第13話:ミカの選択──「壊れてでも、あなたがほしかった」
今回は、ヤンデレ代表・ミカとの最終対話です。
翔矢を一途に想いすぎて、壊れてしまいそうだったミカ。
でも彼女は、最後に“愛すること”と“独占すること”の違いを、自分の言葉で見つけようとします。
苦しくて、でも温かい、彼女の本音に触れてください。
レナが光に包まれ、後ろへ下がると、代わるようにミカが前へと歩み出る。
包丁も、鋭い笑みも、今日は持っていない。
ただ、長い髪を風に揺らしながら、ゆっくりと翔矢の前に立った。
「ねぇ、翔矢くん。
今までの私、怖かった?」
「……ちょっと、な」
「だよね」
ミカは、ふっと笑った。悲しそうに。
「私ね、最初から“あなたの一番”になれるなんて思ってなかった。
でも、どうしても……ほしかったの。
たった一言、『お前がいちばんだ』って言葉が、欲しくて欲しくて、
……それがなかったら、生きてる意味なんてないって、思ってたの」
瞳が揺れる。
今にも崩れ落ちそうなほど、彼女は脆かった。
「他の子たちみたいに、優しくもない。
武器しか持ってない。
でも、翔矢くんが優しくしてくれるたびに、“偽物の自分”が壊れていくのが分かったの」
「ミカ──」
「それでも、ずっとそばにいたいって思った。
あなたの声を聞くと、胸がぎゅってなって、苦しくて、でも幸せで──
あぁ、これが“恋”ってやつなんだなって、やっと分かったの」
涙をこぼしながら、ミカは首をふる。
「……私は、“選ばれない”かもしれない。
でもね、もう壊れなくて済むの。
ちゃんと好きになれたから。
“自分自身”も、あなたも」
翔矢は、ミカの手をそっと握った。
「ミカ、お前がいてくれて、どれだけ救われたか……
俺は忘れない。絶対に」
その瞬間、ミカの足元にも、あたたかな光が差し込んだ。
彼女の不安も孤独も、“本当の愛”に変わった証だった。
静かに、一歩引くミカ。
次に、クールなあの少女が前に出る。
最後まで読んでくださってありがとう。
ミカは誰よりも愛に貪欲で、誰よりも愛し方に不器用な子でした。
「全部欲しい」と泣きながら、それでも翔矢の幸せを願えた彼女は、
本当に強く、優しかったと思います。
次回はユイ。感情を持つことすら拒絶してきた少女が、
翔矢に出会って知った“ざわめき”に向き合います。




