第15話:笑顔の奥にあるもの──ノアの最後の願い
今回は、癒し系ヒロイン・ノアとの最終対話です。
いつも誰かのために微笑み、支え続けてきた彼女。
でもそのやさしさは、「自分の気持ちを押し殺す」という小さな犠牲の上にありました。
そんなノアが、初めて“自分のために”願いを口にします。
「……次、わたし」
いつもの柔らかな笑顔を浮かべながら、ノアがそっと前に出る。
どこまでも穏やかで、あたたかい空気をまとっているのに、
その目だけが、ほんの少しだけ……悲しそうだった。
「翔矢くん。わたしね、ずっと“誰かのため”に笑ってたの。
あなたが悲しそうなとき、他の子たちが不安なとき──
笑っていれば、きっとみんな少しだけ楽になるって、信じてた」
翔矢は、小さく頷く。
「うん。ノアの笑顔に、何度も救われた」
「ありがとう」
ノアは、ふっと息を吐くように微笑む。
「でもね、怖かったの。
“誰かのために笑うこと”が、“自分の気持ちをごまかすこと”になってたらどうしようって……
ほんとは、わたしも甘えたかったの。
寂しいって言いたかったし、抱きしめてって言いたかった」
翔矢の胸がぎゅっと痛んだ。
「ノア……」
「でも、わたしには……“選ばれる”資格なんてないと思ってた。
他の子たちみたいに、強くもないし、特別なこともできないし……
ただ、“あなたのそばにいたい”って、それだけだったの」
ノアの頬を、涙が一筋、静かに流れる。
「だから、いまだけ──わがまま言ってもいい?」
翔矢はゆっくり頷いた。
「……お願い。
“好きになってくれてありがとう”って、言って」
翔矢は、まっすぐ彼女を見つめて言った。
「俺のこと、好きになってくれてありがとう。
俺も、ノアの優しさが……ほんとに、大好きだよ」
ノアは、小さく声を上げて泣いた。
そして、その涙の中で、穏やかに微笑んだ。
ノアの足元に、やさしい光が灯る。
“誰かのため”じゃなく、“自分のため”に流した涙が、彼女を照らしていた。
そして、次に出てきたのは──
誰よりも明るく、でも誰よりも傷つきやすかった、彼女
読んでくださってありがとうございました!
ノアのやさしさは、本当は誰よりも寂しがり屋な心から生まれていました。
「選ばれなくてもいい」という笑顔の裏で、ずっとこらえてきた想い。
翔矢がそれを“受け止めた”ことで、彼女の笑顔は初めて自分のためのものになったんだと思います。
次回はリオ回。明るく振る舞う彼女が、ついに仮面を外す瞬間が描かれます!




