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スノードロップな君が読む物語 ~Record the change of the world~  作者: フリーライダー
変 揺さぶられる心
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56.誰が為の戦いか

リノアが勇者一行と合流して、

無数の魔法陣を発動していた頃ーーー


□正門近くの兵舎では、


「「ホレホレまだまだ後が控えてるのだ!!

モタモタするでないぞー!」」


先程から副長の声がうるさい。

充分な広さがある兵舎の中でも、

普段の数十倍、というか殆どの兵士が

一斉に集まっているのだから無理もないだろう。



非番でいなかった者は鎧に着替え、

正門の守りについていた兵達は

出撃に備えて各自で装備を改めている。


そんな中、1人の若者が受け取った剣を抜くと、

鞘から《ガリガリッ》と茶色い錆を削りながら

みすぼらしい刃が現れた。


若い兵士

「んぁ!?....汚っねぇなぁ。

他の剣をよこしてくれ!」


彼らの手にする武器はどれも

ホコリを被り、端々に錆びや刃こぼれが

目立つのが多い。



当然だ。人も武器も、オラコールそのものが

平穏過ぎる日々に眠りこけていたのだから。





ーーーーーーーーーだが、俺は違う。


ただの平凡な兵士

『ティアド・ランダース』はな。


俺の剣は鞘から出せば、

《シュ》と滑らかな摩擦音と共に

俺の顔を映すほど磨かれた刀身が覗く。


上着、鎧、バックルを結ぶ全ての紐。

金具を穴に通したベルトの端も

全て解けることのないように2重に結んだら、

さっさとこの男共だらけのむさ苦しい

兵舎から出る。



****************



俺の一族は数世代前までは、

名の知れた騎士の家系だった


親戚達の中には未だに過去の栄光を

誇らしく語っている奴もいるが、

聞いた話は俺から言わせればお粗末なものだ。


祖先達の最後はみな己の強さを過信し、

騎士の誉れに酔いしれて無謀な戦場へ飛び込み、

呆気なく死んでいったのだ。


男共がそんなだから、

我が一族はゆっくりと廃れたのだ。

だから、父も俺も身に染みてわかっているのだ。


『くだらないものに固執するな。

常に生き延びる事を考え、その為に備えろと』


***************



□正門前広場

老いも若きも入り交じる兵士の間を掻き分け、

出来るだけ中心へと向かう。

だが適当に歩き続けているうちに、

ごちゃごちゃとした市民兵の列とは対象的な

騎士団の列に脚を踏み入れてしまった。


ティアド

「おっと」


馬に乗った騎士は揃って黙り込み、

真っ直ぐに前を向いている。


流石に連中は普段の訓練の練度と士気が

高いだけあって支度が早い。

既に相当数の騎馬隊が正門の扉前から

列を連ねて出撃を待っていた。


ティアド

「大したもんだ」


だが、死に急ぐのは関心しない。


俺は踵きびすを返して、

また頼りない兵士諸君の中に紛まぎれる。


ここの兵士と騎士は両極端すぎるんだ。

指揮官がどんな作戦を練っているのか

知らないが、俺は.....



エレット

「「おぉーーーい!!ティアド!!」」


カータス

「「こっちだぜーーーーー!!」」



ふと聞こえたのは、この街で知り合った愉快な友達。


栗色の髪と瞳で、普段は農夫の太ったエレット。

小麦色の肌に高い鼻、口と顎にカッコつけた髭を

生やしたカータスの声だった。


いつも気の抜けたトークを繰り広げている

2人には、俺も笑わせてもらっているが、



ティアド

「・・・・・冗談だろ...」


予想外の2人の格好は笑えなかった。


本当にその格好で戦に行くつもりなのかと、

自分の目を疑わずにはいられない。

益々不安になってくる・・・




56.誰が為の戦いか


ごった返す兵士達の中でも、

真面目な農夫エレットと

ひょうきんものカータスは異彩を放っていた。


友であるディアドはそんな2人の姿に呆れながら、

とりあえず呼ばれたので近づく。


ティアド

「よぉ・・・・・・

お前ら何か勘違いしてないか?

