プロローグ3 市長達への報告
とりあえず自身の車に戻った研究者は、これからどうするかを考え始める。
そうしてまずは今の状況を市長達に連絡する事にしていった。
「……ふぅ、なんとか無事に帰ってこられたか……しかしこれからどうするか……」
「……」
「……ふむぅ……とりあえず、市長達に今の状況を簡単に報告しておくか……」
「……」
「……む、繋がらんか……? そうなるとどうするか……む、繋がったか! 市長、聞こえるか? わしじゃ!」
「誰かと思えばあなたでしたか、博士。ですがどうなされたのですか? 境遇に寂しくなって連絡をしてくるにしても、これはさすがに早すぎると思うのですが……?」
市長に通信が繋がった事に喜ぶ研究者と、予想していたよりもあまりにも早すぎる連絡に困惑が隠せない市長。
お互いがお互いに正反対の感情を向けるなか、研究者が市長に現在の状況の報告を始めていく。
「いろいろあってな、こんな形での早すぎる連絡になってしまった。とりあえずはその事を謝らせてもらおう。すまなかった。どうか許してほしい」
「あ、いえ、博士。連絡が早いと思っただけでして、連絡があった事に怒っているわけではないので、博士がこちらに謝罪される事はありませんよ……それで、一体どのような事案が発生したのでしょうか……?」
「うむ、実はな、終の棲家に向かっている道中の道路のど真ん中に半獣人の子供が一人倒れておった。これを保護する形で車に乗せて終の棲家に向かったのだ。これがまずは一つ目の話だな」
「ほう、半獣人の子供を? それはまた、なんとも……更にその話し方ですと、まだまだ問題と言いますか、何らかの事案が発生しているのでしょう?」
研究者から成り行きから半獣人の子供を保護したと聞かされた市長は、何回か首を縦に振りながらその話を飲み込んでいった。
続けて市長は研究者に他の事案の事も話してほしいと頼んでいく。
この市長の言葉に応じる形で、研究者は次の事案の話を始めていった。
「うむ。その終の棲家がある湖に到着したのだがの、終の棲家がある小島に向かう為に使っているボートが無くなっているのだよ」
「……ボートが? それはまた、妙な話ですね……」
「うむ。しかも、その小島の方から人の声らしい物音が聞こえてきたのだ。それも、複数人の話し声らしい物音が、な……」
「……複数人の、話し声、ですか……そうなりますと、その話し声の主達がボートを使って小島に渡り、その、終の棲家を自分達の住居として使っている、と……?」
「……まあ、今はそう考えるのが一番可能性の高い予想なのだろうな……」
「ふむぅ……」
市長との話し合いで一応の結論を出せた研究者は、複雑な表情で自身の終の棲家を眺めていった。
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