第16話:ギャルの仮面の裏で──リオの涙と、最後のジョーク
今回は、ギャル系ヒロイン・リオとの最終対話です。
明るくふざけて場を盛り上げる──それが彼女の生き方だった。
でも、本当は誰よりも「本気で好きになってほしい」と願っていた。
リオが初めて素顔を見せる、ちょっと切なくて、でもあたたかい回です。
「ハーイ翔矢っち! 最後のギャル枠、いっきまーす!」
……なんて、いつもどおりのテンションで登場したリオだったけど、
その笑顔は、どこか作り物みたいに見えた。
翔矢は、黙って待った。
ふざけて笑う彼女が、自分で“本当の声”を出すのを。
「さーてさてさて、何から言おうかなー……」
リオは肩をすくめ、わざと軽く言う。
「ウチ、正直さぁ……“恋”とか、“愛”とか、よくわかんないんよ。
今までも、軽く付き合ったとかはあったけど──
こんなふうに、誰かの顔見るだけで胸がぐるぐるするとか、マジ初で」
「……うん」
「怖かったんよ」
ふいに、声のトーンが落ちる。
「みんなマジで真剣でさ。
ツンデレとか、姉御とか、戦う系とか、めっちゃ自分持ってるやん?
ウチなんか、“うるさいやつ”って思われてんじゃねーかなーって……
“選ばれるわけない”って思ったらさ、
怖くて怖くて、ふざけるしかなかったんよ」
リオは、顔を伏せて、笑った。
「しょうもないやろ? ギャルのくせにビビって、泣きそーになって」
「……泣いてもいいよ。リオの涙、俺は笑ったりしない」
その言葉に、リオはふっと顔を上げる。
「……なにそれ、反則じゃん。
まじで好きになるって、こーゆーことなんやな……」
ぽろり、涙がこぼれた。
「翔矢っち、ウチ、マジでアンタが好き。
でも選ばれなくても、ウチの気持ち、笑わんでくれてありがと」
翔矢は、彼女の前でぺこりと頭を下げた。
「リオ。ありがとう。
リオがいたから、この世界に“笑い”があったよ。救われたよ」
「……マジかぁ……じゃあ、最後にさ、
“ウチのことちょっと好きだった”って、言って?」
翔矢はニッと笑って言った。
「ちょっとどころか、かなり好きだった」
「おおっ、翔矢っち、告白の天才か!?」
リオが大声で笑ったとき、彼女の足元に金色の光が灯った。
そして、次に歩み出るのは──
誰よりも静かで、誰よりも強かったあの少女。
最後まで読んでくれてありがとう。
ふざけることでしか自分を守れなかったリオが、
最後には「ちゃんと好きだった」と言葉にできた。
その一言が、どんな告白よりも重かった気がします。
次回はカナ回。戦うことしか知らなかった少女が、
初めて“守りたい未来”を口にします。