今から本物の戦場に行くんだぞ?」


エレット

「ああ、そりゃそうさ。

だから俺はこうして完全防備できたんだ!」


エレットは胸のプレートをカンッと叩く。


カータス

「中身は脂肪たっぷりだけどな。

けど見てくれは立派なもんだろぉ?

ハハハハハハッ!!」


全身を金属板で覆う鎧に

エレットのデカい図体との相性は良く、

屈強な戦士のような見栄えだが、


ティアド

「こっちから敵陣に攻め込むって時に

そんなガチガチのフルプレートを

着るバカがいるか。

動きづらい上に、重さと通気性は最悪だ。

体力が持たないぞ。

せめて下半身のは外して、革のに替えて来い。

・・・それに剣はどうした?」


彼の体には剣も鞘も見当たらない。

代わりにその腕に握っているのは、


エレット

「俺なんかが剣を振ってもたかが知れてるだろう?

だから戦士バーグのように、

俺もハンマーで敵を叩きのめすのさ!」


カータス

「いーやっエレット。

お前が握ってんのはハンマーじゃなくて、

ただの農具の木槌だぜw」


エレット

「うるせぇなぁ。

鋼鉄のハンマーなんて持って歩けるわけないだろ。

それに普段から作業で使い慣れてる

こいつの方が扱いやすいんだよ」


ティアド

「・・・まぁ、一理はあるかもな。

少なくも、隣りの丸腰のバカよりはましだ」


ティアドの呆れた視線はカータスに移る。


真面目なエレットとは打って変わって、

彼の服装もまた本人の性格を表している

ようなものだった。


歩きやすいしっかりとした長ブーツ。

ゆとりのある服の上にフード付きの

長コートを羽織っている。

兵士というより、まるで旅人のようだ。


カータス

「俺が丸腰だってぇ?.....へへっ!

まさかっ!」


笑いながらバッ!っとコートの裏を開くと、

内側に10数本、腰のベルトに数本の

ナイフが隠し備えられていた。


ティアドはこの時察した。

カータスはアサシンの真似事をしていると。


カータス

「どうだ!たまげたか!?

遠くの敵や油断して近づいた奴を、

俺の百発百中の投げナイフの餌食にしてやるぜ!」



ティアド

「(バカが・・・)」


ティアドは参ったと言わんばかりに

手で額を摩る。


エレット

「懐の全部投げちまったらどうすんだよ?」


カータス

「おいおい間抜け質問をするなって。

戦場だぜ?剣なんざ敵や味方のが幾らでも落ちてる。

そいつで斬るか、投げれば...」


能天気なカータスの考えに、

ディアドは口を挟まずにはいられない。


ティアド

「そんな都合良くはいかない。

馬や敵味方の足が入り乱れて地面を踏みつける中で、

這いつくばって武器を拾えるか。

...いいか2人とも、剣は必ず1本は

常備しておけよ。じゃあな」


そそくさと立ち去ろうとするティアドに、

カータスとエレットは首を傾げる。


カータス

「ちょちょ、何処いくんだよ?」


ティアド

「お前らよりもっと前の列だ。

俺は手柄を取りに行くからな」


友の口から出た意外な言葉に驚く2人。


エレット

「手柄?お前が?なんの冗談だよ?

平穏な街で悠々自適に暮らしたいから

ここに来たって言ってたじゃないか」


少し考え、間を置いてから答える。


ティアド

「・・・この際だから言うが、あれは嘘だ。

実は俺は放浪の剣士をやっていてな。

ここへ来たのは当面の物資や資金調達。

それから騎士や城塞をこの目で1度しっかり

観察したかったからだ。

そんで丁度今、名を上げられる戦場が

現れたってわけだ」


突然のカミングアウトにエレットは

戸惑っていたが、カータスは興味深々の様子。


カータス

「なら騎士団に入隊すれば良かったじゃないか?

