ギルドの問題
申し込みは済ませたものの
ギルドカード作成に3日かかると言われた俺は、
一日中、ギルドの掲示板を見て過ごした。
しばらく掲示板を眺めていると、
ほとんど冒険者たちは窓口に寄らずに
去って行く。
意外とみんな慎重なんだなと思っていたのだが、
なんだか奇妙なことに気づいてしまった。
この掲示板には王都の住人であれば誰でも
依頼を掲示できるらしい。
流石に、賞金首の掲示板には、
近衛兵か警備兵以外が貼り出したりはしないように
なっているようだが、他は自由のようだ。
連絡先が書いてあるものも多く、
窓口を通すよりも直接依頼人と
取引してしまった方が、
ギルドの取り分が無いだけ、
お得ということのようだ。
これでは余程真面目な冒険者以外、
ギルドの窓口を通さないだろう。
どおりで窓口が空いているはずだ。
俺が「初めての方」だと分かったのも、
窓口を利用するのが初めての人間が
ほとんどだからか。
一応、確認はしておこうか。
また窓口に向かう。
「あのー」
「・・・なんですか?」
閉じていた目がビクッと開く。
「起こしてしまってすまないが・・・」
「いや、起きてましたよ。」
「・・・」
「・・・」
しばらく見つめあってしまった。
気をとりなおして尋ねてみる。
「依頼を出したいときはどうすればいい?」
「この用紙に書いて持って来てください。」
見るからに貼ってある用紙とは異なる用紙を渡された。
ああ、このギルドはダメですわ。
だから高額な依頼が無いんだな。
本来であれば、依頼がギルドの窓口を通すことによって、
収入があるはずなのに、ほとんどの依頼が窓口を通らないため
収入にならない。
窓口を通る依頼も、城の前の掲示板に貼ってあった
詐欺師のような輩に前払金だけ盗られる始末。
要するに、舐められているのだろう。
15時になり、ギルドが閉まるというので、
宿屋に戻った。本当に銀行みたいだな。
宿屋のベッドの上で考える。
腹が減るのを我慢して昼食は抜かしたので、
残り金貨は80枚だ。
賞金稼ぎを始められるまで3泊はするので、
そこまでで金貨は50枚になってしまう。
そこから昼食代と夕食代を抜くと、
ギルドカードが出来上って賞金首を捕まえる前に
一文無しになっていそうだなあ。
さて、どうしたものか?




