、あんまおおっぴらにやってもバレるからな。ちょうどいいんじゃね?」


「中々の上玉だしな。さて、声なんか出すなよ。お前が声を出すより、この火炎がお前を焼くほうが速いからな」


 人を、焼く。3人のちょっとぽっちゃりとした私と同い年であろう男の子達は、そんなことにまったく抵抗感がないようです。私を蹴り飛ばして、頭でも打っていたら重傷だったかもしれないということも、気にしていない様です。


 怖いっ、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い


 燃え盛る火の玉は簡単に私を焼けそうで。彼らは容易にそれを実行しそうで。私は黙っていることしか、できないです。じわり、と目から涙が出てきたです。ママ、パパ、誰か助けて!


「失礼いたします」


 綺麗な、声が聞こえた、と思ったら、3人とも倒れていたです。ついでに、火の玉も消えていて。いつの間に?


 声を出して、多分、3人を倒してくれたのは、綺麗な銀髪の男の子です。眼を怪我(けが)しているのか、目元には包帯がぐるぐる巻いてあるです。目は、見えてるですか?前も見ずに歩けるだなんてすごいです。あと、黒い長袖長ズボンの服を着て、黒い手袋をしてるです。


 あ、お礼を言っとかないと、です。


「あ、あの、ありがとうございました、です」


 彼は白いハンカチを取り出して、服の汚れ(土)を落としてくれたです。そして、もう一枚ハンカチを取り出して、私の手に置くと…(土で汚れたハンカチは回収してくれたです)


「涙はそれで拭(ふ)いてください。返していただかなくて結構ですので。それでは、失礼いたしますね」


 彼はそう言ってさっそうと立ち去っていったです。その姿は、まるで本に出てくるヒーローの様で。


 胸が、すごくドキドキしてるです。


 今の……ヒーロー君(仮)も凰璃学園の面接を受けに来たならば、なんとしてでも面接に合格しないとです。って、面接試験の時間がっ。まずいです。


 あ、このポッチャリ三人組はどうしたらいいです?放置、でいいですかね……




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