その方が着実に名を上げたり昇進出来るんじゃ...」


ティアド

「騎士は面倒な儀礼や礼節だの、

無駄なこだわりや規則に縛られている。

そんなのはごめんだ。

俺は賢く戦って、生き残るのさ」


カータス

「・・・イカしてんなぁ!

流石はティアドだぜ!

いや!俺はうっすら気づいてたんだ!

コノヤロウは何かを奥底に秘めているって!!

目が俺らと違うってな!!

ヨシッ!エレット!俺達もこいつに

付いて行こうぜ!!」


エレット

「ハァ!?なんでわざわざ俺まで!

大体俺もお前も戦ったことないだろう!」


ティアド

「勘弁してくれ。おもりはごめんだぞ」


カータス

「おぉーい連れねぇなぁ!

友達だろう!俺達3人で英雄になろうぜ!」


エレット

「俺は今の生活で充分だ」


ティアド

「その軽過ぎる口と考え方が死を招き寄せるんだ!

巻き込まれるのはごめん...」


???

「あのぉー」


ティアド

「なんだっ!?」


若い兵士

「このガントレットの紐を結んでくれないか?

1人じゃどうにも...あれ?...このっ」



ティアド

「・・・どいつもこいつも...」



ーーーーーーーーーーーーーーー



□正門上の城壁では、

副長と隊長が正門に集った兵士騎士を

見渡していた。


騎士隊長

「日々の訓練の成果でしょう。

全騎馬隊は準備万端です。

残りの一般兵士達も、作戦中には(そろ)うでしょう」


副長

「なんとかここまできたか・・・

おっ、(ようや)くお出ましか?」


団長

「・・・まったく。

ここにくる途中に兵共の顔を覗いてきたが、

何ともお粗末なものだ。

ベチャクチャと話したり、

装備もまともに身に付けられない者もおったわ」


副長

「仕方なかろう。そっちの気高き騎士と

ウチの連中を比べるな。

それより、我が策は理解できたか?」


団長は塀の上にオラコールとロービン野原が

描かれた地図を広げる。

地図上には既にインクで印やメモが

いっぱいに記されている。


隊長

「概要は把握したが・・・

こんな大胆かつ大規模な作戦が果たして

上手くいくのか」


険しい表情で地図を凝視する団長。

隊長も城内やリノアが引っ掻き回している

ロービン野原を見渡して、

これからの事を想像すると息を呑む。


副長

「こちらは物量だけが唯一の強みだ。

なればこそ出し惜しみせず、

出来るだけ一人一人のリスクを減らし、

堅実に、素早く遂行する必要があるのだ。

それに、皆の顔を見てみろ・・・」


眼下に広がる部下達はみな、

ここに来る途中で家族や恋人に見送られきた。

今生の別れになるやもしれない中、

涙を浮かべる街の人々の姿も見受けられる。


穂波の演説で一時は存在価値を見出した

戦士達だったが、いざ戦うとなれば死の恐怖や

家族と別れる恐れが湧き出てくる。


中年騎士

「無理もあるまい。

年寄りに、昔は悪ガキだった奴ら以外は、

全員が実戦経験が皆無なのですから。

とは言え、このままでは士気が心配だ」


忠臣の言葉に更に頭を悩ませ考え込んでしまう団長。

すると見兼ねた副長は、

城壁の上から皆に注目するように呼びかける。


副長

「聞けぇぇぇい!!皆の者!!!

