55.渾身の時間稼ぎ
《ボガァァァァァア!!!》
《ビチャビチャ!!》
《バチバチバチバチ!!バチーーン!!》
スケルトンリーダー
「ケイツィィーーーイッ!!」
リノアの仕掛けが作動すると、
名誉挽回に燃えるスケルトン達は
あえなく四散していった。
ある場所では地面から炎が吹き出し、
また場所では水が染み出してぬかるみ、
かと思えば雷が落ちたりと。
一気に天変地異が起きたかのような有様だった。
亡者達は炎に燃やされ、ぬかるみで滑り転げ、
雷に打たれて弾け飛んでいく。
アクト
「す・・・すごい」
イノス
「またバラバラになりましたよ!」
バーグ
「こりゃあ一体どんな魔法なんだ!?」
リノア
「まだまだこんなもんじゃないですよ...」
リノアは引き攣った笑みを浮かべる。
すると今度は、魔王軍の至る所で
次々と怪現象が起こり始める。
ブルブルプルプル!
ゴブリン「ンン?」
オーク「アア?」
ある場所の魔族達の手元が震え、
次第に手にしていた武器や盾が宙に浮いてゆく。
オーク
「ナァ!?」
ゴブリン
「コノッ!コノォ!」
抵抗虚しく武器は持ち主の手を離れて空に飛び、
重力ですぐに主の頭上に落ちてくる。
《ボト!ボト!!ドゴッ!ズンッ!!》
ゴブリン「イデェ!!」
オーク「グハァ!?」
トロール「ブオオオ!!」
ゴブリンの防具の金具や紐が外れる。
ゴブリン「ノォッ!?」
小型の竜巻が発生し、
見境なく巻き込み吹き飛ばす。
魔族
「「ノォォォアア!!」」
ーーーーーーーーーーーーー
その他にも
ゴブリン
「ゲホゲホッ!?煙リダァァ!」
「火ダァァァ!ニゲロォォォ!!」
「グェェ!!何モ見エネェェェ!!」
土煙や黒い煙幕が舞い上がったと思えば、
ピカッ!!
「「「ギャアアアァ!!!」」」
眩い閃光が目をくらます。
《ギギギギィィーーー!!ギィィーーー!》
不快極まりない騒音が耳をつんざき、
トロール
「ヌノォォォォォオ!!」
オーク
「イギァァァァ!?」
雑草が異様に伸びて襲いかかる。
マンティスリーパー
「ビビィ!ギギィィ? 」
急に眠りだすトロール。
「Zzz〜〜」
また、地面に2つ以上の異なる魔法陣が
重なって光り現れた時は、
《《ボガァァァーーーン!!》》
その場所で爆発した。
□城壁
隊長
「リノア・・・・・・
あんな危険なモノを野原に仕込んでいたとはぁ!!」
知らぬ間に、予想以上に危ないモノを、
しかも街のまん前に仕掛けていた事に対して
怒る隊長だった。だが、
騎士
「まぁそうですが、これ程の威力ならば、
さっさと使って貰えば良かったですね・・・ね?」
隊長
「・・・・・・」
これには返す言葉がなかった。
ーーーーーーーーーーーー
総戦力2000の魔王軍が、
オラコールの自称魔道士の青年によって、
大混乱に陥っていく。
デスピア
「ナ、ナンダコレハァァァ!?」
慌てふためくデスピアを他所に、
将軍ジェネラムだけは冷静に状況を観察していた。
斬裂将軍ジェネラム
「・・・ミデュラ、これは噂に聞く
大規模魔術というモノか?」
魔術参謀ミデュラ
「そんなバカな!!
あの女がそんな魔法陣を仕掛ける
時間はなかったはず・・・まさか
あのメガネの適当な呪文!?」
ミデュラはしゃがんで地面に両手を
かざし、
瞳を閉じて意識を集中させる。
ミデュラ
「どんな小細工だか知らないけど、
元を解いてしまえば・・・・・ハ?
ハアァァァァァァァ!?!?
