決着
臣下たちは騒ぐが、王様は特に何の反応も示さなかった。
ここまでか・・・そろそろだと思うんだがなあ・・・
そこに隣国の使者が現れた。
お礼をくれなかったおっさんだった。
「遠路はるばるご苦労であった。」
王様でも、この使者には気を使っているようだ。
使者は手紙を王様に手渡す。
手紙を読む王様の手が、
微かに震えだしたのが分かる。
「して、ご返答は。考えるまでも無いと存じますが・・・」
「うむ。確かに考えるまでも無いな。」と王様は深く頷いた。
「ユーキ殿、ギルドの立て直しを命じる。使者殿は帰国の準備を。」
使者が慌て出す。
「陛下!それは我が国からの支援は受けないという意思表示となりますぞ!」
「控えなさい。陛下の御前です。」
メランさんがピシャリと言う。
ここまで上手く行くとは。
俺は会心の笑みを隠すために
深くお辞儀をしながら
「承知いたしました。微力ながら粉骨砕身努力いたします。」
と返事をした。
この勝負、勝った。
俺には有力な情報があった。
使者が手渡す手紙の内容により王様の機嫌を損なうであろうこと、
ギルドに関わろうとする人間が王都にいないこと、
もちろん再建計画自体も俺が考え抜いた力作ではあるが、
それ以上に、今回は上記の要素があったからこそ、
勝率の高い賭けになった。
もちろん100%なんてものじゃない。
王様の性格がもっと大人しいものであれば、
この賭けは成立しなかった。
手紙の内容が、寛大な支援を約束するものである
可能性もあった。
勝つ確率は、80%くらいではあったろう。
ただ、丁半博打よりも率が高い賭けであったし、
何より俺はジリ貧よりも勝負がしたかった。
こうして俺は王様の勅命で、
ギルドの立て直しをすることになった。
素人がギルドの立て直しをするのは容易ではないだろうが、
落ちぶれていくことが確定しているギルドの
賞金稼ぎでは将来性が無いからな。
ただ、この件で俺は
元勇者ユーキから詐欺師ユーキと呼ばれるようになってしまった。
俺は詐欺師になった気は無いんだがなあ。