団長からお言葉があるぞぉ!!」


団長

「なっ!?」

城壁の上に視線が集まる。

だが当の本人は訳が分からずに

副長に詰め寄る。


団長

「(おい!貴様!なんの真似だ!?)」


副長

「(皆を鼓舞しようとおもったのだが、

ワシは口下手な事を忘れておったわ。

こういうのはお主の方が向いとる。

頼んだぞぉ〜)」


わざとらしい口調と髭に隠れた笑みが

腹立たしいが、こうなっては仕方がない。

どの道避けられぬ事だと、大人らしく

覚悟を決める。



団長

「・・・ンゴォホンッ!ン...ンン....

我々はこれから敵陣に突撃する!!


だが目的は敵の討伐ではない。

勇者殿と従者達を無事に街まで

帰還させることが我らの使命!!

騎馬隊による突撃の後、

兵士は退路を囲い守りを固める。

そして勇者一行を確保でき次第、

全軍で一気に退却するのだ」


作戦を理解する兵士・騎士達。

その顔は多くが見慣れた顔ばかり。

小さい頃から知っている者も多くいる。

しみじみと一人ひとりの顔を見回す団長。

一刻を争う状況だが、ゆっくりと続ける。


団長

「諸君らの殆どは、今日が初めての戦闘だ。

不安も恐怖も当然あるだろう。

・・・兵や民の憧憬(どうけい)となる戦士がいれば、

さぞ心強かっただろうが・・・・・

残念ながら私には輝かしい実績も若さもない」


副長

「・・・・・」

隊長

「・・・・・」


団長

「だが忘れてはならない!!

我々が戦うのは地位や金、名誉の為ではない!!

兵士としての義務や!

騎士の誇りを守る為などと言った、

大層な名目などはどうでもよい!!

我々に出来る事。

我々にしか今出来ない事はただ一つ!!」


全ての戦士がその言葉に聞き入る。


団長

「このオラコールを!!

家族や友人!愛する者を!!

共に戦う仲間を守り抜く!!

ただその為だけの戦なのだ!!」


口元が力む。手に力が入る。

皆が戦う目的を。

命をかける意味を何度も言い聞かせる。


団長

「彼処で我々の代わりに命を掛けて

敵を食い止めてくれた勇者達を、

この地で死なせてはならぬ!

彼らは我々だけでなく、全ての人類の

希望なのだ!!!


ここにいる全ての戦士達に命ずる!!

臆すること無く敵を蹴散らせ!!

敵の戦列を押し返し、勇者達を救出せよ!!

そして!!」


団長は剣を抜く,


団長

「皆で生きてこの場に帰るのだ!!!」


一斉に剣が抜かれ、何千人もの剣が空に掲げられる。


戦士達

「「「オオオオオオオオォーーー!!!!」」」



団長

「我らのゆく道に!!

精霊の御加護があらんことを!!」



戦士達

「「「精霊の御加護があらんことを!!!」」」




機は熟した。

団長達指揮官は城壁から下へと階段を

降りていく。


団長

「副長。楔型突撃陣形で敵の包囲網を押し割り、

勇者殿を確保したら速やかに撤退でいいのだな?

殿(しんがり)は私が務める」


副長

「ああ。背後と帰路はワシらに任せとけ」


副長の息子ハロルド

「親父。ありったけの馬車をかき集めて

もらったが、重装歩兵だと1度に

運べるのはせいぜい60人弱だそうだ」


副長

「致し方ないな。先手を撃つのはこちらだ。

最初は敵も守りに徹する他なかろう。

まずは第1陣、第2陣に全力で野原を

駆け抜けてもらう」


団長

「急がずとも、そう容易くは崩されぬ。

この時の為に皆、鍛錬してきたのだ」


隊長

「はい。お任せ下さい!

