プロローグ6 瑠璃、不審者と会話する
お互いに名前を名乗りあった半獣人の少女、瑠璃と、引退した研究者、堀田。
そうして二人はお互いの事を数秒間見つめあっていたのだが、瑠璃の狐火の消火の為に湖へ飛び込んだ不審者が湖から上がってきた為、二人は視線をその不審者に向けていった。
「……」
「……」
「……あの……む?」
「うん?」
「……ぷはぁっ!? くそっ、誰だ!? いきなり人の事を燃やしやがって!?」
「あなたを燃やしたのは私です」
「あん!? てめえが犯人か……あ? な、なんだあ、このチビは……?」
湖から上がってきた不審者は頭を振りながら自身に向けて炎を発射してきた犯人の姿を探していく。
そんな不審者に瑠璃が自分が犯人だと名乗り出ていった。
こうして自身を燃やした犯人と対面した不審者は、怒りに満ちた目を犯人、瑠璃に向けていく。
しかし犯人、瑠璃の姿が幼女そのものだった為、困惑しながら指差し確認をしていった。
そんな不審者に瑠璃が、自身の名前を名乗っていき、続けて不審者の名前を尋ねていく。
「私はチビじゃありませんよ。私は瑠璃という名前です」
「……ああ、そうかい」
「はい。それで、あなたの名前はなんというのでしょうか?」
「……ああ? 名前だあ……?」
「はい。私は名乗りました。ですからあなたも名乗ってください。そうじゃないとこれからあなたの事をどう呼んで良いかがわかりません」
自身の名前を尋ねられた不審者は不機嫌そうな表情で瑠璃を睨み付けてくる。
しかし瑠璃はまったく怯む事なく不審者に名前を尋ねていき、催促をするように尻尾をユラユラと揺らしていった。
この瑠璃の行動に腹を立てた不審者は、瑠璃に向けて隠し持っていた拳銃を向け、これ以上苛立たせるようなら撃つ、と脅してきたのである。
「……ふざけんなよ、チビが!!」
「……あ」
「……なっ!? お、お前正気か!? 相手は子供だぞ!?」
「うるせえじじい! おい、チビ! これ以上俺様を怒らせたら、本気で撃つからな!?」
「……」
「……おらぁ!!」
「うっ!?」
拳銃を見せながら脅しているのにも関わらず平然としている瑠璃。
そんな瑠璃に苛立った不審者は威嚇射撃として瑠璃の足元に向けて一度発砲していった。
これに瑠璃ではなく堀田が驚くと、不審者はニヤニヤしながら瑠璃に声を掛けてくる。
「くくっ、そこのじじいは撃たれるのが怖いってよ。お前も怖いだろ、チビ?」
「……私の名前はチビじゃなくて、瑠璃です」
「……てめえの名前なんざ聞いてねえんだよ、チビ! もういい、くら、」
「狐火」
「えっ!? あっ、あぎゃあああ!?」
銃を突き付けられているのに落ち着いている瑠璃の態度に、ぶちギレた不審者が撃とうとする。
しかし瑠璃は撃たれる直前に再び狐火で不審者を吹き飛ばしていった。
閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいね、いつもありがとうございます!




