プロローグ10 燃やされ続ける不審者達
湖に飛び込んでいった不審者達がなんとか消火作業を終えて湖から上がってきたところで、瑠璃が不審者達に早くここから立ち去るように、と声を掛けていく。
この声掛けに対して不審者はふざけるな、と叫びながら拒否してきた。
その為瑠璃は、不審者達が諦めてこの場所から立ち去るようになるまで、狐火で攻撃し続ける事にする。
「……はあ、はあ……」
「……ひい、ひい……」
「……こ、この、クソガキ……!」
「……皆さん、早くここから立ち去ってください。そうじゃないと堀田さんが安心出来ません」
「ふざけんじゃねえぞ、クソガキが!!」
「ああ! じじいの事なんざ知ったこっちゃねえ!!」
「覚悟しやがれ!! 今度こそ俺達が……あっ!?」
「狐火。そして連射」
「ひっ!?」
「ぐえっ!?」
「……こやつら、これだけ燃やされてまだここに居座るつもりなのか……」
「堀田さん、大丈夫ですよ」
「……うん? 大丈夫? それは、どうして大丈夫だと言えるのだ?」
「この人達が諦めてここから立ち去るようになるまで、私が狐火で燃やし続けますから」
「……そ、そうか……」
瑠璃の考えを聞いた堀田が、露骨にドン引きした表情になった。
そんな感じで瑠璃と堀田がやり取りをしているところへ、再び湖から上がってきた不審者達がまたしても瑠璃と堀田に襲い掛かろうとしてくる。
そんな不審者達に、綾はまったく容赦する事無く狐火を炸裂させていった。
「……ぷあっ!」
「はあっ、はあっ!」
「……んの、クソガキがぁ……ぶっ殺す!!」
「狐火」
「ぐえっ!?」
「ぎゃあっ!?」
「がはっ!?」
「……ぶふぅっ! この……!」
「狐火」
「ああっ!?」
「ぶえっ! ガ、ガキが……」
「狐火」
「ぬわっ!?」
「ばはぁっ! まだまだ……」
「狐火」
「のおうっ!?」
「……キリが無いのう……」
瑠璃に狐火で燃やされては湖に入って消火し、消火し終わったら襲撃をしてきて、そうするとまた瑠璃の狐火で燃やされる……そんな不審者達の姿を見ていた堀田が、キリが無いとボソッと呟いていく。
しかし何度も狐火で燃やされていた不審者達の心が、遂に折れる時がやってきた。
「……はあ、はあ……く、くそっ、何度やっても燃やされて湖に叩き込まれる……」
「ちくしょう……俺達が……」
「……まだやるんですか? ずっと同じ結果が続いていますけど……」
「……なあ、一つ聞くんだけどよ……」
「はい」
「俺達がこのまま黙ってここから立ち去ったら、お前はもう俺達を攻撃してこないか……?」
「はい、攻撃しません」
「……そうか……わかった。おい二人共」
「……あ?」
「なんだよ?」
「帰ろう。俺達じゃ無理だ。勝てない」
「……ちっ……」
「……悔しいが、仕方ねえか……」
「ああ。おいガキ、それからじじい」
「はい」
「……なんじゃ?」
「ここから立ち去ってやるよ。ありがたく思うんだな!」
「はい、ありがとうございます」
「……うむ」
遂にこの湖から立ち去ると話してきた不審者達。
そんな不審者達の言葉を、瑠璃と堀田はなんとも言えない表情で聞き入れていった。
閲覧、感想、評価ポイント、ブックマーク登録、いいねよろしくお願いします!




