Exprime pour l'aide~救いを求める声~
ぼく、どうしてここにいるの?
しらない男の人が目の前に現れて、ぼくに変なにおいのするタオルを押し付けて・・・
えっと…えっと
おもいだせない
目が覚めたら、暗い部屋にいた
くぐもった男の人の声が聞こえる
誰かと何かを話しているみたい
ん ん きこえない
もう少し扉のほうに行けば聞こえるのかな?
僕は音をたてないように気を付けながら扉に近づく
さっきよりもはっきりと会話が聞こえるようになった
「あの ガキ 高く売れる 。しってるか、あのガキ マンガみたいに特殊な能力使えるらしいぜ。」
「マジで。そういえば俺も聞いたことがある。最近ヘンな力つかえるやつが現れるって話。」
「そうそれだよ。超能力がこの世界に存在しているらしい。数の少ない希少種だ。」
「最近マジもんの猫耳やしっぽのかわいい女の子とか。羽をはやした美少年とかいるからな。そういうの拉致って高く売るのが俺らの仕事。いい儲けだよ。ホント、トリックスター さまさまだ 」
ふたりの男たちは下卑た笑いをする
ぼく売られちゃうの?
お家に帰れないの。
ぼくがしゃべっちゃったからだ。
みんなに自慢するようにたくさん話しちゃってつかっちゃったからだ。
かあさんもとうさんも言っていたのに、ひみつにしときなさいって・・・・
それなのにぼくがいうこと守らずに、言いふらしちゃったからだ。
ごめんなさい 言いつけ守らなかったから。
涙が零れ落ちる
男の子だから泣いちゃだめだ。
そう思ってこらえようとするけどぼろぼろとぼくの意志関係なしに涙は出てきちゃう。
声だけは出しちゃダメ。
ばれちゃう。
「取引相手は、いつ来る?」
「あと2時間後だ。」
「おれ、こういう話聞いたことがある。希少種が群れて、悪事を裁く集団が存在するって話。俺ら平気すっか?」
「それきいたことあるぜ。たしか、能力の悪用者から、能力取り上げちまうっていう鬼の集団だろう。
なまえはたしか…そう、百鬼夜行。でも、俺たちは能力者じゃない。問題ないだろう」
「あ、そうっすね。俺ら、能力者じゃないですし。」
百鬼夜行
能力者の集団
ぼくみたいな力を持つ人がほかにもいる。
それは嬉しいことだった
ぼくを 助けに来てくれるかなあ
このひとたち わるいひとだよ
ぼくみたいな力を使う人間を売るなんて悪いひと
―――――――――ぼくはここにいるよ 助けて
そう力を使って助けを呼ぶ
悪い奴らには聞こえないように、ぼくを助け出そうとしてくれる優しい人に届くように。
バンッ
ドアが開いた
わるいひと?いいひと?
はいってきたのは2人の男の人
一人は金髪に青い目をしたとてもきれいな男の人
黒い髪に黒い目のペットボトルをてにもった男のひと
青い目の男のひとは僕に確認する
「遠藤 颯介くん?ぼくは、君のお母さんとお父さん、遠藤 晃 と 遠藤 羽菜 の使いの者です。君の声を聴いて助けに来ました。これがその証拠になるかどうか・・・」
そういって男の人はポケットから、とうさんの時計とかあさんのネックレスと二人からのサインの入った文章を見せた
とうさんとかあさんの文字
ぼくは、男のひとの手を取る
話し声に気が付いたとめりの部屋の悪いひとが、こっちにくる
「おい何もんだ」
「ただに救出者です。」
「こいつら、例の百鬼夜行じゃないんですか?」
「百鬼夜行?」
ぼくの手をつなぐいい男のひとは、いぶかしげにその名を繰り返す
「ちがうのか。なんだ。ならこっちにだって勝算はある。」
悪い男のひとは、どこからともなく銃を取り出す
真っ黒い銃
いい男の人は銃を見ても顔色一つ変えない
はぁ
そうため息をつく
「むだですよ。むしろ、怪我する危険性があるのはそちらのほうですよ。僕には当たりません。」
「如月君。いいかな?」
「いいですよ。締めちゃってください。こんな悪い奴ら、警察に突き出さないわけにはいきませんから。誘拐犯さん、お願いですからおとなしくつかまってください。荒事は嫌いなんですよ。」
「はっ、丸腰のガキひとりやるのはたやすい」
「そうっす。降参するのはそっちです」
黒い髪のいい男の人側にの尻尾を持つ悪い男のひとにペットボトルの水をかける。
べしゃあ
そう普通なら水がかかるはず
でもその水はちがった
うねうねとうねって、わにの尻尾を持つ悪い男の人を水で縛り上げる
もう一人のとさかを頭につける男のひとも、同じように捕まえる
銃は、水の檻に閉じ込められていた
一瞬の出来事
ことが終わったのを見計らうように陰からさらに二人の男のひとが出てくる
明るそうな人と暗そうな人
暗そうな人に金髪の男のひとが何か頼む
暗そうな人は縛られた男の頭をがしっとつかむ。
5秒くらいで手を放しもう一人に同じことをする
さっきまでうるさく騒いでいた悪い奴らは急に静かになった
目はつぶっている
「さぁ、かえろう。君を待つ人のところへ。賀上」
「おう」
明るい男のひとがこっちにやってきた次の瞬間
目の前に とうさんとかあさんがいた




