プロローグ4 研究者、市長達への報告を終える
少しの間黙って小島を眺めていた研究者に、市長が声を掛けていく。
「……あの、博士、とりあえず警察に出動要請をしておきましょうか?」
「……む? おお、そうじゃな。市長よ、すまんが、警察への連絡を頼めるか? わしはこのままここで、まあ……恐らく不審者達なのじゃろうが、その動向を見張っておくから……」
「わかりました。すぐに通報しますから、博士、無茶だけはしないでくださいね?」
「わかっておるわい。わしもこんなに早く死ぬつもりはないからな」
「ふふ……それを聞いて安心しました。それでは博士、警察へ通報しますから、通信を終わらせてもらいますよ?」
「うむ、頼んだ」
「はい。それでは」
「うむ。それでは」
市長は研究者に、警察へ通報する事を約束してから通信を終わらせてきた。
そんな市長に感謝しながら、研究者は自身の終の棲家を見張り続けていく。
そんななか、研究者は遂に自身の終の棲家から外に出てくる不審者達の姿を見る事になった。
「……うぬぅ……まだわしの家から出てくる気配は無いか……それに、当たり前かもしれんが警察が来る気配もまだ無い……これは、長期戦を覚悟しておいた方が良いかもしれんな……む……?」
「……はははっ! さっさと買ってこいよ!」
「そうだぜ、お前は賭けに負けたんだからな!」
「ちっ……めんどくせぇ……なんで俺様がパシらされねぇといけねぇんだよ……」
「賭けに負けたからだって言っただろうが!」
「そうだ! 悔しかったら賭けに勝てば良いんだよ!」
「クソ共が……よく覚えてろよ、次の賭けは俺様のボロ勝ちだからなぁ!!」
「……あれは……あれがわしの家を占拠している連中か……最低でも三人、か……さてどうするか……」
自身の終の棲家を占拠している不審者達の姿を確認した研究者は、このまま黙って見張りを続けるのか、それとも出てきた一人に軽く声を掛けてみるのかで頭を悩ませ始める。
そうして迷っている研究者の近くに偶然やってきた不審者達の一人が、研究者の存在に先に気付いて、見るからに不機嫌そうな表情で研究者に声を掛けてきた。
「ちっ、まったく……」
「……ふぬぅ……」
「……あ? あん? なんだぁ? こんな山ん中に、お迎えの近そうなじじいが一人で……?」
「……え? うっ!?」
「……なんだよじじい? そんな、見つかったらいけない相手に見つかったようなツラはよぉ……?」
「あ、い、いや……」
「……はっはぁ~ん、そうか……じじいてめぇ……あのボロ小屋の主だな?」
「い、いや……」
「おらぁ!!」
「うぐっ!?」
「へへっ……俺様は今賭けに負けてストレスが溜まりまくってるからよぉ……てめぇで発散させてもらうぜぇ、じじい!!」
「ぐっ、ぐうっ!?」
不審者の一人は研究者の胸ぐらを掴んで研究者を持ち上げていくと、そのまま右拳に力を込め始めていった。
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