我らの土地に汚い足で踏み入り、

勇者殿を傷付けた魔の者共に

正義の鉄槌を下してみせましょう!」



振るい立ち意気込む隊長。

ところがーーーーー





団長

「・・・隊長には、都の防衛を一任する」


隊長

「なっ!?」


副長親子にとっても衝撃的な命令だった。

隊長は団長の命令に納得がいかず、

怒りを顕にする。


隊長

「団長!!どういう事ですか!!」


戦場では勇者達が、リノアが耐え凌いで

助けを待っている。

リノアに関しては自分が頼んで送り出した。

それだけに誰よりも焦り、急ぎながら、

堪えて出陣の時を待っていたのだ。

そんな隊長にとって、団長の命令は

あまりにも酷なものだった。


前を歩く団長は構わず続ける。


団長

「どうもこうもない。お前は指揮官だ。

この場を取りまとめる者も必要...」


隊長

「「父上!!!」」




隊長の口から思わず出た言葉に、

団長は立ち止まる。


隊長

「貴方はこの期に及んで、

まだ私を信頼して下さらないのですか!!

今までだって騎士として真面目に生きてきました!!

それを、皆が戦いに行くという時に私だけ....

何故です!?」


失望・落胆・怒り・悲哀。

裏切られた気さえした。


声を荒らげる隊長にハロルドは同情し、

つい意見を挟もうと口を開けるが、


副長

「おい。先に行ってるぞ」


副長は前にいる息子を強引に押す形で

階段を降りていく。


ハロルド

「お、おい、親父...でもよぉ」


団長

「あぁ、悪いが先に行って、

直ぐに出発できるようにしててくれ」




ーーーーーーーーーーーーーーーーー



ハロルド

「なぁ、他人の事情に首を突っ込み

たいわけじゃないが、

流石にあれはないだろう?

アイツがこの戦いに掛ける想いの強さは

相当なもんだし、指揮官としての実力だって...」


副長

「やっぱり、まだまだ青いガキだな。

まぁお前はウチの家で生まれ育ったから

それしか知らねぇのもしょうがねぇが」


ハロルド

「ハァ?」


副長

「・・・親子だからこそ...だろ」



ーーーーーーーーーーーーー


薄暗い階段、窓から差し込む光の前で

向かい合う父と子。


団長

「・・・他の者がいる手前で、

父と呼ぶなと言っておるだろう。

公私混同。分別がつけられないと思われては...」


隊長

「では先の命令は、私が一騎士として

頼りないからでしょうか!?」


団長

「そうではない!・・・・そうではない。

我々は勇者という希望を守る為に戦うが・・・

私にとっての希望はそれだけではないといことだ」


未だ理解出来ずに熱い視線を送る息子の左肩を、

団長は肩当て越しに強く握る。


団長

「私にとって最後に頼れる、(すが)る事の出来る

希望とは・・・・・他の誰でもないお前だ」


隊長

「!?」


団長

「これからどれほどの犠牲者が出るか。

これよりすべての責は私にある。

例え作戦が成功しても、籠城した後に

私や熟練兵士がどれほど生き残っているか。

或いは籠城の果てに全軍を率いて、再び勇者達と

共に戦う事になるやもしれん。

考えれば考える程、不安は拭い切れなくなる。

だが後を継ぐ者がいれば、人は迷いなく戦えるのだ。

例えこの命が尽きようともだ。」


隊長

「そ、そのようなことを・・・」


団長

「暗雲で陰る時代とはいえ、

若者はより華やかな場所へと行きたがるものだ。

だが、お前はこのつまらぬ辺境の地で文句一つ

言わずに厳格な騎士の道を貫いている。

お前は立派だ、いつも感謝している。


だからこそ、お前に託したいのだ。

わかってくれるな?」


初めて知った不器用な父親の思い。

本当は己の手で憎き敵を打ち倒し、

勇者やリノア、仲間たちと共に戦いたい。

けれども隊長は親心を汲んで、

心の昂りを抑える。


隊長

「父上・・・っうぅ・・・

わかりました。どうかご武運を。

精霊の御加護があらんこと」


団長

「うむ」



込み上げてくる感情を堪えながら、

敬礼で送り出す。

最後になるかもしれない、後ろ姿を見詰めながら。

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