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異世界でギルド経営  作者: materialism
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ギルド再建計画

翌朝になり、朝食を腹一杯に食べる。

結局、朝食を食べられるだけ食べて、

食費を浮かすことにした。


幸いなことに、パンのお替わりは自由だったので、

パンを食べられるだけ食べる。

「よく食べますねえ。」

看板娘がビックリするくらい食べていると、

ユンゲルスさんとユンガーさんが、現れた


「ここは朝食が美味しいので、たまに朝食だけ食べに来るのですよ。」

と言う。


一緒に食べることになった。

ちょうど良いので、ギルドについて

情報収集をしてみる。

「ギルドの経営は本来は自主採算でやっていたのですが・・・」

「つい最近、破綻しまして。」

「誰も引き受けようとしなかったので、現在は王様が役人を派遣して運営しているのです。」

なるほど、実質的な経営者は王様なのか。


そのあとは、街をほっつき歩いた。

特にすることも無いからな。

と言っても、街中に何があるのかよく分からない状況で、

ふらふらしても、どこに行っていいか・・・


特に目的地もなく、ぶらぶらしていると、

立派な装束に身を包んだ役人風のおっさんが、

チンピラを追いかけていた。


また、どこかで見たような光景だなあとスルーしようとすると、

役人風のおっさんが叫んだ。

「あいつを捕まえてくれ。お礼はしっかりするから。」


それなら話は別だ。

チンピラを追いかけて捕まえる。

随分追い回されていたのか、チンピラは既に息があがっていた。

簡単に捕まえることができた。


捕まえたは良いが、実はチンピラの方が正しくて、

おっさんの方が悪なんてことになったら目もあてられない。


おっさんが来るのを待って、両者の言い分を聞いてみることにした。

ちんぴらの言うことは筋が通らず訳が分からなかったが、

おっさんが言うには、チンピラが大事な荷物を盗ったのだと言う。


見てみると、チンピラには似つかわしくない荷物を持っている。

渡してもらい、中を覗くと封書が入っていた。

この封書が大事な荷物なのだろうか?


「早く荷物を返せ。」おっさんが偉そうに言う。


どうにもおっさんの態度が悪いので、

本当に持ち主か、この封書の内容を言わせて、

確認させてもらった。

この封書の内容は、ギルドの再建を請け負うという話だとのこと。

「明日の朝一番にお城に出向き、その手紙を王様に渡さねばならんのだ。」と言う。

だが封書なので中身の確認をする訳にもいかず

結局、確認できないまま荷物を手渡した。

お礼も貰えなかった。


だが、お礼なんかよりも、あるアイディアが閃いた。

そこで宿屋に戻り、資料の作成を始めた。

ギルド再建のための資料だ。これを今日中に仕上げなくては。


翌朝、俺は意気揚々とお城に向かった。


「すみません。王様に話があるのですが、入れてもらえませんか?」

「ダメに決まっておるだろう。」と門番は言う。


しばらく押し問答をすることになった。

そうしているうちにマテウスが出勤してきた。

マテウスさんは俺の話を聞き

「そういうことであれば入れてあげてもいいんじゃないか?腐っても元勇者なのだし。」

腐ってもは余分だと思ったが、

なんとか、お城の中に入れてもらえた。


お城の中に入ると、黒いドレスの女性が話しかけてきた。

「マテウスさん、なぜ、その方を連れていらっしゃるのです?」

「おおメランさん、それはかくかくしかじかで・・・」

とマテウスさんが説明をしてくれた。


王様に話をさせてもらえることになった。

それにしても黒いドレスの女性はメランという名前だったのか。


メランさんに連れられて、王様に謁見する。

もう3度目か。


王様の前で、昨日仕上げた資料を使い

ギルドの立て直し計画についてプレゼンを行う。

現実社会で身につけたプレゼンの技を駆使する。


ギルドのあるべき姿、現状の問題点、解決策、

何もしなかったときの予想と、

問題を解決できたときのメリット・・・

自分でも上手く説明できたと思うが・・・


臣下たちが俄かに騒ぎ出す。

「このような計画でギルドの立て直しができるとは到底思えんな。」

「ならば、お主には他に計画でもあるというのか?」


「意見がある方は堂々と述べたらいかがですか。」

と、メランさんの一声で、皆黙り込んでしまった。

誰も責任を取りたくないのだろう。


最後にもう一度お願いをする。

「陛下。是非とも私にお任せください。」

「うむ・・・」

王様はまるで眠っているかのようだ。

ここまでか・・・


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