第11話:黒い七瀬、最後の宣告──選ばなければ全員消える
いよいよ物語はクライマックスへ──。
全員の想いに触れた翔矢に、突きつけられるのは「たったひとりを選ばなければ、全員が消える」という世界のルール。
翔矢の優しさが試される、“選ばない愛”が揺さぶられる衝撃の回です。
「選ばなければ、全員消える」
その言葉は、雷のようだった。
夜空を割って現れた“黒い七瀬”──ネガあかりが、屋敷の上空に浮かび、全員に宣告した。
「感情を与えられたクローンは、不安定な存在。
“選ばれることで初めて存在が確定する”。
それがこの世界のルールよ」
「ふざけんな……!」
翔矢が叫ぶ。
「全員が心を持って、全員が笑ってる。
それを“ひとりしか生き残れない”なんて、そんなのおかしいだろ!!」
ネガあかりは、ゆっくりと翔矢を見下ろし、微笑んだ。
「じゃあ、どうするの?
“誰も選ばない”って言うの?
それは、全員を否定するってことよ。優しさの皮をかぶった、ただの逃げ──」
「逃げじゃない!!」
翔矢の叫びが、夜を裂いた。
「俺は……誰かひとりだけを愛するなんて、今はできない。
でも、全員に“確かに心がある”ってことは、俺が一番わかってる!
だから俺は、全員を……失いたくないんだ!!」
その言葉に、7人のクローンたちが目を見開く。
レナが、小さくつぶやく。
「……バカ。ほんとに、バカ」
ミカが、声を震わせる。
「そんなこと……言われたら……誰も、あなたを嫌いになんて……できないじゃない」
空が、軋む音を立てた。
ネガあかりの影がぐらりと揺れ、空気が歪む。
「じゃあ、証明して見せて。
“全員を想う”なんて綺麗事が、本当にこの世界を救うのか」
黒い影が地に降り立つと、地面に亀裂が走った。
“選択の儀式”が、強制的に発動する。
選ばなければ、世界が崩壊する。
翔矢は、震える手で胸を押さえながら、ゆっくりと7人の前に立った。
「俺は……答えを出すよ。
でも、それは“お前たちの言葉”をちゃんと聞いてからだ」
静かに、7人の少女が一歩ずつ翔矢の前に歩み出る。
それぞれの想いが、今、試される。
最後まで読んでくれてありがとう。
翔矢の「全員を守りたい」という想いと、ネガあかりの「選ばれなかった痛み」がついにぶつかりました。
いよいよ次回からは、一人ひとりとの“最後の対話”へ。
各ヒロインの“決意”が描かれていきます。
……誰を選ぶのか。いや、本当に“選ばない”という選択は可能なのか。
最後まで見届けてください。