ナンなのコノ無茶苦茶な魔術回路ハァァ!?」
ミデュラは地中の魔力を探って
頭の中に投影していた。だが、
その結果写ったのはーーーーー
至るところに散りばめられ魔法陣。
それらをとにかく結び繋げる線。
複雑に重なり合い、
あれやこれやと入り組んでいる
リノアのめちゃくちゃな配置の魔法だった。
めちゃくちゃに絡まった糸を解くように
ミデュラは両手の指先を小刻みに動かすが、
辛抱堪らず震え出す。
ミデュラ
「コンノォ...クゥーー!
・・・ンア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!
ンッギィィィーーーーーー!!!」
ピクピクと瞼を釣り上げ、
こめかみに血管を浮き上がらせるほど
その煩わしさに腸を煮えくり返らせる。
ーーーーーーーーーーーーーーー
リノア
「ほぼ毎日この野原で魔術の練習と実験を繰り返した。
その時の魔法陣を布や鉄板などに描いたり、
刺繍でいれたり、彫り込んだりしては
埋めて置いていったんだ。
いざという時には、これを一気に
発動させて街を守る為にね」
フォロア
「いやいや!どんだけ危険なことしてんのよ!?
それに、一斉に魔法陣を発動させるなんてっ!!」
リノア
「試行錯誤して実験を繰り返すうちに
ようやく見つけたんだ!
遠連絡用の会話魔法を繋げて、
あらかじめ呪文や詠唱を途中まで唱えておいた
魔法陣に、文末の最後の文字を伝達すると
ちゃんと発動するんだ!
まだ仕組みまでは不明だけどね。
ものによっては・・・」
《ドパァァァァーーーーン!!》
地面が吹き飛び、煙が舞う。
リノア
「あんな風に干渉して暴発するし...
でも、トラップには最適だろう?」
《ポフッ!》
アクト達の結界の中で、1輪の花が咲く。
イノス
「なんともまぁ...君も随分無茶をしますね」
バーグ
「ああ、相当クレイジーだぜ!
そんなお前のおかげで助かったんだ!!
こんな所まで命懸けで来てくれて、
マジでありがとうなっ!!」
自分の肩に手を置いて礼を言う
熱いバーグの真っ直ぐな感謝の言葉に、
リノアは照れくさそうに頷く。
リノア
「う、うん。どういたしまして」
フォロア
「めちゃくちゃなやり方だけど、
おかげで時間稼ぎにはなりそうね。
でもこのままじゃどの道手詰まりよ!」
アクト
「・・・」
やはり様子の優れないアクトの事が
気になりつつ、リノアは全員に希望が
ある事を伝える。
リノア
「大丈夫さ!
もう少し...あとは信じて耐えていれば...」
リノアはやれるだけの事をやった。
あとは、今は遠きオラコールに望みを託す。
どうも( ̄▽ ̄)ゞフリーライダーです。
せっかく上がった投稿ペースが、今回また遅れてしまい
申し訳ございません。
はなさか氏の多忙と、自分の挿絵の遅筆さが重なり
お待たせしてしまいました。
最近ちょこちょこ読んでくれてる人がいるみたいで、
頑張ってどんどこ投稿しなければとは思ってますが、
自分自身は子どもの頃からアニメ・漫画派で、
小説はキノの旅ぐらいしか買って読んだ事はなかったのです。
(あとは、友達に借りた生徒会役員共かな)
そんな自分なので、時々1枚でも出てくる小説の挿絵は
結構嬉しかった記憶があります。
なので少しでも視覚的にも楽しんで貰えてイメージ
しやすくなる挿絵を挟んでいきたいなぁという考えから、
定期的に間のあく期間もありますのでご了承下さい。
あと、今回の挿絵も素敵な魔法陣のフリー素材に助けて頂きました。
モギラ様(https://www.pixiv.net/member.php?id=799584)
愛羅様(https://www.pixiv.net/member.php?id=1324363)
翡翠様(https://www.pixiv.net/member.php?id=7439648)
そして、よくお世話になってる
朧様(https://www.pixiv.net/member.php?id=9420573)
ありがとうございましたm(_ _)m




